今日は、来る 2014年02月07日に、東京都知事選挙が行われるので、その前にすこし選挙民としての姿勢のようなものを考え直したいと思って読んでみた本を紹介したい。
本書は 2008 年に出版されたもののようだが、先日、 電子版になったらしい。たまたま kindle 日替わりセールで見かけてこれは読んでみたいと思いわたしは購入してみた。
2008 年と少し古い本ではあるが、書かれていることは陳腐化しておらず、とても示唆に飛んでいる内容だった。
本書が伝える重要なメッセージの一つは、有権者に自身の愚かさ、誤りに気づいてもらい、本当に賢い有権者になって一票を投じてほしいということである。極論すれば、そのための本だと言ってもいい。
また本書は、上述のとおり、政治家とはどうあるべきか、だけでなく、有権者が選挙で一票を投じる姿勢についても指摘する内容になっている。
そういう意味では、まさにわたしが探していた読書の目的*1にかなった本だった。
では以降より、わたしが心にのこった文章をいくつか引用し、感想を書いておこうと思う。
一人の国会議員にかかる経費は、直接的なものだけで一年間に約一億円と言われる。もちろん、全額が私たちの税金から支出される。 衆議院議員(定数四八〇人)の任期は四年だが、解散があるので実質的な任期は二年半程度。有権者の一票が二億五〇〇〇万円の税金の使い道を決めることになる。 ましてや任期六年で解散がない参議院議員(定数二四二人)の場合は、計六億円もの使途を直接決める選択である。税金の無駄遣いに怒りを感じる有権者は、せめて「この人に年間一億円、参院選ならば計六億円の税金を使う価値が本当にあるのか」という視点で、政治家を選ばなくてはいけない。
これはなかなかいい考え方の起点だな、と思った。東京都の一年の予算は 13 兆円と言われているので、その予算の舵取りをまかせるに足ると思える人を選びたい。
参考:予算13兆円、職員16万人…東京都知事の権力と影響力 | THE PAGE(ザ・ページ)
私という人間はこの世の中に一人しかいない。私にとっては私がすべて、自分という存在は唯一無二なのである。唯一無二の存在である自分の一票にたいした価値がないと認めて棄権することは、自分で自分を貶める行為にほかならない。<中略> 他人や社会と断絶している個性、自己表現には、何の意味もない。選挙も同じだ。だから、選挙を棄権するほうがむしろ自分らしいなどと若い人が考えるのは、誤った自意識である。政治は生活そのものである。個人の生活と政治は切り離せないものだと分かっていれば、本当に今の政治でいいのか、自分の思いを託せる本物の政治家は誰か、この国の将来は大丈夫なのかを、有権者も真剣に考えて一票を投じるに違いない。
ここは、選挙に行かないような人にはまずこの下りを読んでもらいたい、と思った一節。
都知事選立候補者を見渡してみて、わたしは今回の立候補者からは誰も都知事にしたくないというのが正直なところなのだが、各人の主張をキチンと目を通した上で、必ず一人を選び票を投じてこようと思っている。
批判する前に「仕事をしやすいように特権を与えているのなら、それに値する人をまず選べ」と言いたい。享受するものに見合う仕事をしていれば、特権を与えても私たちは納得できるんです。
これもかなり難しいのだが、言ってることはごもっともだと思った一節。
と以上、 3 つがわたしが本書でもっともだと思った内容。
しつこいけれども、正直、今回の都知事選、選びたい人はいないのだが、残り一週間、真剣にわたしの一票を投じる人を選びたいと思っている。
では、今日はこんなところで。
参考:
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*1:都知事選を前に選挙民としての姿勢のようなものを考え直したいと思っていた