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「天職は寝て待て 新しい転職・就活・キャリア論」の読書メモ

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読了本の読書メモを少しづつ公開していこう - #garagekidztweetz で宣言した溜まっている読書メモの公開も終盤、 12 冊目は「天職は寝て待て」。今日はその読書メモを公開します。

はじめに

▶ 天職探しの旅

*天職とは?
聖マタイの召命
召命→神により使命を与えられること
英語では、召命と天職は同じVocation
つまり天職とは自己によって内発的に規定されるのではなく、本来は神により与えられるものと考えられていた
↓我々の一般的な常識に大きな揺さぶり
天職とは、本来、自己を内省的に振り返ることで見いだすものではなく、人生のあるときに思いもかけぬ形で他者から与えられるのではないか?

自分は世界に何を求めているか?
から
世界は自分に何を求めているか?
への転換

しかし、わたしたちは召命を待つしかないのか?
本書はそれにたいする著者なりの答えを共有する
→もし天職が思いも寄らない時期と場所で他者から与えられるものだとしたら、そのような偶然をよりよい形で起こさせるための思考様式や行動パターンこそが天職への転職に最も必要な技術ではないか

いい偶然を起こさせるための思考様式や行動パターンとは何か?
*従来の天職への戦略
コンサルティングファーム
戦略とは引き算である
ありたい姿と現在の姿の引き算
この差を問題として、そのギャップを埋める一連の計画を設定することを戦略と呼ぶ
↓しかし
変化の速い現在のような時代では、★こういったバックキャスティングのキャリア設計はうまくいかないのではないか

*クランボルツの調査結果
キャリア形成のきっかけは、80%が偶然と明らかにした
中長期なゴールを設定することはナンセンスであり、努力はむしろいい偶然を招き寄せるための計画と習慣にこそ向けられるべきだと主張
→★計画された偶発性という理論にまとめた

*20年前の就職人気企業ランキング
バックキャスティング型のキャリア戦略の実効性は低い
→予測の難しさ
1992年の就職人気企業、上位50位、うち16社はすでにない
加えて存続している会社が必ずしも安泰というわけではない
たった20年前の話

*未来は分からない
少子化による人口減少、他国における過去の予測はこれまでほとんど外れている
人口動態のように統計がしっかりと整備されていて、比較的未来予測がしやすくても難しい

マッキンゼーが1980年代初頭にAT&Tに依頼を受けた携帯電話の普及台数に関する予測したもの
→2000年までに90万台
→実際、1994には1700万台

予測などというものは、当たるも八卦当たらぬも八卦

一番確実な未来予知の方法は、未来自体を作り出してしまうことである ードラッカー

▶ 本書の読者について

*これから転職しようとしている方
実際に転職に至るまでの、ごくふつうの日常をどのように過ごすか、あるいは転職後しばらくして陥りがちな穴をどう避けていくか
→幸せな職業人生を歩むための考え方、習慣

天職さがしのすべしとすべからず

*既に転職して失敗したと思っている方
その失敗をどう乗り越えるか、次にどうつなげるか
自分が引きずっている前職の癖やノスタルジーにケアすることが必要

*自分のキャリア設計について考えたいと思っている方
中長期的にキャリアを積み上げるためには何が必要なのか

*コンサルティングや広告業界でのキャリアに興味がある方
仕事選び
その仕事がもっている本来的な特性やフィットするパーソナリティについて洞察が重要

*これから就職活動する学生の方

*ノウハウ本に頼らない
表面的な知識や回答例はたいがい相手には見透かされる

コンサルティング
顧客企業にたいして戦略を提言し、その実行と支援する仕事。
そして戦略は本質的に差別化を求める
→差別化を求める人がノウハウ本を読んで他の人と同じ枠組みで考えることのナンセンス

