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オバマ米大統領のアジア政策演説内容(和文全文)

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英文全文

 オバマ米大統領が14日、東京都内でアジアの基本政策に関して演説した。日米同盟を基盤にアジアへの関与を強める方針を表明。米国を「太平洋国家」と位置付け、経済、外交、安全保障など様々な分野で協力する意向を明らかにした。演説の全文は次の通り。

 ありがとう。(日本語で)アリガトウ。(再び英語で)ありがとう。

 おはよう。東京に来られてとても光栄だ。米大統領としての初のアジア訪問で最初の訪問地が日本だ。日本人も米国人も、2国間のきずなを強めようと日々努めている多くの方々にお集まりいただいているのは喜ばしい。その中には私の長年の友人で新しい駐日大使のジョン・ルースもいる。

 また日本に来られるなんて、素晴らしいことだ。私がまだ少年のころ、母が鎌倉に連れて行ってくれたことをご存じの方もいるだろう。そこで平和と平穏の象徴であるとても古い大仏を見上げたが、子供だったので抹茶アイスクリームの方に気を取られていた。昨晩の鳩山(由紀夫)首相との夕食会でたくさんアイスを食べ、思い出話を共有できたことを首相に感謝したい。どうもありがとう。日本の人々が、故郷を遠く離れた一人の若い米国人に示してくれた温かさともてなしの心を決して忘れることはできない。

 今回の訪日でも同じ温かいもてなしの心を感じている。鳩山首相が丁重に迎えてくれた。即位20周年を迎えられた天皇、皇后両陛下とお会いするのも大変光栄なことだ。また日本の人々ももてなしの心を示してくれた。そしてもちろん、ここに来たからには、日本の(福井県)小浜市民へのあいさつと感謝の気持ちを表さずにはいられない。

 日本で外遊を始めた理由は簡単だ。大統領になってから、私は米国の指導力を一新しようとし、相互の利益と敬意に基づく新しい時代の世界へのかかわり方を模索してきた。そしてアジア太平洋地域での我々の努力はかなりの部分、新しい活力を与えられた不朽の日米同盟を通じてなされていくことになろう。

 大統領就任の直後から、私は日米を結んでいるきずなを強くしようとしてきた。ホワイトハウスに迎えた最初の外国の指導者は日本の首相だ。ほぼ50年間で初めてのことだが、米国務長官として、ヒラリー・クリントンが初の外国訪問にアジアを選び、それは日本から始まった。

 2カ月後にはこの日米同盟も50周年を迎える。当時、アイゼンハワー大統領が日本の首相の隣に立ち、我々の国の関係は「不滅のパートナーシップ」であり「対等と相互理解」に基づいていると述べた。

 それから半世紀の間、この同盟は安全保障と繁栄の礎となってきた。同盟のおかげで日米は世界の二大経済国となり、日本は米国にとって北米以外で第2の貿易相手国となった。同盟は進化し、日本は国際舞台でより大きな役割を果たすようになった。イラクの復興から東アフリカ沖での海賊対策、アフガニスタンやパキスタンの人々への支援まで、日本は世界の安定のため重要な貢献をしてきた。最近でもアフガン、パキスタンへの追加の国際的な開発支援を約束して目覚ましい指導力を発揮した。

 日米同盟が継続してきたのは、我々の共通の価値観を反映しているからだ。それは両国の自由な国民が自分たちの指導者を選挙を通じて選び、自身の夢を実現できるという民主的な権利への信念である。それは変革を約束した鳩山首相と私の2人を選ぶことを可能にした信念だ。われわれはともに、両国の国民と同盟のために新しい世代のリーダーシップをもたらすと約束する。

 だからこそわれわれ2人はこの歴史の重大な瞬間に同盟を再確認するだけでなく、深化させることで合意した。沖縄の米軍再編で両国政府が達した合意を履行すべく合同の作業グループを通じて迅速に行動することで合意した。

 そして、日米同盟は進化して未来に適応し、アイゼンハワー大統領がはるか昔に述べた、対等と相互の敬意に基づくパートナーシップの精神を常に堅持しようと努力していく。 地域への我々の関与は日本から始まるが、ここで終わるものではない。米国は大西洋沿岸の港や街から始まったかもしれないが、何世代にもわたり太平洋の国家でもあった。アジアと米国は太平洋によって分け隔てられているのではなく、それによって結びついている。

