社内でお誘いがあったので、先日、 MicroStrategy のハンズオントレーニングに参加してきました。なので、今日は MicroStrategy に関してわたしが抱いた印象と、ハンズオントレーニングでとってきたメモを公開しておこうと思います。
※ちなみに無料で定期的に開催しているトレーニングだそうなので興味のある方は参加してみてもいいかもしれません:定期無料セミナー | Events | MicroStrategy
受講のモチベーション
- BI tool そのものを自分自身でつかったことがなかったため、どういったことができるのか理解を深めようというモチベーションで参加して来ました。 MicroStrategy のハンズオンを選んだのは、MicroStrategy が代表的なBIツールのひとつで有名であること、あとは単純にお誘いを社内でもらったこと、また無料だったからですね。
ハンズ・オンを受講して MicroStrategy に対して抱いた印象
- ビジネスサイドの方向け(ごく当然といえば当然なのだけど…)
- 大抵のビジネスクエッションには答えられそう
- ビジネスの現状把握や定点観測を行うには、十分すぎるほどの機能が MicroStorategy にはそろっていると思った。さすが BI に特化して 20 年の実績をもつだけのことはあるな、と。ブラウザベースで Excel と同様の操作感でデータを見える化できるのは大きな魅力だな、と。
- 中でも強みは、レポーティングとモニタリングという印象をうけましたが、データを柔軟に様々な切り口でみることができるのは素晴らしい。必要のあるデータを集めることができれば、たいていのビジネスクエッションには答えることができるのではないかという印象を受けた(もちろん、懸念や制約はもちろん、以降で書くように感じるところはあったけれども)。
- 大抵のビジネスクエッションには答えられそう
- 構造データが対象(スキーマオブジェクトは柔軟に変更できるのだろうけれども)
- なので、前提としてデータ設計ができる人が必要。
- データ・ソースを複数の DM/DWH からマッピングして MicroStrategy 側で一括処理できるのは強みなのだが、MicroStorategy上にスキーマオブジェクトをつくる必要があるようだ。そのマッピングをするスキーマオブジェクトを設計できるスキルのある人が必要という認識をした。どの DWH/DM にどんなデータが格納されているか、きちんと管理されている必要もあると思われる。
- 非構造データは対象外という印象
- 機械学習などとは住み分けられるという解釈をわたしはしました。
- なので、前提としてデータ設計ができる人が必要。
- レポーティング以上のことを活用できているユーザが多くなさそう
- 分析結果を自動的に本番環境に反映するといった用途はあまり多くは無さそうな印象を受けました。判断を下すのは人間で、自動化とは縁遠いかな、と。あくまで、ビジネスサイドの人が IT 部門にいちいち断りをいれなくても見たいときに見たいデータをみれるようにするものという位置づけだな、と。
MicroStrategy でつくったレポートを他システムに転送(共有ディレクトリなどを介して)できますか?みたいな質問をしている人がいましたが、できるにしてもそんな使い方はしないだろ、と個人的には思っています。 - また300位上の統計モジュールがあるとも言っていましたが、そこまで使いこなしているユーザはあまりいないのではないかとも感じた。(以下の参考をみると Cloudera Impala もデータソースとして使えるようなことが書いてあるが具体的なことはよくわからなかったです)
- 分析結果を自動的に本番環境に反映するといった用途はあまり多くは無さそうな印象を受けました。判断を下すのは人間で、自動化とは縁遠いかな、と。あくまで、ビジネスサイドの人が IT 部門にいちいち断りをいれなくても見たいときに見たいデータをみれるようにするものという位置づけだな、と。
- 最後はシステム要件、ライセンス料が肝
- あらためて確認してみようとは思っているが、どの程度のデータ量を処理するのに、どの程度のスペックの機器を用意しなければならないのか、ライセンス料がいくらになるのかは気になるところ
- 若干、例をみせてもらったが、Windowsサーバを使っている事例が多いようでした。
- あとは自分でも試してみよう
- AWS AMI や Free の iPad アプリがあったりと自分でもちょっと試して見ることができるようになっているのでもう少し自分でも触ってみようと思う。
以降より、受講時にとったメモになります。
MicroStrategy 事業説明:
- 会社の紹介
- 製品名と会社名は同一
- 米国バージニア州に本社、従業員3,200
- BI だけの専業ベンダーとしては、世界最大
- Bigdata, Mobile, Cloud, Social に注力
- 国内某キャリアとDC運営?
