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「通貨」はこれからどうなるのかの読書メモ

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読了本の読書メモを少しづつ公開していこう - #garagekidztweetz で宣言した溜まっている読書メモの公開も今回で最後の1冊。最後は「「通貨」はこれからどうなるのか」の読書メモを公開します。
(また、読みためている本の読書メモは追々、公開していきます。)

はじめに

[]通貨を知れば世界が読める

▶ 通貨にとっても激動だった2011年という年


基軸通貨国としての位置付けは、ダレモガ手に入れたいと思うラインの黄金
手に入れれば通貨の王様
だが、手に入れたとたん、王様の座を維持するための重圧が国々を窮地に追い込む

▶ 寄せられた多くの疑問と不安

円高、円安はこれからどうなるか?
日本の財政問題
ユーロの混乱
円高がこれ以上進んだ場合の私たちの暮らし

▶ 明日に繋がるキーワードは分散と多様化

これまでの人類の歴史
集中と均一化

地域共同体→国民国家→東西二つの陣営に
冷戦
欧州では統合の歴史が始まった
↓21世紀に足を踏み入れたとたん、これまでと違う力学

第一章 答えの見えない時代への不安 ー通貨、経済についてのあらゆる疑問を斬る

▶ 1. 黄昏の中の風景

*万事が不安で曖昧な時代に
黄昏、別名:逢魔が時
万事が曖昧で不安に満ちている

*昨日の円高は今日の円安
80円台を円安と受け止める感覚は、それなりに経済の実相を反映している
世の中はすでに新たな円高圏を覚悟している
80円台な過去の円高という位置付けになった
その繰り返しで現在に至る

何が次の跳躍のきっかけで、跳躍のタイミングはいつか

*逢魔が時はなぜ怖い
怖いのは、巷の雰囲気
日本は何度となく本格的な自己アップデートの機会を逸して今日にいたる
→1985、プラザ合意
ドルの価値が分相応の水準に下方修正を強いられ、それに対応して円の価値が上方修正されるという流れを前向きに受け入れていれば、その後のバブルも失われた10年も、今のデフレもなかった

ドル高の修正
それだけドルが使われなくなっていくことを示す
ドル需要が減るということ

*欧州で進む壮絶なるモラルハザード
ギリシャ発のソブリン・ショック
負担が次第次第にECBに転嫁されていく
いざとなればECBが助けてくれるという雰囲気
→こう誰もが思いこむほどのモラルハザードはない
→こういった雰囲気を作り出すためにECBは自らの財務の健全性をどんどん犠牲にしていく

*後戻りの代償は大きい
中央銀行の本来の役割
→通貨価値の番人
→その中央銀行が急速に不良債権化していく国々の国債を事実上無制限に買うあげていく

国々の経済経営
財政が危機に際しての第一レスキュー
中央銀行は第二レスキュー
→そのような状況にはめったに陥らないはずである

そのような状況に陥るような要因
1. グローバル時代だから
2. それにも関わらず、国民経済単位で従来型の均衡と成長を目指そうとするから

非伝統的な金融政策でいくら成長通貨を供給しても、それがひとつの国民経済のなかでうまくまわってくれるとは限らない

*みんな、リセットが必要
元に戻るべしという囁きをはねのけて。

ユーロ圏、ユーロ圏であることを見直すことが必要

一方、リセットは難しい
リセットにかかるコストの大きさ

▶ 2. 日本経済への不安に対する8つの疑問

*多くの読者の方への「解答編」
*Q1. 円高はいつまで、どこまで続くのか?
まだまだ続く
円ドル関係が適正水準に達するまで
筆者は、一ドル50円を適正水準と考える
→理由、背景は第四章

経済の力学→均衡点に到達することを目指していく
あがりすぎたものは下がる
下がりすぎたものはあがる

アメリカに金が集まりすぎている
カネを借りすぎ、カネを使いすぎ
ドルが変われれば、ドル高
ドルの過大評価、裏を返せば円の過小評価

アメリカ→借金大国
日本→債権大国
対外純資産、250兆円

二度と再び円安はないのか?
→それはあり得る
日本が今のアメリカのような貯蓄不足になったとき
日本の民間部門の貯蓄超過分によって政府部門の貯蓄不足を吸収しきることができなくなったとき

