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「リフレはヤバい」の読書メモ

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読書メモを公開していこう 2013 (第二弾) - #garagekidztweetz で告知した読書メモの公開、初回はリフレはヤバい (ディスカヴァー携書)です。リフレの問題点について把握するという意味では一読の価値があるかと思います。

はじめに

リフレはやばい、最悪だ
***
✔リフレとは?→インフレをわざと起こすこと
***
201212、安倍内閣、前例のない手段を動員して徹底した金融緩和を行うと繰り返した
→受けた→衆院選に圧勝
***
この金融政策を支えているのが、リフレ派と呼ばれるエコノミストや経済学者、その政策をリフレ政策という
↓これを中心とする安倍首相の経済政策に関する主張をアベノミクスとしてはやし立てる(マスコミ)
***
なぜ、インフレを意図的に起こすことである「リフレ政策」が悪いのか
✔日本経済が崩壊する可能性があるから

✔リフレが国債を暴落させるから
→✔円安と名目金利上昇となるから

国際が暴落すれば、国債を大量に保有している銀行は、経営破綻に追い込まれる
→銀行危機になる
→貸し渋り、貸しはがしにつながる
→中小企業はひとたまりもない
***
✔国債が暴落しているから、政府が銀行に資金注入しようとしても、その資金を調達するために発行する国債を買ってくれる人がいなくなる
→日銀に引き受けさせようとすると、さらなる国債の暴落をまねく、銀行の破綻は加速することになる

スパイラル的金融危機
***
ただし、リフレ政策をとると、ハイパーインフレがおこるというのは、極論
***
✔インフレを起こせないのに、インフレを起こそうとすることが問題
→歪みだけがのこることになる
***
本書の概要の説明 ー7
リフレ政策による目先の円安、株高に浮かれる人々に対する警鐘。安倍首相が名目金利上昇のリスクに気づき、リフレ政策を修正することを望む
:安倍さんは分かっていると思うが… 国民はわかっていない人が多いのかもしれない

第0章 リフレ政策とは何か?

➤リフレという謎の政策

なぜ、わざわざインフレを起こさなければならないのか?
***
安倍首相の三つの矢の話
・強力な金融緩和によるデフレ、円高の脱却
・財政政策
・成長戦略

安倍首相が全身全霊を傾けて実現しようとしているのが、第一のデフレ脱却
なぜこだわるのか?

➤なぜ、わざわざインフレにするのか?

そもそもリフレとは何か?
→意図的にインフレを起こすこと
↓なぜ必要か?
日本経済がデフレだから
デフレにおいては給料などの所得も低下することが多く、実際の日本においても所得水準の低下あるいは停滞が続いている

所得・雇用の改善には景気回復が必要
景気回復にはデフレを解消する必要
→だからデフレ脱却とために、インフレを起こす
(リフレ政策の文脈)
***
本当にインフレになると、景気が回復するのか?

➤リフレ政策(1)インフレターゲット

インフレはどうしたら起きるのか?
***
リフレ派は具体的なプロセスは公開していない
代わりに、かれらの主張するリフレ政策を紹介(4つ)
✔1つめ
インフレターゲット、物価目標
→物価上昇率
(あがることが重要だというのが、リフレ派の主張)
ー24

➤リフレ政策(2)マネーの大量供給

インフレターゲットのコミットメントをすることはいいとして、それを達成するにはどうすればいいのでしょうか?

✔2 つめ、マネーの大量供給
マネーということで、お札だけでなく、他の多くのものも指し示している
みんなの預金も含まれる
ここでいうマネーとは?→日銀が世の中に供給するマネー
貸付の場合もあるし、民間の金融機関がもっている資産を買取、その対価としておカネを払う場合もある
***
日銀が通常とる手段は、金利の引き下げ
・金融機関の金利下げ
・金融市場において日銀がマネーを供給すること
ー26
しかし、今の日本はゼロ金利
日銀から民間金融機関に流れるおカネの金利がほぼゼロ
→金利をこれ以上さげられないので、他の手段が必要
→民間金融機関が保有している資産を日銀が買う

✔普通は国債
(通常は日本の国債)
もちろん、国債以外、株式やリートなどもあり
2001-2006→量的緩和
日銀がマネーを供給しても、経済全体の需要が弱い状態では、世の中のおカネはあまり増えなかった
***
FRB がやっているQE
自身ではバランスシートポリシーと呼んでいる
✔中央銀行の貸借対照表に、資産として民間の資産わ買い入れて計上する施策という意味
→米国の量的緩和は、いろいろなものを買うという政策ということ
***
世の中の人々がおカネをより多く借りないことにはじまらない

➤リフレ政策(3)「期待」に働きかける

インフレ期待を起こさせるということ
合理的期待形成という考え方の流れをくむもの
期待に働きかけて、期待が動くような行動をとる
→机上の空論ではある
***
ただし、インフレがおこるという期待を起こさせることがそもそも難しい
また、インフレ期待が高まったときに、実際に、みんなお金を持っていては、インフレで損をするからいろんなものを買っておこうというふうに人々は行動するだろうか?
ということ