ノウハウ本を読むにしても、いかにノウハウ本を読んだ連中のだすような陳腐でありきたりな回答といかに差別化するかを考えるために読もう

尽く書を信ずれば則ち書なきに如かず ー孟子

第一章 転職は、なすべきか、なさざるべきか

▶ 転職の是非

*転職を煽る人々
転職はそもそも幸せな職業人生を歩という目的に対しての手段でしかない

なぜ転職が手段から目的に変わるのか
↓理解するために転職支援事業の類型を説明する
・エージェント型
・サーチ型

大きく異なる点
・人材の年齢とポジション
前者は20-30前半
後者は30後半-50
・収益モデル
エージェント型、転職させた人の数に応じて
サーチ型、人を探すことそのものにフィーが発生する

エージェント型の転職すればするほど儲かるという事業モデルが問題になる
収益のドライバー
→転職者の数、転職者の年収、手数料率

*転職を諫める人
転職によって年収があがるケースは25%程度で75%のケースはむしろ下がる
を根拠に
↓その問題点の説明

*転職は75%が失敗は論理的におかしい
・一回の転職の正否をベースにしている
→実際は何度でもトライできる

*年収だけで転職の正否を決める愚
必ずしも全員がそのような目標設定をしているわけではない

給与が下がっても時間に余裕ができたり
ソーシャルビジネスへとキャリアチェンジする人もいる

*ポジティブでいこう
確率が低いからやめておけなどというのは、あまりにもネガティブかつ短絡的で同意できない

うまくいっている25%の人と75%のうまくいかなかった人の違いはなんだろうか、と考える
38

▶ 転職の技術がなぜ求められるのか?

*パッシブセイフティーとしての転職の技術
工学における安全技術
・アクティブセイフティー
→未然に防ぐ技術
・パッシブセイフティー
→事故やトラブルが起きたときに、人体への被害を最小限に留めるための技術

[]キャリアショック
キャリアの安全地帯は存在しない
→のんびりやりたいと思っても世の中がそれを許してくれない
*ロックインがもたらす個人的・社会的損失
適材適所が大事
→仕事と人材のマッチングによって組織全体の生産性が大きく変化するからです

企業経営だけでなく、国単位でも言える
国全体の生産性を上げる2つの方法
労働人口を増やす
→老人、女性
生産性を高める
→日本の生産性は、特にサービス業など欧米諸国に比べて低い

ITの活用度の差
人材の流動性の低さ
*リスクテークは競争戦略的には有効
日本は世界でもっともリスク回避性向が高い
→世界価値観調査 ー2005から2008

日本ではむしろリスクをとった方が有利だという考え方
→リスクをとる人が少ないから
チャンスがそこにあるときに、リスクをとってそれを獲得しようとする人が少ない

必要に迫られた際に大胆で不敵であるのは、思慮に富むのと同じである ーマキャベリ

*ルサンチンに覆われた国
羨望と嫉妬と劣等感が複雑に入り混じった感情

ルサンチンをもつ人々は非常に受け身で変化を自ら主導しない(できない)ため、他人と同じであることに最大の価値を見いだす
→蓄族、超人の対概念

*学卒主体の採用の不思議
そもそも新卒で入社した会社に一生いるのは不自然ではないのか?

ナイーブな学生の感性で選んだ会社が、本当に一生を過ごすべき会社なのかというと、これは当然ながら甚だ疑問

全ての職人をいったん30歳で雇い止めにして、1-2年遊ばせた上で再度、自分が30-40代を過ごす会社・企業を選ばせる仕組みはどうか?

一般に、青年の主張するところは正しくない。しかし、それを彼らが主張することは正しい ージンメル

▶ 転職はなぜ不道徳と考えられるのか?

*終身雇用は日本の伝統?
終身雇用
1958、ボストン・コンサルティング・グループ、ジェームズ・C・アベグレンの著書
日本の経営
で初めて使用した新語
→企業別組合、終身雇用の2つを指摘
アメリカ人によってつくられた言葉、日本古来のものではない
:それはもともと分かっている

終身雇用が日本に根付いたのは戦後

なぜ根づいたか?
1. 国家政策
個人個人の適性とは関係なく、政府が決めた重点産業に大量の人員が投下され、長期間ロックインして習熟度を高める
2. 外国資本による買収を恐れた株の持ち合い制度
経営のガバナンスが、株主主権から従業員主権へと軸足をシフトする