人口減少、高齢化

為替相場の数値レベルは時代とともに変化
昨日の円高は今日の円安

*Q2. 一ドル50円になったら、日本の産業は壊滅してしまうのではないか?
明日突然ならない限りそれはない

一ドル50円時代
ドルのくびきから解放してくれる時代
それだけ、世界も日本もドルを使わなくなっている時代

基軸通貨の話
英国ポンドの話

*Q3. 日本の財政は破綻寸前というのは本当か?それでは、円の未来も暗いのでは?
早急な大作が必要
2011財政規模、92兆円
うち税収で賄えているのは44兆円
国債発行を軸とする借金の総額が44兆円

*Q4. デフォルトが起こると、我々の暮らしはどうなる?
痛むのは債権者、つまり金融機関
債権放棄、弁済期間の長期化、金利減免
→金融機関の経営を脅かすことに
→金融機関への預金者、投資家にも影響

弱者の痛みが大きくなる
赤字財政の放置はやっぱり禁物

*Q5. 日本の財政を立て直すには、増税しかないのか?
正しい
しかし、課税の仕方には議論の余地

消費増税

*Q6. 欧州単一通貨、ユーロはどうする?
遠からず消滅。今のままならどうしてもそうなる

弥縫的

ある領域が単一通貨圏として、安定的に存続するためには
1. 経済実態の完全収斂
→そのエリアの津々浦々どこにいっても経済実態が完璧に同じ
2. 中央所得再分配装置の存在
→その領域内の経済実態格差を埋めるための装置

*Q7. 将来的には中国やインドといった国々の通貨が、基軸通貨となるのか?
それはない
グローバル時代は基軸通貨のない時代

基軸通貨国とは何か?
他の追随を許さない存在
突出した強さを独り占めしている存在

ヒトモノカネは国境を越える

*Q8. 基軸通貨がなくなったら、世界の通貨はどのような姿になるのか?
地域通貨の時代

日本、円単一通貨圏として成り立っている
なぜか?
中央所得再分配装置がある
→財政

第二章 21世紀的解答としての地域通貨 ー集約から分散の時代

▶ 1. 人々は、経済危機を地域通貨で乗り越えようとしてきた

*国民国家が揺らぐ時代の新しい可能性
地域通貨の存在感がます
地域の時代

*ヨーロッパは地域通貨の時代へ?
ソル・ヴィレオット

欧州統合が進めば、それに伴って、通貨も次第に一つに集約されていくと考えていた
ところが、どうにか、一方において集約と均衡化の論理が働けば働くほど人々はそれに逆襲する

金融においても財政においても、集約から分散へ

*ドイツのある小さな町での試み
地域通貨導入の試み
ヴェーラ

*おままごと通貨が国を脅かす存在に
*ゲゼル理論とは何か?
シルビオ・ゲゼル
ちゃんと通貨を使ってくれれば、商売繁盛となるのに、欲の皮を突っ張らせて金儲けのために金回しをやる輩がいるから、バブルになる。
使うべきときに、金を出し惜しみする連中がいるから、デフレになる

自由通貨、スタンプ通貨

*一週間使わないと価値が減ってしまうというスタンプ通貨
法定通貨と交換性があるべし
交換比率は適宜、妥当と思われるレベルに設定
有効期限がある→極端に短い→一週間

スタンプ通貨をためていればいるほど、その購買力は低下する
→マイナス金利と考えることができる

*ゲゼル理論が開いた、地域通貨の可能性
地域限定性
期間限定性

*70年以上存在し続けている地域通貨もある
期間限定性も地域限定性もないもの
スイスのヴィア
大不況の痛撃から身を守るために人々が考案
中小企業の一致団結

地域通貨というより、共同体通貨

*おままごと通貨に潜む通貨の本質 ★
・支払い証明書としての性格
・時の経過とともに劣化しない特性
・人々による受容度のいかんがその通用範囲を決めるという特徴

▶ 2. なぜ今、地域通貨なのか? ー国民通貨がなくなる日

*もはや日本は単一通貨の条件を満たしていない?
ユーロはすでに満たしていない

日本でも
経済実態の完全収斂は達成されていない
賃金や失業率は、日本中どこにいっても同じではない

*バラマキによる単一通貨圏の維持は限界
ひとつの通貨がひとつの国民国家の求心性の象徴
経済一体度の証明でもあった
いまや、一国家単一通貨制を維持していくためのコストが国民国家の屋台骨を揺るがす状態に

*なぜ、日本では地域通貨がうまくいってないのか?
そもそも法定通貨に対する代替物として設計されているわけではない場合が大半

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▶ 3. 通貨の未来像が未来を活性化させる

*円は多通貨体制国日本の共通通貨になる?
一国多通貨体制の日本はどうなるか?