買うなら、モノを買うのではなく、資産を買っておくのではないか、ということ
→家の値段は上がる、金利もあがる
しかし、お金があたったら、そのほかの普通のものを買うのではなく、また資産を買うことになる

つまり、インフレ期待は金利と資産価格には反映されるが、モノの値段には反映されない

➤リフレ政策(4)日銀法改正

第一から第三の手段の実効性を持たせるため、プレーヤーである日銀を変えるという発想
***
インフレターゲットに実効性を持たせるために拘束力をもたせることを考えている
→インフレターゲットを実現できなかったときに、日銀総裁を解任できるといったような内容
***
それでいいのか?
日銀という中央銀行を、日本経済のために専門的知識をクシして金融政策わ司ることわ目的としてつくられた組織と、そのなかの金融の専門家である人々を、半ば脅すような形で金融の専門家でない政治家が思い通りにうごかして。

現実としてうけいれてしまったが
130122、日銀は安倍政権の要求すべて受け入れてしまった
***
イギリスも中央銀行に指示をするが、あくまでも政府としての組織的な決定を指示するー37
***
世界の懸念
・金融政策のプロフェッショナルとして、理論的にも現実的にも、金融政策を歪ませ、経済に悪影響を与える行為は許せない
・世界的に悪い前例となるという懸念
→政治家が直接金融政策に注文をつけるということはこれまでタブーだった

第一章 そのとき、日本経済に何が起きるか?

リフレの妥当性、危険性についての話

➤モノの値段は上がっても、給料は上がらない

日常必需品から車、家の値段があがる
***
サービスまでも広義ではモノ
ただし、サービスの値段があがるとは限らない
・人件費があがらないなら料金を引き上げる必要はない

➤インフレは起こせない

モノの値段があがるのは、お店が値段をあげるとき
↓なぜあがるのか?(2つのパターン)
・コストがあがるため
・値上げする必要はないが、値上げできるならばしたいので、値上げする
→✔値上げしても売れるとき、これをやる
→景気がよくなり、需要があがるときできる
↓しかし
景気をよくするためにインフレを起こすこと、それは無理
✔因果関係が逆だから
ー47

➤良いインフレと悪いインフレ

モノとサービスの価格上昇の違い
モノには、コストに材料費などが入ってくる
一方、サービスのほうは人件費がほとんど
→したがって、モノが値上がりしてもサービスは値上がりしない可能性がある
***
しかし、サービスだって需要が強くなれば、その価格は上昇する
景気がよくなれば、需要が強くなることはもちろんだが、経済全体がよくならなくても部分的な需要が強くなることはある

✔インフレが株や不動産だけに生じる資産インフレの形をとったとき、それらの資産を多く保有していた富裕層がキャピタルゲインを得て、それを消費に回したとき
***
コストプッシュ型インフレ:コスト上昇による値上げ
デマンドプッシュ型インフレ:需要増加によるインフレ
***
前者のコストプッシュ型はよくないインフレ
後者のデマンドプッシュ型のインフレは悪いわけではない
***
物価上昇が最初にきたら、この循環は成り立たない
所得が増大しない中で、物価が上昇すると、買い手はお金がないから、物価があがった分、節約して消費を減らす
→手に入るものが減る→不幸になる
(スタグフレーション)
***
デマンドプッシュ型もいきすぎると、インフレが進みすぎてモノが高くなりすぎ、みんなが消費をしたくなくなる
→需要が増えなくなってしまい、企業も生産を減らす方向へ動く
→所得低下、失業も生まれる
高インフレを防止するために中央銀行が金利を引き上げることになる

➤日本のインフレは円安・輸入インフレ

今の日本で起こるインフレ
→所得があがらないのが問題→コストプッシュ型のインフレしか有り得ない
***
何の価格があがるのか?
✔原材料(食料と資源)
→小麦、原油、天然ガス、鉄鉱石、金、銀、銅など
これらが値上がりするとどうなるのか?
円安によるインフレ
1973年のオイルショックのときも同様のコストプッシュ型のインフレだったが、高度成長後であったから、賃金上昇が継続的な流れになっていたことから、労働組合がインフレに連動して賃金の上昇を要求したことなどから賃金上昇も加速した
一方、企業は売り惜しみをした
→インフレが激しくなった

➤円安になっても、かつてのような大幅インフレはやっぱりおきない

理由:
オイルショックのときは原油の暴騰だったわけだが、実際にインフレが激しくなったのは、賃金上昇も企業がモノをうるにあたって大幅な値上げをしたから(便乗値上げと問題に)
今は、便乗値上げは有り得ない
現在では、原材料の価格上昇が賃金上昇や企業の大幅値上げに繋がらないと考えられる
***
今の日本でインフレが起こるとしたら考えられるシナリオ、もうひとつ
→第三章

第二章 円安はどのようにして起きるのか?