- SNSのデータを使用してセグメント分析するプラットフォームの提供
- 各業界のリーディング・カンパニーで使用されている
- 業界に特に敷居はなく、様々な業界で使用されている
- たとえば、eBay, Yahoo
- 国内ならば、イオンが一番大きな顧客
- トレンド:BI成熟度とその価値「うまみ」、「うれしさ」
- Levelを7つにわけて定義している
MicroStrategy についての説明とハンズ・オン
- 実際に触ってみてのハンズオン
- MicroStrategy の技術的な優位性の説明
- MicroStrategy は BI のプラットフォームを提供するのみ(ETLツールなどはない)
- 以下のBIの主要機能をワンストップで提供するのがMicroStrategy(すべてを自社開発している)
- Analytics
- 高度な分析(PDCA、予測分析、データマイニング)
- OLAP(Webでのレポート作成、DB全体に対するさまざまなアスペクトでの分析他)
- Reporting
- レポーティング
- Monitoring
- スコアカード、ダッシュボード
- アラーティング
- Analytics
- MicroStrategyの歴史
- 1993にコンサル業務からはじまった(マクドナルドが最初の顧客、余談として当時のマクドナルドのDWHの容量は200GB)
- そこでの知見をパッケージングすることからはじまった
- 1996からWebベースに移行しはじめた(初期アーキテクチャとWebアーキテクチャの二重開発をしていたようだ)
- 徐々にデータディスカバリの技術などを追加し、現在 9.3 に至る
- 5つのBI機能をひとつのプラットフォームで実現
- プラットフォーム化されていることによって、最初は特定の機能しか使わないとしても、だんだんと他の機能をつかっていくことができる
- 最新のアナリスト評価と顧客調査の結果はトップレベルの評価
- (ガートナーによる機能ベースでの評価ではスケーラビリティ、洗練されたSQLのサポート、インタラクティブダッシュボードなどで高評価)
- BIマーケットにおけるMicroStrategyのポジション
- どういったところで強いか?→データボリューム、顧客ロイヤリティ
- 各機能の説明
- レポーティング
- プリントパーフェクトな業務レポート(ディスプレイにでているとおりにレポートを印刷できるというような精彩さ)
- OLAP分析および先進のリレーショナルOLAP
- ROLAP アーキテクチャ
- DWH 全体を分析の対象とするアプローチ(柔軟性を強調)
- 高度な分析
- MicroStrategy の関数ライブラリ
- 300位上の統計関数を提供している
- たとえば線形回帰、回帰ツリー、ロジスティック回帰、クラスター、決定木、アリシエーション・ルール、時系列
- スコアカードおよびダッシュボード
- サマリされたデータをわかりやすく表現したもの
- アラートおよびプロアクティブ通知
- 配信サービスの提供
- たとえば、メール、共有サーバ、プリンター
- 配信するタイミングはスケジュールベース(たとえば毎週月曜の8:00など)
- しきい値を決めてそのしきい値を超えた所で通知することもできる
- Demo
- MicroStorategy TutorialというDemo用のプログラムを使う
- 主要ブラウザにはすべて対応(Chromeがオススメ)
- プロンプトの作成、フィルタの作成などなど
- MicroStorategy TutorialというDemo用のプログラムを使う
- デモ用レポート
- ブラウザだけで Excel のように直感的な操作でデータを見たい形でみれるのはなかなか素晴らしい。
- さすがに作り込んでいる
- 多くのユーザはレポート結果をみる、ブラウザにログインしてみている人はあまりいない
- イオンの場合、8万人のうち実際ブラウザをみているのは10%くらいなのではないかという話
- 前年対比のDemo
- ランキング表示のDemo
- MicroStorategy のレポート機能でできることの紹介
- Excel のようなヘッダのロックができる
- フィルタリングした結果はほかのレポートで使いまわすこともできる
- レポートは共有レポート、マイレポートと保存する領域を選択可能
- (スケジュール登録すれば、そのレポートのテンプレートをもとにそのスケジュールされた時間のデータを使ってレポートを送信してくれる)