日本は儒教の国だから年功序列がいいという考え方
→中国や台湾の雇用流動性が日本より高いことに矛盾

年功序列のメリット
賃金査定のコストが小さくなる

*なぜ終身雇用は美徳なのか?
会社と社員の互恵関係
→従業員は時間・労働力・知識等の資源を提供し、会社は給与・その他福利厚生で報いる
↓この互恵関係の解除が不道徳であるととらえられがち
理由の大きなひとつ
互恵関係に時間軸でのズレ
1. 新入社員、5-6年目、 成果<待遇の時期育てられず、回収できるだけの成果を生み出さない。育ったが退職されてしまう
→日本の企業は先行投資としての新卒採用に積極的
→つまり、ちゃんと育つ、辞めない
→転職が不道徳であるとみなされる要因のひとつ

30-40代にかけては、成果>待遇
→いずれ報いるからいまこれだけで頑張ってくれという報酬先送りの時期
→解雇が不道徳とみなされる要因
40-50代、また成果<待遇
→労働市場での価値がなくなってから収支がトントンになるように調整

*ズレ給は今後高コストの恐れ
ファイナンス理論
将来の不確実性が高くなればなるほどリスクプレミアムが乗って、資金調達コストが上昇する

*飼い殺しにならないために
転職をしようとする個人に対しての非常に強いブレーキ
30代をすぎた頃から自分で働いて得た金の一部をデポジットとして会社に預け続け、定年前の10年間に、実質的には仕事をせずに年金のように払い戻してもらう仕組みになっているので、預けているデポジットの累積額が大きくなり、転職できなくなる

これからの時代、この貸しは帰ってこない可能性が高い

*転職社会のネガティブサイド
入れ替え可能は企業側の視点でしかない
→同時に従業員側からは選択自由になるということ

*アノミー社会へ

転職社会が実現した際の懸念

アノミー
無規範・無規則と訳されることが多い
オリジナルの文脈から言えば、無連帯
ー社会分業論
分業が過度に進展する近代社会では、機能を統合する相互作用の営みが欠如し、共通の規範が育たない

社会の規制や規則が緩んでも、個人は必ずしも自由にはならず、かえって不安定な状況に陥る
かならずしも社会にとってよいことではない

無縁社会
[]自殺論
自己本位自殺、集団本位的自殺、アノミー的自殺、宿命的自殺

成熟的社会においては、個人の不満・焦燥・幻滅などの葛藤が増大して、アノミー的自殺が増加するだろうと予言
↓社会のアノミー化を防ぐには
1. 家族の復権
2. ソーシャルメディア
3. 宗教 →誤解を招きそうなので別の機会に

第二章 従来の転職の方法論の問題

▶ 従来のキャリア戦略の問題点

*好き×得意なことを選べといわれても…
従来のアドバイス ー72

このようなことは念頭におく程度にとどめておく
クソマジメに答えを出しても、あまり意味はない

*得意なものは分からない
経営戦略の考え方をもとにして考えてみる

事業ドメインの選定
自社の中核的な能力

事業のKSFに軸足をおく

キャリア選択にあてはめる
自分の得意領域に対する理解

その職業が求めているスキルやコンピテンシーについての理解が必要であることが分かる

得意のレベルが本当に社会にでて優位性を発揮できるかどうかは誰にもわからない

*ギリギリOKの水準
その職業が求めるスキルやコンピテンシーというのは大変複雑かつ明文化しにくい
これを未経験の段階で外形的に理解するというのは難しい

実際にその職業についていろいろ試行錯誤を経てみなければ分からない

人生を見つけるためには、人生を浪費しなければならない

*好きなものも分からない
好きと憧れの混同

何かになりたいが本当ならば。ほの萌芽となるような営みを日常的に行っているはずで、そのような行動がほとんど観察されていないのであれば、その人の好きは実体をもたない単なるあこがれにすぎない