➤円高過敏症候群

円は常に高いと言われる、それはなぜか?
第一に、円安の時にはそれが話題にならない
経済の専門的な議論以外に今はすごく円安だという話は出てこない
↓なぜ話題にならないか?
円高の影響は直接目に見える形で一部の特定の人に集中して起こるのに対し、円安のほうは間接的に目に見えない形で、すべての人に少しずつ影響が広がるため✔
***
円高で直接影響をうける企業、ツータイプ
✔海外市場に依存している企業
円高で利益が減ると見込まれ、株価が下落する
しかし、この利益は減少ではない→なぜなら見かけの利益が減るだけだからー63
ドル建てでみれば、株価はむしろあがっていたりする
✔だから本当は円高のほうが企業の価値を高めるのにはよい
輸出企業に円高が困る理由、もうひとつ
価格競争力に不利になり、輸出ができなくなる
→こちらは実質的な被害がある
***
円高で困るもうひとつのタイプの企業
✔世界的なトップ企業で、世界最高品質の製品をつくっているものの、韓国メーカーなどに追い上げられ、品質は一割上回っているが価格で三割負けているような企業
円安ウォン高になれば、この企業の輸出は伸びることになる(今が、まさに)
ー67
***
実際は、輸出なドル建てで行っているものよりも円建てのもののほうが多い
そして、円高になってドル建ての輸出価格が上がってしまっても売れ続ける魅力のある製品、価格決定力が輸出する側の日本企業にある製品が多い
↓つまり
今や、円安でただちに得をする企業、輸出が増える企業というのは少数派
:根拠の提示はない
***
輸入のほとんどはドル建て
理由:
原油などのエネルギー資源が輸入の多くをしめる。その次に多いものも、鉱物資源などの資源と小麦などの食料だから
✔輸入に関しては円高の方が圧倒的によい
***
日本は貿易立国、輸出企業というのは誤り
今や大きな貿易赤字をかかえている
輸入の方が輸出より圧倒的に多い
:これは一概に言えないと思う。円高の影響で輸出が細ったことも考えられる↓しかし
輸出はドル建てよりも円建てのもののほうが多く、円高の影響をうけないものが多いのに対して、輸入の多くには円安デメリットがある

✔円高のほうが得
***
円安デメリットは重く受け止められない
ガソリン価格が上がって話題になる程度
→高いが致命的ではないため

➤円安のケーススタディ 95−98年の円安

榊原英資大蔵財務官が主導した円売りの為替介入によるもの
***
直接的な介入は、基本的にナンセンスといわれている
→金融市場を政府から歪めることは経済にとってマイナス
→為替介入には一時的な効果しかない
↓しかし、
95年の為替介入は国際世論、金融市場からも受け入れられ79円から100円まで戻した
***
成功した理由
・榊原氏の手腕
・当時の円高は投機的な動きによるもので、円高はもともと維持不可能な水準まで押し上げられていた
・この介入を米国が容認しただけでなく、協力したということ✔
ドル側がドル安修正を望んでいた
***
実際にFRBは短期金利を大幅に引き上げた
一方で、米国長期国債の金利は低下した
→長期国債の人気が上がって長期国債が値上がりしたため
(長期国債の値上がりとは、長期金利の低下を示す✔)
***
97年から様相が一転
このとき韓国はIMFの管理下に
円は暴落、国際金融市場では破綻するかと思われた日本の金融機関へは誰も貸し出しをしてくれず、日本の銀行はドル資金が調達できなくなり、日本の銀行だけジャパンプレミアムと呼ばれる高い金利を上乗せしないとお金がかりられなくなった
円:147円まで安く

➤良い円安、悪い円安

95-98年にかけて円の価値が半分になった円安は、前半と後半で大きく意味が違う
前半:
過度の円高調整、日本が望んだ、日本の経済は悪くなったからではない
後半:
日本経済が崩壊の危機におちいった結果としてのもの
***
90年代後半の円安からの教訓
1. 投機的な動きから過度な円高の修正という考え方はあり得るものの、それは日本が主導してできるものではなく、米国の意向と金融市場の実際の状況という条件が揃って可能となる
2. 為替水準とは、一時的に動かせるものだが、本質的には経済と金融市場の状況を示すものであり、金融市場の構造から結果的に生じているものである
3. 国債の下落、名目金利の上昇を伴う円安は大変危険
ー76

➤2000年からの円安と2005年からの円安

2001年末の円安
→日本危機が再度高まったことに起因、株式も下落。2万円から9000円台まで
2003には、7000円台をつけた
(明らかに景気が後退したことによる円安)
***
2005-200708のパリバショックまでの円安局面
(日本経済が回復過程にあるときに起きた円安)
↓注意しなければならないのは
いずれも世界的な金融バブルのなかでおきたものだということ
サブプライムバブル、実態は世界中でカネ余りから起きた金融バブル
→リスクが高い金融商品に資金が集まり、大きく値上がりした
***
通貨でいうとリスク通貨が大きく値上がりした
→新興国の通貨
韓国ウォン、ハンガリーフォント、南アフリカランド、ブラジルリアル、ロシアルーブル、そしてユーロ
↓結果として
安全な通過とされていた米国ドルと日本円は値下がりした
米国はこのときの金融バブルの中心地だったので、日本円が一番値下がりした