- グリッド表示しているデータを縦軸横軸をいれかえたり、カテゴリをドリルダウンしたりできる(カテゴリを右クリックするとドリルという選択肢がでてくる)
- レポートの種類
- 定形型のレポート(すでに用意されているテンプレートを使ってレポートする)
- 地域別の四半期ごとの売上、売上計画、コストを表示
- カスタマイズ型のレポート(自分が欲しいと思うレポートをつくる)
- 半定型レポートのDemo(ライトユーザむけ)
- まっさらからのレポート作成のDemo(パワーユーザむけ)
- 表示したい情報をアトリビュートから欲しい情報を選んでドラッグ・アンド・ドロップもしくは右クリックで自分たちがもっているメトリックを検索して選ぶこともできる
- 定形型のレポート(すでに用意されているテンプレートを使ってレポートする)
- Dashboard の Demo
- PC、Tabletで見ることを想定している(印刷には向かない)
- 印刷したいのであればレポートにすることを薦めるとのこと(印刷したいっていうニーズがわたしにはないが)
- Flash ベースでできているとのこと(iOSだとみれないものがあるってこと)
- Widget もあるらしい
- Ajax ベースのものに切り替えることもできる
- 新機能の紹介: Visual Insight
- ダッシュボードにアドホックな要素(好きな切り口を好みで追加できる)を追加
- Widgetのライブラリの種類が豊富
- 棒グラフの Demo
- ヒートマップの Demo(大きさと色で状態を可視化したものはとてもわかりやすい)
- 円グラフの Demo
- Mobile Inteligence
- モバイルで Microstrategy のレポートをみるためだけのものではなく、 Mobile アプリケーションをつかって データ操作そのものを実施できることを狙っている
- ゆえに分析機能、情報表示、トランザクション、に対応
- Mobile専用ではない(Web 版でつくったダッシュボードが最適化されて表示されている)
- MicroStrategy Mobile は AppStore/Google Play でダウンロード可能
- Demo 環境に接続して体験することも可能
マイクロストラテジー モバイル for iPad 9.3.1.0.0.0(無料)
カテゴリ: ビジネス, 仕事効率化
販売元: MicroStrategy Inc. - MicroStrategy Incorporated(サイズ: 48.4 MB)
MicroStrategy の技術的な特徴
- 統一メタデータによる TCO の削減
- 物理 DB (DWH、DM)に対して論理モデルをかぶせる
- 軸の関連性、親子関係のマッピングを行う(スキーマオブジェクト)
- 生産性の向上
- 帳票作成時には以前につくった帳票を再利用して別のものをつくったりできる
- ROLAP アーキテクチャ
- Aggregation Awareness
- クエリ実行時に計算コストが低くなるように中間サマリテーブルを自動的に判断して選択する
- 最適化された SQL
- DB 製品(およびバージョン)を指定することができ、その選択した DB 製品に最適化された SQL を使うようになっている
- キャッシュ機能
- キャッシュする種類が豊富(レポート、データセット、エレメント、メタデータオブジェクト、クエリー、コネクション)
- キャッシュがあれば極力 DWH、DM まで触らないようにしている工夫が見られる
- Aggregation Awareness
- インメモリ ROLAP
- 従来はレポートの内容が完全一致しないとキャッシュヒットしなかったが、Intelligent Cube という機能(MicroStrategy | Error)によってよりキャッシュにヒットするようにした
- 設定のリコメンデーションツールも用意されている(設定内容によって Intelligence Cube のキャッシュヒット率がどれだけになるか予測してくれたりする)
- マルチソース ROLAP
- 複数のデータソースに対して、ひとつのデータモデルをマッピングしてくれる機能
- この部分が他の BI ベンダーよりと比べたときの大きな強みであるということを強調していた
- MicroStrategy では DWH にできるだけ重い処理を実行させるアプローチをとっている
- 転送データ量が MicroStrategy のほうが小さくなる
- Appendix:
- SDK があるので、プログラミングをすることによる各種機能のカスタマイズも可能