第86回アカデミー賞 最多7部門受賞(監督賞、撮影賞 、編集賞、音響編集賞、録音賞、作曲賞、視覚効果賞)で話題になっていたゼロ・グラビティがついにレンタル開始されたので、楽天レンタルで借りて観てみた。
物語はまとめてしまうとかなり短い。
スペースシャトルで船外作業中のところ、本来問題無いとされていたロシアがミサイルで破壊したスパイ衛星の破片が襲いかかってくる。乗組員でメディカル・エンジニアのライアン博士(サンドラ・ブロック)とベテラン宇宙飛行士マット(ジョージ・クルーニー)が生き残る。残り少ない燃料、酸素の中、ふたりは地球への帰還をめざす。不運に見舞われベテラン宇宙飛行士マット(ジョージ・クルーニー)は途中で命を落とすが、ライアン博士(サンドラ・ブロック)がひとり地球への帰還を果たす、というもの。
最近わたしが観た映画の中では、さすがにいい部類だったので、よかったと思った点など雑感を書いておきたい。
91 min は絶妙
個人的に最近長い映画を観るのがキツかったりしている。2時間を超えると集中力がもたないというか飽きてしまう。そういった意味で、このゼロ・グラビティの 91min という上映時間は絶妙だったな、と。最後まで集中力が途切れることなく見切ることができました。
読んでてよかった宇宙兄弟
宇宙兄弟読んでたおかげで、結構、用語がわかったところが多かったな、と。たかがマンガ、されどマンガ!
当然ながら宇宙空間、無重力状態の表現がすごい
冒頭の事故でライアンが宇宙空間に投げ出されたとき、 ISS へ乗り込もうとした時、ソユーズに絡まったパラシュートをとろうとするとき、とにかく無重力で意図した動きをとれない、その表現がすごい。
残酷なまでに美しい地球
ライアンやマットが深刻な危機にさらされているときも、背景に映る地球は残酷なまでに美しかった。個人的に一番美しかったのは、オーロラでしたが、マットがもう助からなくなってしまった際にもガンジス川に当たる朝日がきれいでした。人間の存在の矮小さをむざむざと感じさせる演出だったな、と。
響く心音、煽る緊迫感
音楽ではなく、ライアンの心音で緊迫感を表現しているのがすごかったな、と。音のない宇宙空間というのを上手く利用した音響表現だったな、と。
人は生きようと思うもの
当初、ライアンは宇宙空間が好きだと言い、中国の宇宙ステーションからの地球への帰還は諦めようとしたりするライアンだが、結局は最後まで生きることを諦めなかった。人は誰だって最後まで生きたいと思うものということ、生きるという意思をもつことの大切さを強く感じさせる映画でした。(実際そんなようなことを表現したかったということは特別映像でも言っていた。見事にその表現に成功しているな、と)
邦題のゼロ・グラビティではなく、原題のグラビティのほうが適切
おそらくゼロ・グラビティの方が無重力ということで、宇宙を題材にする作品として日本人受けがいいと思ったからそうしたんでしょうが、、、この作品は無重力空間から、地球への帰還の物語。なので、最後は重力をとりもどすわけで、重力のない状態とある状態ぜんぶひっくるめたグラビティの方がしっくりきます。ライアンは物語の中において生にあまり執着がない人物として描かれていましたが、最後に地球に帰還するにあたっては、大きく生きるという意思を取り戻していました。そこでも無から有ということで重力を取り戻すということが生きる気力を取り戻すということのメタファーになっていたのかな、と。とりあえず、作品を観終わると、ゼロ・グラビティだとこの作品の一側面しか表現できてないので不適切だなぁと思うんじゃないかとわたしは思いました。
なにはともあれおすすめの作品
邦題が適切ではないのはともかく、わたしが最近観た映画の中ではパシフィック・リムに引き続いてよかった。まだ観てない方はゼヒ観てみて欲しい!
では、今回はこんなところで。