➤為替を支配する金融市場

このときの金融バブルの背景にあったのは、米国の超低金利、金融緩和政策
グリーンスパン議長、2001年のテロ、エンロン事件などを受けて
このときの金融緩和の理由、ふたつ
1. インフレが起きなかったこと
:中央銀行は基本的にインフレを起こさないために存在している
2. バブルを崩壊させるのが怖かったー83
***
為替は中央銀行の政策に左右され、とりわけ、米国FRBが世界的に圧倒的な影響力をもつ
しかし✔その金融政策は、景気だけでなく、あるいはそれ以上に金融市場の動向に左右される
為替とは金融市場そのものであり、金融市場の動向で決まる

➤今、再び円安、そのシナリオ

衆院解散選挙、そして、安倍政権、リフレ政策宣言
円だけでなく、ほかの通貨の動きも見てみるー86
イギリスポンド、ユーロ、ニュージーランドドルほかも201211から値上がりトレンドに入っていた
いわゆるリスクオンの動き、世界中の株価も同じ時期に大きな上昇トレンドにはいった
安倍発言は、日本もそのトレンドのなかにはいるきっかけを作ったにすぎないという見解
***
世界の金融市場が注目していたポイントは何だったのか?
1. 欧州危機への欧州各国政府の対応策で、欧州全体で一応まとまった対応をみせた
2. 米国の「財政の崖」
ー財政支出削減と増税の同時実施により、経済を不況に突き落とすリスク

つまり、株高は、円安だけによるものではなく、円安半分、世界的な流れが半分
***
より重要なのは、国債の動き(名目金利の上昇)
過去の悪い円安局面では、円安、株安、債券安
今回は株高なので、完全な日本売りではなさそう
日本経済はすぐに危機に陥る懸念があるから債券価格には注視が必要
***
名目金利の上昇さえ、起きなければリフレ政策でも何でもやってかまわないといっていいほど

第三章 円安で日本は滅ぶ ー円安で金融市場と日本経済は?

円安は長期的にはよくない
短期的にはいい可能性がある
(輸出が回復する企業があり、大企業の下請けの中小は廃業をまぬがれる)

➤円安による国債市場の危機

今の日本にとってインフレが起きるとすれば、輸入インフレしかない
原油・天然ガスの異常な高騰などがない限り、円安によって起きるシナリオはない
そして、過去の事例をみる限り、外部要因、金融政策を含めた米国の動向によって起きている
***
一方、リフレ政策
主導するのは、日本。中央銀行の日銀。日銀が主導して円安にし、円安による輸入インフレを起こす
→そのシナリオを考えることになる
(かなり積極的な動きをとらなくてはならない)
***
日本国債の動向がすべてを握る
日本の国債残高は先進国の中でもダントツ
***
暴落が始まったかと思われた事件も過去に数度
こういう事件を背景に、日本国債の暴落を狙って、欧米のヘッジファンドなどが、暴落危機を煽りながら空売りを仕掛けたことが何度もある
(しかし、彼らは何度も返り討ちの痛い目にあっている。国債は暴落せず、値上がりした→大損のためにためらうようになった)
***
なぜ、かれらは損をしたのか?
国内の投資家が買いにまわったから
なぜ買いにまわったか?
→お買い得だと感じたから
↓なぜ、国債が優れた投資先なのか?

➤なぜ、国債が買われるのか?(1)流動性が高い

流通額が圧倒的に多い↑
いつでも買いたいときに買え、いつでも売りたいときに売れる魅力

➤なぜ、国債が買われるのか?(2)評価のコンセンサス

国債が誰もが知っている投資対象だということ
国債のリスク判断については、格付けを一つの寄りどころとして投資家たちの間でコンセンサスが出来上がってしまっている
↓あるとなにがいいのか?
投資の説明責任が客観的に果たしやすい
ー105

➤なぜ、国債が買われるのか?(3)固定利回り

✔利回りが固定
長期保有したばあいのリスクがほとんどなくて、利回りが固定→長期運用の先行きが読めるということ
もちろん、国債も価格は変動するが、しかし、長期運用として国債を買う場合には、固定額の利子をとりにいく運用をする

価格変更を気にするとしたら、利回りが上昇すること(値下がりしてから)買った方がいいということ
→つまり、利回りの上昇は事件

➤国債に投資するリスクとは?