単一通貨と共通通貨の違い
現状は円は日本の単一通貨
日本が一国多通貨圏となったときには、円には多通貨圏日本の共通通貨としての機能が残る

多数の通貨圏がひとつの共通通貨を共有することはあり得る

*多通貨決済時代へ?
多数の通貨による多角的決済システムをうまく構築することができれば、共通の決済手段がなくても、数多くの地域通貨を取り込んだ取引の仕組みを作り上げることができる

*地域通貨が引きこもりを助長する?
地域通貨に定義なし
単なる地産地消奨励策の域を超えて、グローバル時代の新たな経済の回り方を模索していくことが必要

*期間限定性と決別できるか、地域限定性を超えられるか
地域通貨がもつ閉鎖的自己防衛手段としての特性
自己完結の小宇宙を志向する力学が内在
→法定通貨の世界からいわば見捨てられたものたちの生き残りの糧として、地域通貨はその存在感を強めてきた

この閉鎖性を越えていけるか否か
グローバル時代における地域通貨の真価がかかっている

第三章 分裂していくヨーロッパ ーユーロに何が起こっているのか?

▶ 1. ユーロというテーマパークのはかなき夢

*ギリシャ問題が指し示す、世界経済全体の問題
多様なるものたちの連帯
→グローバル時代が必要としているのは、この構図
排他性なき地域通貨群が共生する世界

ギリシャ問題の根底にあるユーロという単一通貨の構造的な問題

*ユーロランドは夢の国
[]ユーロランドの経済学
経済的な体質と体力が域内であまりにも異なる国々が、それにも関わらずお仕着せワンサイズの金利を共有することの問題

EU各国の一人当たりGDP
低い国ほど問題が起きている
ー99

*チャーチルが発した欧州よ、統合せよの大号令

*紆余曲折、百家争鳴のユーロ誕生
導入時の一悶着

*たった数ヶ月の絶頂期、そして…
リーマンショックまで
ライバル通貨であるドルの世界で大危機
→ユーロの価値が上がってしかるべき
→ならなかった
→市場統合が進む中で、ヨーロッパの金融機関がアメリカのライバルたちにも増して、レバレッジ依存型の危ういビジネスを展開していたから

▶ 2. 宿命としてのギリシャ危機

*トロイの木馬をユーロに連れてきたギリシャ

*パンドラの箱が開かれた
200910、ギリシャの総選挙
全ギリシャ社会主義運動が当時の与党に勝利
前政権の財政赤字
2009春、GDP比で5%
→よくよく調べると11%

新政権はいきなりの危機

*七光りで輝いたギリシャ経営
ユーロ導入前のギリシャ、低所得国
ギリシャの国債は高いリスク・プレミアム
いざギリシャに危機が起こっても、ドイツなどが助けてくれるに違いないという読みも広がった

*お仕着せワンサイズがもたらした悲劇
ユーロ圏諸国には総じて膨張圧力が働きやすいという構造問題

ユーロ圏の金融政策
ECB が一括してとりまとめる
金利に関する限りお仕着せワンサイズに甘んじるほかない
→ユーロ圏諸国は経済運営上の自由度を財政に求めるしかない
→ギリシャのような発展途上性を残す国、どうしても拡張財政に走りがち
→そのような国の物価は上がる
→金利を下げざるを得なくなる
→デフレを嫌う
→ギリシャのような国はますます財政拡張

ギリシャのダメージが大きかった理由
1. 海運
2. 観光

▶ 3. 揺れる欧州。そしてドイツの憂鬱

*火消しに走って火の粉をかぶるEU諸国
イタリア
スペイン
両国の規模が段違いに大きい

*デクシアの破綻は金融大崩壊の前兆か
201110、ベルギー大手銀行

金融機関、リスク資産についてある程度の自己資本をもつことが、義務付けられている
→自己資本を積みますためのコストはかけたくない
→低リスクの資産をもちたい
→国債がうってつけ

BIS規制
金融機関が保有する債権について格付けにおうじたリスクウェイトが定められている

*欧州に脈々と流れるドイツへの不信感

*ドイツ人の本音はやってられるか!
ユーロ圏を防衛するイニシアチブをとらないわけにはいかなくなった

▶ 4. ユーロの苦難から何を学ぶか?

