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ゲゲゲの女房から学ぶ幸福感の感じかた

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ゲゲゲの女房
朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が大変面白いので、
原案になった武良布枝さんの小説を読ませていただきました

著者の篤実な人柄がにじみ出ている良著だと思います。

この著作から私が学んだ幸福感の感じかたを書き記しておきたいと思います。

1. 自分の信念を信じる

P130
 左の肩で原稿用紙をおさえ、顔をくっつけんばかりにカリカリ音をさせながら、無心にマンガを描く水木の後ろ姿が目に浮かんできました。命がけで描き続けてきたことが、ようやく認められたのだと、涙がこぼれそうになりました。それは、感謝するという気持ちではなく、「ああ、ついに来るべきときが来たのだ」という、深い感慨に包まれていたのです。
 そうです、これほど努力をしている水木が「世間に認められないまま終わるはずはない。この努力がムダに終わるはずはない」と、自分が心の奥底でずっと信じ続けていたことに、このとき、はじめて気づいたのです。そのときがついにやってきたのです。「信じていてよかった」と、心から思いました。

P237
 でも、水木は家内の私だけでなく、誰の言葉にも左右されません。いつだって、どんなことだって、自分の思ったことを自分のやりたいようにやる人間です。たとえ、気の利いた言葉でも上手に水木を励ましたところで、それが通用したとも思えません。そして、もしかしたら、私もまた、水木と同様、自分を変えることができない人間なのかもしれません。
 水木は以前、雑誌の編集者に「奥さんはどういう人ですか?」と聞かれて、
「『生まれてきたから生きている』」ような人間です」
 と答えたそうです。それを聞いたときに、思わず笑ってしまいました。自分でもそのとおりだと思ったからです。

哲学的な話になりますが、我思うゆえに我があるです。
人間、自分を自分足らしめるもの、己が信念を貫き通すことでも幸福感を感じることができるのです。

2. 自然に身の丈を忘れない

P207
鬼太郎が三度目のテレビアニメになった翌年の昭和六一(一九八六)年 ... snip ... 水木プロは創立二〇周年にあたっていましたので、お世話になった方々を招いて、帝国ホテルで「記念謝恩パーティー」を催すことになりました。
... snip ...
「いい着物をつくれ」
水木が、結婚してはじめて、私に着物をつくれといってくれたのでした。 ... snip ...
 あんまりいってくれるので、浦和の姉と日本橋の高島屋に行き、薄水色の付け下げと水色の帯を思い切って買いました。高価なものだから、長く着られるようにと、うんと地味なものを選びました。

自分を自分足らしめるものを認識できているならば、必ずしも贅沢は幸せのために必要ではありません
自然と身の丈を忘れることはないのです。

3. 終わりよければすべてよし

P244
 安来節演芸館を出ると、西の空に真っ赤な太陽がありました。
 私たちが乗った車は、 ... snip ... 赤くきらきらと光る大きな太陽が中海に赤い一筋の道をつくり、ゆっくりゆっくり島根半島の後ろに没していきます。
 その夕日を見つめながら、私は自分でも気がつかないうちにつぶやいていました。
「終わりよければすべてよし!」
 水木は驚いたような顔をして、私を見つめ、それから急に大きな声でからからと笑い出しました。
「おまえ、たまにはいいことをいうな」

P250
 どんな生き方を選んだとしても、最初から最後まで順風満帆の人生なんてありえないのではないでしょうか。人生は入り口で決まるのではなく、選んだ道で「どう生きていくか」なんだろうと私は思います。

心理学にピークエンドの法則と呼ばれるものがあります。
あらゆる経験の快苦の記憶は、ほぼ完全にピーク時と終了時の快苦の度合いで決まるというものです。
どんなに辛苦を味わおうとも最後の最後で満足感を感じることのできる結果を得られれば、幸せを感じることができるのです。
願わくば、最後の最後、笑えるように何事にも取り組みたいものです。