✔デフォルトリスクがある
(日本国債はそのリスクが少ないと見られている:もちろん意見のある人はいるだろうが)
✔国債の値下がりリスク
→利回りの変化が投資家には重要だから
***
みんな、安いときに買って、高く売りたい
こういう心理から海外のヘッジファンドが日本国債を空売りした際に日本の投資家に返り討ちにあっている
***
日本の機関投資家たちは、豊富な資金の運用先に悩んでいる→そのてんで、日本国債は魅力的
***
なぜみんな買うのか?
・売り浴びせるインセンティブがない
(すでに大量に保有しているので、売り浴びせて値下がりしたら、自分が大損をする)
***
国債の場合、値下がりが始まったとしたら、その要因はすぐに特定できる
✔誰かが売ったというだけの理由であるはず
***
株式の場合
そのときに、売った投資家が特定されて初めて売った理由がわかる
その情報が正しいなら売りが売りをよんでパニックになる

国債はそれが起きない
国債については、犯人がすぐにわかる(大口の資金を動かすのは機関投資家が中心)。相手がすぐにみえる
仲間内でなければ、欧米系の機関投資家が仕掛けてきたとすぐにわかる
それがわかれば、今こそ買いとなる

➤それでも国債は暴落する

これまでは上記の理由で起こるわけがなかった
しかし、その状況をかえるのが「円安」
***
円安はそれ自体が国債価格の暴落を意味する
ドル建てでみたときに、価値が値下がりする
***
為替でヘッジすればと思うかもしれないが、妥当ではない
1. ヘッジにはコストがかかる
→なのでふつうならば、ドル建ての米国債を買うという行動になる
2. (より重要)日本国債を為替でヘッジするか、米国債に乗り換える、どっちでもいい、というそれそのものが最も危険
どちらかに偏重すれば、そちら側に乗らないといけなくなる
(全員が日本国債売り、米国債買いとなるリスクということ)

➤円安から銀行危機、そして実体経済危機へ

銀行などは時価会計を使っている、使わないといけない
国債が値下がりしたら、それを損益として計上しなければならないということ
***
日本の銀行セクター、200兆円ほどの日本国債を保有
国債利回りが1%から3%に上昇すると、銀行全体の含み損は10兆円前後になる
→損失を10兆円として計上しなければならないということ
銀行資金の毀損が起こる
そのぶんの貸し出しが引き上げられる→貸しはがしが起こる
***
↑をふせぐためには、政府は銀行に資本注入しなければならない
国債の発行が必要になる
しかし、政府が国債を発行すると余計に国債が供給過剰になる
金利上昇、国債価格下落が加速する
(政府財政危機スパイラルが加速する)
ー122
円安をきっかけにして、日本は金融危機から銀行危機となり、そして経済危機へと陥るというシナリオ
そのとき、円安を恨んでも遅い

第四章 リフレ派の二つの誤り その1 インフレは望ましくない

➤リフレ派が主張するインフレの六つのメリット

ポール・クルーグマンに追随する意見が並ぶー126
1. 所得移転
→お金を貸している人たちから、借金をしている人への所得移転の効果により、景気がよくなるという議論
2. 預金者から銀行への所得移転
インフレになれば、それに連動して企業などへの名目の貸付金利をあげることができる
その一方で預金金利は据え置くことができるとする(あり得る)
→こうなると預金者は損をすることになる→銀行側は相対的に得をするようになる
3. 日銀からの贈り物
日銀が政策金利を据え置けば、日銀がふつうの銀行にお金をかす場合の金利を据え置けば、日銀からお金を借りる銀行は得をする
実質金利がマイナスなら、投資への刺激効果があるかもしれない
4. 賃金
賃金があがるのではなく、下がる
インフレにおける最も重要なメリット「名目賃金の下方硬直性」
実質賃金の引き下げになるのが、インフレということ(賃金の引き下げは難しいが、額面を変えずに実質的な賃下げになる)
5. 駆け込み需要を促す(クルーグマンが強く主張)
デフレからインフレに転じることで起こる
6. デフレスパイラルを防止する
→現在の日本にとってはインフレの大きなメリットはこれだといわれている

➤デフレと不況は別

デフレとは何か?
デフレと景気(bussiness cycle )は異なる、あくまで「継続的な物価の下落」のこと
不況(depression)言葉が違う、そもそも
不況と物価の下落は同時に起きるとは限らない
因果関係としては、不況だから物が売れずに価格をさげる
実際、スタグフレーションというものもある
もちろんデフレスパイラルはあるのだが

➤インフレの六つのメリットなど存在しない

少なくとも今の日本にはあてはまるものはない
それをひとつひとつみる

1. 潜在的に需要があるときに意味がある。現状は大企業が資金をため込みすぎて問題になっているし、銀行は貸出先がなくて困り果てている
2. 預金者の金利はほぼゼロのままで、銀行は貸出金利をあげることができるというものだったが、理論的には消費者がお金を十分に持っているのに消費せずに必要以上にお金をためこんでいるときに、銀行に所得移転することによって銀行の財務を改善し、企業への貸し出しものびるというもの←しかし、今は貸出先がなくて銀行は困っている
3.現在の企業の投資の減少は、将来の需要に対して悲観的であるために設備投資などを手控えていることによるもの、お金が借りやすいかどうかはあまり問題ではない→よって実質金利が下がっても金融資産バブルが再来するだけ
4. この議論はふるい。名目賃金は減り続けてきた、賃金を下げた方がよいのは、世代が限定されている(団塊の世代から団塊ジュニア世代、40-65までの人)。むしろ若年層は給与の低下、非正規雇用、ブラック企業にあえいでいる。
5、6は次以降で説明↓