*取らぬユーロの皮算用

*大きなロボットよりも小さなロボット
自国通貨は金融危機にあたり、一種のエアバックのような働きをする
独自の通貨をもつ小国は小回りが利く小ロボット
小ロボットとして自己完結的にうまく作動している完成品を、そのまま大きなロボットの部品として転用してしまったらどうなるか?
しかも、慣れ親しんだエアバックという安全装置を引っ剥がしてしまう
→ガタガタになるに決まっている

*パックス・ゲマルニカ到来か?
今後のユーロ圏、考えられる3つのシナリオ
1. パックス・ゲルマニカ
2. 二リーグ制ユーロ圏
3. ユーロ破れてローカルあり

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第四章 一ドル50円時代に向かう日米関係 ー中心を失いつつあるグローバル経済はどこに行く?

▶ 1. 凋落するアメリカ経済に未来はあるのか?

*その栄光の時代は、ブレトンウッズから始まった
それから60余年
長くはない

*99%の怒りに手を焼くアメリカ
オバマ政権、3年
高揚感は失せた
すっかり内向き

茶会党
Taxed enough already

*世直し待望論が民主主義の隙間を浸食する

*大きいことは悪くないか?
大きな政府は必ずしも大赤字政府ではない
危険な落とし穴
公共事業→税収はおのずとついてくるという発想につながりやすい

大きすぎず、小さすぎずもしない財政規模を見極める

*株価が高いから、アメリカ経済は大丈夫のウソ
→その状態を保つためにどのような無理が?犠牲が?と考える
サーキットブレーカー方式
1987、1989の株価大暴落の後、アメリカ、導入
一定の幅を超える変動が起こったら、そこで取引を停止する

▶ 2. 無理に背伸びを続けてきたドル

*ドル安とはいわずに、ドル安を追求する
ドル安を追求しますとあからさまには言わない

そのかわり
アメリカをプロモートしよう
アメリカのグッズを世界に売っていこう
輸出主導型の成長に国をもっていこう
という言い方をする

TPPに前向きなのもその現れ

*アメリカとドル、無理に無理を重ねた70年史
ブレトンウッズ後
戦後、元気だったのはアメリカだけ
ドルあまりをうむ
アメリカドルの価値を担保していたのは金本位制
所有している金の量に応じて通貨が発行されるというシステム
→ドル余りは、アメリカが保有する金の量を圧倒的に超える量のドルを出回らせた

アメリカの金本位制
対外的にはドルの金交換義務を維持
国内ではすでに金とドルの交換関係を断ち切っていた

*ニクソンショックという最初のカタストロフィ
197108、ニクソン
ドルの対外的な金交換禁止の宣言

ドルと各国通貨のレートの調整
スミソニアン合意
しかし、不十分
→主要通貨は変動制へ

*レーガノミクスという無理
金本位制からのくびきから解放されたアメリカ
→インフレに
ドルを刷り続けた
さらに無理を続けた大統領→レーガン
大規模な財政資金投入と、大幅増税
→バラマキ型の需要喚起政策

インフレ率が低かったのは、安価の製品の輸入が急激に増えたという理由

ドル高は、バラマキ政策の結果

*膨れ上がった風船が割れるとき ー一ドル50円になる理由
198509、プラザ合意
当時のG5、ドル高の是正で各国が合意

▶ 3. 日本と円が握るドルの未来

*あなたのドルが紙切れ同然になる日
このまま放っておいたらドルが急落する日はいつきてもおかしくはない
ニクソンショックレベルの事態が起これば。

*実は日本は、世界一の債権国だった
国富
政府や国全体が保有する資産から負債を差し引いた金額
2009年末、2712兆円

対外資産負債残高
対外資産の残高と、海外からの負債残高を差し引いたもの
→2010年度末、251兆円
→文句なし、世界一
ー詳細 149
経常収支としては9兆円の黒
貿易は赤字、所得収支が大きい

*隠れ基軸通貨円が世界を動かした
円キャリートレード
日本の金融大緩和
金利が実質0
日本での資金調達コスト極めて小さく
日本で資金を調達し、それをより成長の期待できる地域に投資して利ざやを稼ごうという動き

日本のイニシアチブが必要?

*国際関係はもはや、利害の対立の場ではない
国境なき、ヒトモノカネの大移動時代
一蓮托生のつながりすぎた時代
内と外の関係がもはや判然としない

大事なことは、とにかくタブーをなくし、話し合うことである

*戦後メンタリテイからの脱却
日米関係は対等というより、逆転していると言っていい
債権国と債務国という関係でみれば、明らかに日本が立場が上

▶ 4. 一ドル50円時代の日本とは?