 我々は歴史でつながっている。アジアからの移民は米国の国造りに貢献し、米国の兵士は世代を超えて地域の安全と自由のために尽くしてきた。我々は相互の繁栄によって運命を共にしている。貿易と通商は何百万人もの仕事と生活を支えている。人々のつながりもある。アジア系米国人はあらゆる分野で米国社会に貢献している。日米両国のようにこの地域に住むすべての人々は切っても切り離せない関係にある。

 私自身の人生もそうした物語の一部だ。私はハワイ生まれの米国大統領で、少年時代はインドネシアで過ごした。私の妹、マヤはジャカルタ生まれで、中国系カナダ人と結婚した。私の母は10年近く東南アジアの村々で働き、女性がミシンを手に入れたり、教育を受けたりするのを手助けしてきた。それは彼女たちが世界経済の中で生活の基盤を築く足がかりになっただろう。環太平洋は私の世界観の形成に影響を与えてきた。

 そのころと比べ、アジア太平洋地域ほど劇的に変わった地域はおそらくないだろう。統制された経済は市場経済に取って代わられ、独裁体制は民主主義に変わってきている。生活水準は向上し、貧困地域が急減した。

 米国とアジア太平洋の運命はかつてないほど密接にかかわっている。

 だから私はこの地域の将来が我々米国の利害に関係があることをすべての人々、とりわけすべての米国人に知ってもらいたい。ここで起きることは我々の母国での生活に直接の影響を与えている。この地域は米国の通商関係の大きな部分を占め、我々は多くの製品をここで買うのだ。さらに多くの製品の輸出が可能であり、この過程を通じて米国の雇用も生み出されている。

 この地域での核兵器開発競争がより広範な地域を脅かすリスクがある。偉大な宗教を冒涜(ぼうとく)する過激派が太平洋の2つの大陸を攻撃する恐れもある。エネルギー安全保障や気候変動に関する問題もアジア太平洋の新興国と途上国抜きでは解決できない。

 こうした共通の課題に対処するために、米国はこの地域の国々との既存の同盟を強め、新たなパートナーシップを築く。そのため我々は日本、韓国、オーストラリア、タイ、フィリピンとの同盟関係に目を向ける。これらの同盟は過去の歴史的文書ではなく、我々が共有する安全保障にとって基礎的な、相互の約束であり続けている。

 これらの同盟は引き続き安全保障と安定の基盤になっており、私が子供時代に初めて日本を訪れたころには想像もできなかった機会と繁栄の追求をこの地域の国と人々に可能にした。米軍が世界で2つの戦争をしている時でも、日本やアジアの安全保障に対する我々の約束は揺るがない。それはこの地域への部隊配備、とりわけ私が誇りとする若い男女の兵士ら(の存在)に見て取れる。

 現在、我々は新興国が同様にアジア太平洋地域や広い世界でより大きな役割を担おうとしていることに目を向ける。インドネシアやマレーシアなどの国は民主主義を受け入れ、経済を発展させ、人々の大きな潜在力を生かしてきた。

 我々は台頭しつつある国々に目を向ける。21世紀においては、ある国の安全保障と経済成長が必ずしも他の国の損失にならないとみている。米国が中国の台頭をどう受け止めるか質問する人が多いことを私は知っている。すでに申し上げているように、相互につながった世界で国力は必ずしもゼロサムゲームではなく、国々は他国の成功を恐れる必要はない。影響力の領域を競うのではなく、協力の領域を培うことがアジア太平洋の前進につながる。

 ほかの国に対する場合と同様に、米国は国益を考えつつ中国に接するだろう。この理由により中国とお互いの関心事項について現実的な協力を追求することが大事だ。どの国も独力では21世紀の課題に対処できないからだ。米中が協力して課題に取り組むことができれば双方の利益になる。中国が世界でより大きな役割を果たそうとするのを歓迎するのはこのためだ。この役割において中国の成長は責任の増大を伴う。中国の協力は経済を急回復させるうえで不可欠だ。中国はアフガニスタンやパキスタンで治安回復と安定を促進してきた。世界的な核不拡散体制にも関与しており、朝鮮半島の非核化への取り組みも支援している。

 だから米国は中国を封じ込めようとは思わないし、中国との関係強化が他の2国間関係を弱めることもない。むしろ、強く繁栄した中国の台頭は(アジアの)国々の国際社会での強さの源になりうる。北京やそのほかの場所で、中国との戦略・経済対話を深めるよう努め、軍同士の交流を改善するつもりだ。もちろん米中はすべての案件では合意できないだろうし、米国はすべての人々の宗教や文化の尊重といった、我々が大切に思う基本的な価値観に言及することをためらわ