➤クルーグマンは間違っている

5. 前提があり、それが成り立たないならナンセンス(賃金はインフレに完全に連動して上がり続けること)(消費者は十二分な資産や所得がある)
モノの価格はインフレであがるが、自分の給与は上がらない、実質的に給料の価値が下がる→買えるものが減る

まとめ:
駆け込み需要を促すような役割をマイルドなインフレが果たすためにはは、給料、所得もインフレに連動して同じだけあがらなくてはならない
同時に消費者は十分に所得または資産があってお金があまっている人でないとモノの値段が上がってしまう前にあらかじめ先に買っておこうと思えない

➤エコポイントは最高の反面教師

2011、2012と日本を代表する電機メーカーが大赤字、いずれもテレビ事業における大赤字
→駆け込み需要のせい(エコポイントと地上デジタルへの移行)
***
エコポイント、人気がありすぎてあっという間に早く予算が尽きてしまった
テレビも売れに売れたが、エコポイントの終了とともに反動減
:エコポイントだけが理由で赤字になった、けではないと思う、韓国企業との間の競争に負けたという意味では、円高の影響もあったと思うし
***
駆け込み需要は罪深い、反動減の問題に注目する
マイナスのほうが大きいという意見
駆け込み需要は単なる先食い、そのぶんの将来の需要は減る
また、心理面の問題
エコポイントがあったことを覚えているとエコポイントがなくなったときに同じものを買おうと思えない
:この辺は説得力にかける

➤デフレスパイラルは存在しない

・価格だけが勝手に動くと考えているのがおかしい
まず、物価が下がることと、個別の企業の価格づけは別の話→企業は自分で価格を決める
・物価は最初に下落しない、それには理由がある
→それは需要不足。マクロでもミクロでも同じ
***
ふたつの例外:
一つ目→極端な大不況が起きたとき
1929の大暴落、2008年のリーマンショックの直後
物価は異常な動きをとる
(リーマンショックは大不況ほどではなかったという見解)ー154
**
経済学のふたつの変数
価格と数量
ふつうは価格の調整は素早く行われ、生産量の調整には時間がかかるといわれている
しかし、リーマンショック時には数量調整をした

ユニクロに対する見解 ー156
競争は価格と質、あるいはブランド力などで起こる
そのとき価格に偏って競争が起きるのは、消費者の所得水準が下がっていて高いものが全く売れないとき
因果関係としては所得がさがり、景気が悪くなっているので、需要が弱く、価格競争が激しくなり、物価も結果として下がる
所得を増やして、需要を増やす以外にはない

第五章 リフレ派がの二つの誤り その2 やはりインフレは起きない

➤インフレ:抑制困難なら起こすのは簡単?

起きるはずのないインフレを起こそうとしている点でリフレ派は間違っている
インフレが起きないようにするために中央銀行は生まれた→✔政府が勝手にお金を発行しないようにするために
貨幣を信用できないような状況をつくらないようにするために、中央銀行は生まれた

インフレを起こすのは、インフレを抑えるのと逆
だからといって容易なわけではない

政府が勝手に貨幣を大量発行してしまうとすごいインフレになって困る→そのための中央銀行
→中央銀行の独立性はそのためにある

➤築き上げた中央銀行の独立性をあえて壊す愚

独立性とは何か?
✔政治、または政府からの独立のこと
政府の意向の影響を中央銀行が直接受けては意味がない
政府の短期的な意図、意向、願望からは独立でなくてはならない

難しいのが、政府の意向で作られたのに、独立していなければならないということ

中央銀行の独立性の構造的な難しさー165
日本の場合、議員内閣制→首相に権力集中
:このへんは少し大げさにかいてある
**
日銀法改正でどんないいことがあるのか?
よくわからない
自民の今回の動きに関していえば、言うことを聞かないような日銀総裁ならば、いつでもクビを切れるようにするためにやるといっている
→独立性の対極、矛盾

➤金融政策のタコヒモ理論

強い日銀不信感はどこからくるのか?
日銀がデフレを放置しているように見えている
なぜ、デフレを放置している?
→インフレを起こすことはできないから
***
経済学における金融政策の「たこ紐理論」
蛸ではなく、凧
凧を操るのは紐だけ、風をうまく受けて高く上がった凧をたこ紐でコントロールする
凧が風にあおられて高くあがりすぎてしまうのを抑えるのもたこ紐

インフレの抑制は簡単だが、デフレで経済が停滞しているときに、引き上げるのは難しい
確立した議論で、コンセンサスがある
しかし、難しいのは事実だが、なんとか可能にする方法はないかと議論になっている
***
金融政策も同じ、刺激はできる→金利の引き下げ
しかし、いくら金利が低くても売上がのびる見こみがないのに借りる企業はない
そして、今はゼロ金利
***
日銀はそれにさらに量的緩和を行っている
つまり、日銀はゼロ金利のエキスパートである上に量的緩和を編み出し、金利を下げられない状況下でも金融緩和を拡大し、景気刺激を試みている
***
ゼロ金利下で風を起こすことは金融政策ではできない
実際の需要が喚起されなくてはならない

➤所得増なくしてインフレなし

需要の強さは所得におうじる
唯一、物価があがる可能性があれば、輸入インフレ
→ただし国内の状況とは関係がない
唯一関係があるのが、為替安
→しかし、その政策は日本経済を危機においやる

第六章 それでもリフレを主張するリフレ派の謎 ーなぜかれらはインフレが好きなのか?