*より安定感のある時代へ
決済の円建て化

*一ドル50円が、地域経済を活性化させる理由
円高を利用したM&A
海外からの人材受け入れ

*無極化に向かう世界
また、地域の話に収束してきた
一極集中から分散多様化への流れを追ってきた必然

アメリカの弱体化もまた、世界が多極化していくプロセスの一つ

結局は地域通貨の世界が待っている

第五章 日本を苦しめる財政問題というくびき ー未来に進むために今、やるべきこと

▶ 1. デフォ発生!その時、日本は?

*デフォルトの恐怖を直視してみよう
日本国民全員が痛み分けをしなければならない
相当に不自由な生活を強いられる

*真っ先に影響を受けるのは弱者

国々が債務不履行に陥るとIMFの管理下に入るのが一般的
→さまざまな補助金がカットされることになる
年金
公務員の削減

改革・改変はタイミングよく順序よくやっておくべき

富裕層
預金封鎖については可能性は低い

愛国税の可能性

*韓国ではなにが起きたか?
1997、アジア通貨危機、デフォルト寸前まで追い込まれた

財閥の解体

*今の日本はアリとメタボキリギリスの国
日本の財政規模
92兆円
うち税収
40兆円
国債
44兆円
公債残高、800兆円を超える

今の日本の非常にユニークなところは、公的部門の赤字を補って余りある黒字を、民間部門が稼ぎ出していることである
→貯蓄超過状態を作り出している

最悪のシナリオは、
成熟国で、しかも自国通貨安のために購買力がなく、利子・配当収入による左うちわも難しい状態

▶ 2. 時代遅れになった財政システムを叩き壊す

*今の日本に必要な本当の一体改革とは?
社会保障と税の一体改革は当たり前
それだけでいいのか?

歳出と歳入の一体性

赤字国債を発行することは、本来やってはいけないことだという意識の欠如

*どこが限界かを知っておくことの意義
*とんでもない数字がでても隠してはいけない
一番やってはいけないのは最初から過激な結果がでないように前提条件を操作してしまうこと
→福島第一原発の事故は、それができなかった典型

*ホラーシナリオをみておこう
ドル下落を軟着陸させる手をうつべき
企業もドル離れの時代の戦略をたてるべき

*税金も世につれ
なぜ消費増税なのか?
租税体系のありかた

小泉政権
税をフラット化するなら、一方でそれに伴った格差への問題の対応が必要だった
→どのような経済状況、社会状況かを考える必要性

*ヒルズの外国人から税金を得るためには?
現状にあわせた租税体系
間接税の割合を高めるということ
→高額所得者からたくさん税金をもらうべきという考え

消費税は典型

*化石化する年金制度
資産レベルに応じたグラデーションをつける

*キャピタルフライトは本当に起こるのか?
国内の危機回避のために自国通貨を外貨にして、国外に避難させたり、海外の証券に変えたりする動き

課税はどこにいってもある
例外としての、リヒテンシュタイン、ケイマン諸島のようなタックスヘイブン
→実際には定期的に摘発の手が入る

▶ 3. デフレ解消への道はいずこに?

*下げてもダメならあげてみよう ー逆走の発想法
デフレ脱却、シンプルな解決策
金利と賃金を上げる 188
→超非伝統的金融政策の極みだが…

*異常な状態には、シュールな解決策を
相次ぐ金融緩和が効果を発揮しない理由
→世界がつながりすぎている

今は金利の安い円を借りて、金利の高い海外に投資する、が加速

*金利を上げることへの障害はほとんどない
金利上昇で打撃をうける部門、日本にひとつだけ
それは政府
借金がこれだけ大きな政府には、金利上昇は厳しい

終章 通貨の黄昏のその先に ー円高・円安に振り回されることのない経済へ

*そして後には何も残らないであってはならない
こたえは分散と多様化

*円高・円安に振り回されるのは尻尾が犬を振り回すのと同じ

*お隣さんのために働くのは当たり前のことに立ち戻る
地域通貨の話

純血主義がすべてを支配するほど、怖いことはない

*引きこもりなき地域通貨への道
だれも自分のためだけに自己完結の世界をつくっているわけではない

*最後に笑うのは、誰か?
通貨が経済を振り回すこと
基本的に、規定関係は経済から通貨へ流れるのが妥当
しかし、経済が国境を越えるときには、この関係がかならずしも順当には働かなくなる

内外均衡の相剋というテーマ
内なる自己完結をとるのか?
外に向かっての節度をとるのか?
後者なくして前者はなりたつのか?

国境なきグローバル時代において地域が主役になりそうな地球時代において、あらためてこの古くて実に新しい問題が我々につきつけられている
読了 5/18 12:25

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