何々になろうとする者は多いが、何々をしようとする者は少ない ー長岡半太郎

*仕事の面白さはやってみなければ分からない
自分は何が好きかという問いにムキになって取り組んでも意味がないと思う理由

三年は経験しないと分からない

*自分探しの罠
歌は世につれ、世は歌につれ

最近の若者の危うさ
過剰な自己愛の時代を生きてきたために、多少でも自分らしくないと思える事態に向き合うと、すぐにそこから逃げてしまう傾向

ある程度は耐えることの必要性
:ある程度のさじ加減こそが重要なんだが…

*ありたい姿に囚われるのは危険
反面教師ニーチェから学べる最大のするべからず
→あるべき姿について強すぎる想念をもつこと

遊びが必要だということ

自分の実力以上に有徳であろうとするな!出来そうもないことを己に要求するな! ーニーチェ

*本当に自分で選ぶとは?
カメさんとアキレスさんの例え話 ー94

自分が何かの意志決定をしようとしているとき、その選択は本当に内発的な動機なのかどうかを今一度考えてみる

速度をあげるばかりが、人生ではない ーガンジー

*キャリア・アンカー
何をするべきか、よりも何を譲れないかということを明らかにする方が有用かもしれない
→キャリア・アンカー

自分のキャリア・アンカーを知っていないと、外部から与えられる刺激誘因の誘惑を受けてしまって、後になってから不満を感じるような就職や転職をしてしまう ーエドガー・シャイン

8つのキャリア・アンカー ー98
専門・職能別コンピタンス
全般管理コンピタンス
自律・独立
保障・安定
企業家的創造性
奉仕・社会貢献
純粋な挑戦
生活様式

自分のキャリア・アンカーを知りたい場合
[]キャリア・アンカー
白桃書房

*仮面と実像
キャリア・アンカー、平たくいうと職業パーソナリティ
→仕事の幸せに大きく関係

最終的には、自分の本性と異なるパーソナリティを仕事上の要請であまりに長く厳しく実践していれば、本来の自分を見失いかねません

ユング
パーソナリティのうち、外界と接触している部分をペルソナという概念で説明
個人と社会的集合体とのあいだの妥協
実際の自分のありようを保護するために外向きに形成された仮面

どのまでが仮面でどこまでが顔なのか?

パーソナリティは仕事の幸せを掴み取る上では大変重要な要素であるのに、脆弱で柔軟なため、社会的な要請に応じて表面的に適応させることが可能なのです
しかし、パーソナリティとフィットしない組織や仕事について、一見うまく適応しているように働けたとしても、本当の幸せは得られないのではないか

第三章 いい偶然を呼び込むには?

*キャリアはいい偶然によって形成される
クランボルツ、スタンフォード大学

職業未決定は新しい学習が促進される契機になりうる

ハプンスタンス・セオリーが提唱したいい偶然を引き起こすための要件
・好奇心=自分の専門分野だけでなく、いろいろな分野に視野を広げ、関心をもつことでキャリアの機会が増える
・粘り強さ=最初はうまくいかなくても粘り強く続けることで、偶然の出来事、出会いが起こり、新たな展開の可能性が増える
・柔軟性=状況は常に変化する。一度決めたことでも、状況におうじて柔軟に対応することでチャンスを掴むことができる
・楽観性=意に染まない異動や逆境なども、自分が成長する機会になるかもしれないとポジティブに捉えることでキャリアを広げられる
・リスクテーク=未知なことへのチャレンジには、失敗やうまくいかないことが起きるのは当たり前。積極的にリスクをとることでチャンスを得られる

*いい偶然の構造
1. そもそもどうやっていい偶然を起こすか?
2. いい偶然をどうやってキャリアに結びつけるか

いい偶然を取り逃がさないための準備

1. 人脈力と信用力
2. プロセッシングスキルとストックスキル

*いい偶然における人脈力
人脈力と信用力の掛け算

キャリアの転機になる縁は、親戚や友人等の親しい間柄ではなく、むしろそれほど親しくない人からもたらされることが多い ークランボルツ

ウィーク・タイズ
弱い絆が大事、就職においては。
→かといっていたずらに人脈を広げればいいというものでもない

ここで重要になるのが、信用の深さ

人脈は三段階に分けて考える
1. 親友ゾーン
2. 同僚ゾーン
3. 知人ゾーン

このときカギになるのは第二階層の人脈

互恵性
どちらが最初にメリットを提供したか?