ー180、インフレの負の影響について書いている
自宅の資産価値の低下、企業買収の加速、人材の流出

➤リフレと日銀批判が大好きな政治家たち

政治家は他人のせいにするのが好き:暴論…
政治家は日本好き

安倍首相の場合は、経済学を勉強してみて、たまたまリフレ派から話を聞き、新鮮だったのだという見解ー184
そして、それがわかりやすかった

➤リフレによだれを垂らす金融市場関係者たち

市場関係者に関しては簡単→株価があがるから(不動産も)
国債、為替は値下がりする→しかし、それでいい(売買が盛り上がる)
相場が動かないのが一番困る
ー187

➤株価上昇では経済はよくならない

株価が上がるふたつのシチュエーション
・望ましいシナリオ
景気がよくなって株価があがる
・望ましくないシナリオ
金融緩和で株価があがる
→お金があふれるからあがる
→お金が金融市場にしかいかないから危険、資産バブルが起こって終わる
設備投資も消費も増えない
***
なぜバブルをもとめるのか?
それで得をする人間がいるから
→市場関係者には大歓迎
***
リフレが普通の金融緩和と違う点
量的緩和、それはそもそも何か?
オリジナルの金融緩和→金融政策の目標を金利水準からマネーと量に切り替える
今の量的緩和は異なる→マネーを余らせることではない、金融商品を買っているだけ
→金融商品があがるのは当たり前、買ってくれるのだから
***
主に日銀が買い入れるのは日本国債が中心
→それにより、国債に比べて他の資産が割安になる→リスク投資家が喜ぶ
つまり、今の量的緩和は資産買い入れによる投資家支援になっている

➤企業経営者が円安を喜ぶ理由

人による
輸出企業、海外拠点のグローバル企業
真にグローバル経営をしている人は顔をしかめる
過度な円高も問題だが、無理に円安になる必要もない。輸入コストもエネルギーコストも上がってしまう

➤リフレの誘惑い堕ちたエコノミストと経済学者

マイルドなインフレならメリットがあるという考え方はあるが、日本には当てはまらない
***
なぜ、リフレ政策を支持するのか?
1. 現実がわかっていないし、理解する気がない
→プロではない、とー200
2. 机上の空論が大好きな人々がリフレを主張している

➤リフレ派の妄想の現実化の恐怖

政府紙幣の議論
日銀がお札を刷ってくれないなら、政府が刷ってしまえという議論
***
さらに荒唐無稽なバーナンキの論理
ヘリコプターマネーという議論ー204
→政権で重要なポストについてからはしていない

➤リフレ派の真実

インフレを起こせ、というが具体的な指示はできない
インフレターゲットを設定しろとは言うが、そのターゲットを達成するための手段は教えてくれない
給付金ではボロがでる
期待に働きかけている

第七章 リフレ派の理論的な誤り

➤米国もバーナンキもインフレ望まず

米国が導入したのはインフレターゲットではない
失業率とインフレ率のふたつのバランスで判断する
一方が短期的に多少犠牲になっても、もう一方の目的を実現するために行動する可能性はあるし、必要ならば断固そうする
***
バーネンキはインフレを起こそうとはしていない
インフレ率をあげるということは明らかによくないという証拠
インフレは金融緩和による副作用
→インフレが経済にプラスだとは誰もいっていない
***
では、ゴールは?
経済活動に何らかの問題があることを示す指標としてあくまでインフレ率を使うという姿勢
インフレ率が高くなっていなくても、経済の状態がよくなっているならば、それでもハッピーだということ
インフレ率をあげることが、自己目的化しないかという懸念

➤同じ価値観の日欧米中央銀行

インフレターゲットをはっきりと設定している国もある
→イギリス、カナダ、ニュージーランド
アングロサクソンの政策担当者は英雄的な考え方、自分が動いてすべてを解決するという考え方をもっている

➤イギリスは例外

イギリスといえば、ロンドン。ロンドンといえば、シティ→世界の金融の中心
***
ウィンブルドン現象ー225
***
ロンドン株式市場の動きは他と異なる
資源関連株が大きなウェイトを占める
イギリス国内ではなく、世界に所有する鉱山などの採掘権、利権をタネに企業を経営し、それに依存した経済になっている
金融立国

そのような中においてインフレ率がターゲットから離れることが望ましくない
資産価値の維持、為替も重要
→ユーロを使うことができない要因にも
***
LIBOR 事件ー227

イギリスの場合、金利が過度に低ければ困る人もいるということで、金利と連動するインフレ率も低ければいいというものではない
(あくまでイギリスは例外)

