あらすじ
「かなの書」の教えを請うた笠置亜紀子先生からまさかの固辞。路頭に迷う鈴里高校書道部へ追い打ちをかけるかのように、笠木先生はなんと、宿敵鵠沼高校に「かな」を教えることに!だがそのとき、思わぬ救世主が現れて!!文化系青春コメディー、因縁が戦いを呼ぶ第七巻!!
感想
- 勉強になる漫画の決定版!
第七巻からの知見をいかに記録します。知見
- ひらがなの由来
- 大昔、日本人は字を持たない民族だった
- 話し言葉は日本語、書き言葉は漢文。
- 万葉がな
ひらがながまだなかった頃、日本人が日本語を文章にしたくて、漢字の読みを当てて書いたもの。
漢文を漢字で書くのは正しい使い方ということで真の名*1→真名
日本語に漢字を使うのは裏の使い方→仮名- 万葉がなのころには、行書*2、または楷書*3で書かれていた。
しかし、それでは、普通の漢字と「万葉がな」を同じ文章に使うと読みづらくなってしまう。
普通の漢字は行書で書いて、「仮名」は草書で書けば読みやすいと考えた→草仮名。
これをさらにくずしていってひらがなができた。- 漢文で日本語を書いていた日本人はだんだん物足りなくなってきた、それは「心の中」のことを書きたくなったから。
- 「心の中」を書くとは、恋の歌、つまりラブレター。
- 変体仮名
- 万葉がなのころ、日本語に漢字の音を当てて書いていたのだが、ひとつの発音にいくつもの字が当てられていた。
例えば、「カ」の発音には、加・可・閑・嘉・駕・賀・我・家・香・佳・・・が当てられていた。- ひらがなになれなかった残りの漢字もそのまま消えていったわけではなく、いくつかの字はその後も「かな」としてつかわれていった、それが変体がな。
たとえば、生楚者(きそば)や御手茂登(おてもと)、天婦羅(てんぷら)など。- カタカナの由来
- カタカナは漢文を日本語を読むときに「てにをは」や、送りがなを記入するためにつくられた。
- カタカナは同じ音の漢字を元に作られているが、漢字の一部分、すたわち片方を使ってつくられているから「カタカナ」
※ひらがなは、漢字をくずしてひらいたから「ひらがな」。- 「かな」用の筆
- イタチやタヌキやネコ、テン、リスの毛を使う。
- 最初は、腰の強い毛の方がよいため、イタチがいい。
- 漢字で使う山羊の筆と違い、消耗品。
- 熱心に練習をすると10日と持たないもの。
- 紙も「かな」用がある。
- 「かな」の書は、連綿という技術が重要
- 連綿とは、文字をつなげて書くこと。
- 一定の太さで、なるべく途切れないように丸を書くことが練習になる。
- 「かな」の字の収筆の仕方
- 「抜く」か「結ぶ」
- 漢字の常識は通用しない→漢字の場合は、「止める」か「ハネる」か、「はらう」
- 散らし書き
- 行を散らして書くこと。
- 寸松庵色紙。
- 行間の幅も一定ではなく、垂直ではなく、斜めになっている行もある。上のほうに大きな余白を残すこともある。
- 非対称の美
日本の他の美術作品にも見られる。
→長谷川等伯の「松林図屏風」や「龍安寺石庭」。- 高野切
- 古今和歌集を書写した最古の作品であり、なおかつ最高の作品。「かな」を学ぶ者は、かならず臨書しなければならないとされるほどの名筆。高野切は3人の作者の手によってかかれており、筆者別に第一種、第二種、第三種に分類され現在に伝えられている。
- いろは歌
- 「ひらがな」47文字をすべて1回つかい、決して重複せず、なおかつキチンと意味が通っている。
- 折句
和歌の中に、別の言葉をひそませる技法。
有名なのは在原業平の伊勢物語に出てくる唐衣の歌。
いろは歌を七文字づつ並べたときの一番したの文字に着目すると「とかなくてしす」
→「咎無くて死す」となる
→いろは歌には罪無くして死ななければならなかった者の怨念が込められているという伝説がある。
とめはねっ! 鈴里高校書道部 7
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