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周回遅れの《エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10》/2018年の読書リスト。

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 今年(2017年)の年の瀬はドタバタとしてしまい、1年を振り返る暇が少ない。本当は年内に振り返りをつらつらと振り返りながらブログを書きたいところではあるが、越年することも特に厭わず来年(2018年)になることもよしとしたいと思う。

とりあえず例年、年の瀬の日本経済新聞に《エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10》が掲載されるので、その中から周回遅れの翌年(2018年)に読む読書リストをつくっておきたい。

エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10(2017年版)
エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10(2017年版)/引用元:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO25140590X21C17A2MY5000/

 この中から来年(2018年)わたしが読みたい本をなんとなくで選んだら4冊になった。4はなんとなく好きじゃない数字なので5冊選ぶことにした。その5冊は以下のとおりだ。

(1)人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか(2)日本の人事を科学する(3)スティグリッツのラーニング・ソサイエティ(4)正規の世界・非正規の世界、そして(5)現金の呪い。

《エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10》から5冊選んだ2018年の読書リスト。

 以降、自分の備忘録のためにどのような点に興味をひかれて読もうと思ったかを記録しておきたい。

 大差で1位に輝いたのは『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』。福田慎一・東京大学教授は「本書のタイトルは低インフレが続く今日の日本経済における最大の矛盾の一つ。研究者がそれぞれの観点から考察し、解答を導き出している点が興味深い」と推薦の理由を説明する。宅森昭吉・三井住友アセットマネジメント理事・チーフエコノミストも「様々な視点からの分析が参考になる」と指摘した。「日銀の異次元緩和政策が2%の物価目標を実現できなかった原因と、日本の今後を考える一助になる」(地主敏樹・神戸大学教授)との見方もあった。

引用元:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO25140590X21C17A2MY5000/

 個人的には人手不足「だから」賃金が上がらないのだと思っているのだが、その点どのように書かれているのが気になるのが本著。

 『日本の人事を科学する』も多くの票を集め、4位に入った。八代尚宏・昭和女子大学特命教授は「複数の企業の人事データを活用した、社員の定着率や昇進などについての綿密な実証分析であり、労働経済学の新しい分野を切り開いた」とみる。

引用元:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO25140590X21C17A2MY5000/

 AI、ロボットなどが話題にあがるからこそ「ヒト」に関するトピックに最近関心がある。

ノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・E・スティグリッツ米コロンビア大学教授の著書には根強い人気がある。6位に入った『スティグリッツのラーニング・ソサイエティ』の副題は「生産性を上昇させる社会」。嶋中雄二・三菱UFJモルガン・スタンレー証券参与・景気循環研究所長は「今の日本は製造分野で培った優れた能力を十分に別の分野に転換できずにいる。新しい産業政策を構築し、人や研究への投資、ラーニングを生かすことこそ日本の採るべき道だという結論に納得する」と強調する。

 これも「ヒト」に関連する書籍だ。「新しい産業政策を構築し、人や研究への投資、ラーニングを生かすことこそ日本の採るべき道」という上述の言葉にひかれるものがある。

 労働・雇用問題の専門家の間で評価が高かったのが『正規の世界・非正規の世界』だ。清家篤・慶応大学教授は「正規と非正規労働の実態を精緻な理論と統計資料によって客観的、科学的に解き明かしている。著者の研究の集大成といえる力作で、これからの労働経済学研究の里程標となるべき一冊」と上位に挙げた。

引用元:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO25140590X21C17A2MY5000/

 無期雇用転換逃れが話題になっているからこそ正規・非正規雇用はとても関心のあるトピックだ。

『現金の呪い』を強く推したのは藤田康範・慶応大学教授だ。「高額紙幣を廃止すれば地下経済での経済取引が減少する、紙幣を廃止すればマイナス金利政策の実効性が高まるとの帰結が衝撃的だ。キャッシュレス(現金のない社会)ではなく、レスキャッシュ(現金の少ない社会)への移行を提唱している点にも卓越した現実感覚を読み取れる」と解説する。

引用元:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO25140590X21C17A2MY5000/

 現金大好きな日本人にはキャッシュレス(現金のない社会)がそもそも大きな壁だと思っているのだが、それをレスキャッシュ(現金の少ない社会)への移行ということがそもそも可能なのかということも考えながら読んでみたい。また後日、視点:ビットコインの「真価」はいくらか、リバタリアンの誤解=ロゴフ氏 | ロイターが『現金の呪い』の著者による寄稿であることを知った。仮想通貨についても示唆に富んだ著書であるようだ。

 と、以上だ。5冊なのでできれば来年(2018年)の半ば、6月くらいまでには読み終わっておきたい。現状、読書途中の本もあるので、あまり根を詰め過ぎずユルく読んでいきたいと思う。

(了)。

※ 追記(2018年1月2日):とりあえず、Kindleで購入可能なものについてはリンクを追加した。