➤「おカネがぐるぐる回れば景気はよくなる」という根本的な誤り

これらの政策は、伝統的なケインズ政策だと思われている。今の日本では逆効果、長期的にはマイナス
***
今は、人口減少、経済の成熟化で成長力自体が落ちているから、将来成長しない、という見通しは変わらない→従って消費も投資も動かない
→これが正しい

お金は動かしても景気は回復しない

第八章 円安戦略はもう古い

➤通貨価値上昇=国富増大

通貨は高い方が基本的にその経済にはプラス
自国の資産はほとんどが自国通貨に連動しているから、国富の増大とは、通貨価値の上昇にほかならない
***
弱い通貨をもつとその国の金融市場はさらにたいへんなことになる
海外からの借り入れを外貨でするが、返済の実質額が弱い自国の通貨のためにどんどん膨らんでいくことになる
ギリシャですらデフォルトはせずに、元本の40%は返済することにしている ー236

➤フローからストックの時代へ

世間が円安がいいという理由
→彼らは古い人間だから:乱暴な意見
↓古いのはなぜ?
時代が変わった→高度成長期の終焉
内需の次に大事な輸出、輸出のためには通貨安が有利
現在な低成長時代
これまでに蓄積した国富を有効活用しよう、膨らませよう、という時代になった

フロー(毎年の所得)からストック(フローの積み重ね)へ
***
個人でみても今後、毎月の給料を増やすのはたいへん大変
→資産運用
***
一国の経済も、貿易で日銭を稼ぐ時代から、蓄積した資産の活用、活用の時代に入った
企業買収、不動産投資、知的財産の活用
***
今や金融市場の方が圧倒的に我々の経済を左右
伝統的大企業よりも起業して上場して益を得た若い創業者のほうが人々にうらやましがられる

金融市場、資産、ストックの時代
→この背景において、通貨は高い方がよい

➤円安戦略では、日本は勝てない

日本が変わったことも円高が国益になる第二の理由
日本はもはや超成熟経済国家
日本そのものの価値は高い(日本文化、ライフスタイル)
ノウハウは十分な経済的価値として認められる
***
日本の戦いの土俵は、コスト競争、品質競争をするような分野ではなく、ソフトが戦いとなるような分野
→人間のアイデアや文化、ライフスタイルの厚み、歴史、独自性が発揮されるような分野
***
大事なことは、日本は通貨安競争をすれば負けるということ
企業買収などにより、せっかくのノウハウを海外に奪われてしまう可能性もます

➤ドル思考で広がるグローバル戦略

第三に、ビジネスモデルが古い
トヨタですら円安を喜んでいる
グローバル企業とは?ドルで企業戦略を考える企業のことだという著者意見
ドル思考における円高とは?
日本本社のドル価値が上がる、円建ての自社の株式の時価総額が上がる
***
コスト安というだけで、生産拠点を移すのは、実はよくない
為替レートは変動する→一時的に安くても高くなってしまう可能性がある
生産コストが安いというだけならば、賃金が上がったら生産拠点をまた移さなければならない
***
✔自社の価値があがっているときに海外の企業を買っておくのは賢い戦略
もし為替が戻ったらそれは値上がりするということだから
***
新しい工場をつくるときの原始的なコストリスクー251
***

このような難しい状況に陥ってしまう理由:
1. すべてを円で考えているから
投資と同じでポートフォリオ(組み合わせ)としての発想が重要、環境変化に合わせて最適な組み合わせを選んでいく
ベトナムに工場を立地するときの考え方ー253

➤日本企業の価値の源泉

近年の変化:
製品が多様化し、ハイレベルになったために、製品設計の段階から、その設計者の思想、価値観、ライフスタイルが製品自体に埋め込まれてしまう
例えば自動車、それぞれ開発者の属する社会を反映するものになっていて、ユーザーにとって全部違うものとしてとらえられています

逆説的には素晴らしいモデルをひとつ作り上げて、それを世界に売り込むというのがひとつの道
→iPhone、iPadでいえたこと
***
アップルはアメリカ西海岸という場を大事にしている
日本企業が日本企業であり続けるためには、日本という「場」、東京という「場」、あるいは京都という「場」、日本の本社や研究所が立地するその「場」が、何かそこでしか生まれないものを生み出す「場」でないといけない
→これはグローバルに矛盾しない
(戦略はグローバル、市場もグローバル、為替もグローバルにドル)

おわりに

リフレの代わりに何をすればいいのか?
日本経済にとって大事なもの
・雇用→人的資本の蓄積をもたらす雇用
(雇用を増やすとお金をあげるよ、ではなく)働くことにより学びがあり、やりがいを持って働くことができる仕事
仕事上の蓄積、人間としての成長
若年層により大切な概念

政策としては、若年雇用の確保、そしてその質の向上
(具体策のひとつとしては学校をつくること)
・高等専門学校の充実
・農業、漁業を被災地に
・英語・中国語にかぎらないグローバルな語学教育者
・高年齢者も学べる学校
・コーチ能力と経験

:最後のリフレの代替策はあまりにも稚拙。

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