これまでのようなこの道一筋という考え方なリスクがリスクが大きすぎる。いろんな可能性を残しておく。いろんな種をまいておくことが大切になる ー森永卓郎

*いまの仕事、いまの人脈をまずは大事に
何でもない毎日を丁寧にいきる

世界平和のために何ができますか?
家に帰って家族を愛してあげてください ーマザー・テレサ

まず、今、ここでできることからはじめてください

*ブレないプリンシパルを
必ずしも素晴らしい成果や結果が信用形成に必要とは限らない

人間としてブレないプリンシパルを持っていることのほうを著者は少なくとも重視

人によって態度を変えない ー著者のプリンシパル
変化の激しい世の中、立位置の力関係がいつかわるかわからない

*いいヤツが最後は勝つ?
いい縁はいいヤツに集まる

いい縁を呼び込むためには、誰に対しても裏表がない、自然体のいいヤツでいるほうが結局は期待利得が高い

繰り返し囚人のジレンマの例え話 ー129

いいヤツだけど、売られたケンカは買う戦略

[]つきあい方の科学

*いい偶然をどうとらえるか?
プロセッシング
入力された情報を何らかの形で処理して出力する能力
ストック
自分の中に蓄積された付加価値の源泉となる知識やノウハウ

*非ロジカルシンキングのススメ
ロジカルシンキングは正解を求める技術
→新しい価値を生み出すことは、ロジカルシンキングを学ぶことだけではできない

ああ、馬鹿ですか。馬鹿にもいろいろありますが、利口っていうやつは馬鹿のうちのあまり感心しない一種のようですね ートーマス・マン

*英語
プロセッシングスキルで最も重要性がたかい
自分にそのつもりがなくても地雷原に放り込まれる可能性はある
→今後、円安にふれて外資による買収が再び進行した場合など

グローバル化して競争に勝つことを考えれば、程度問題はあるものの、社内公用語を英語とせざるをえない

*ストックを構築するための読書
学びの大きい本をいかに選ぶか
いかに効率よく読むか

*積ん読を恐れない
:恐れてない
★買ってみた本がつまらなければ、とりあえず本棚にもどすことを
本は、本当に面白がって読まないと脳に定着しない

読書が、自分自身を知るためのリトマス紙

★眠いときには読まないというルール

食欲がないときに食べることが健康に悪いのと同じように、欲望を伴わないのに本を読むのは頭脳をむしろ損ない、記憶にも残らない ーダ・ヴィンチ

*関連分野を固めて読む
本と本の間にはメニトミーの関係とメタファーの関係

換喩と隠喩
ヴェネツィアをゴンドラの街というのは、メトニミー
→縦の階層構造
ヴェネツィアをアドリア海の宝石というのは、メタファー
→横に展開していく

メタファー的展開の利点
純粋な興味→興味を維持しやすい、したがって定着率が高い
展開もとと展開先が構造関係→濃く深い理解が促進される

読書メモはとる ー148

▶ バカになる読書

[]読書について ーショーペンハウエル
読書はバカになるからやめておけ
→読書というのは他人の頭に考えてもらったことをなぞることなので自分の頭で考えなくなる

他人の考えたことばかりだと、自分で考える力が衰える
→危険性を感じるのはいわゆるノウハウ本

反論し論破するために読むな。信じて丸呑みにするためにも読むな。話題や論題を見つけるためにも読むな。しかし、熟考するために読むがよい
ー ベーコン 随想集

第四章 攻めの転職と逃げの転職

*転職における攻めと逃げ
自分のやりたいこと、よらなりたい自分へと近づくための転職 ー攻め
自分にとって望ましくない、耐え難い状況から脱するための転職 ー逃げ

★違いはあれど、良し悪しは気にしなくてよい

今現在、非常につらい職場環境にあるときは、精神の健康を、ひいては自分の人生を守るためにすぐに逃げるべき

*経営に対する抗議としての逃げの転職
ステークホルダー
オピニオンとエグジットのふたつを是正装置の要求手段として持っている

反対意見の表明
当人にとっては逃げかもしれないが、内部からのガバナンスを効かせにくい日本の企業にとっては、大変重要な気づきを与えてくれるきっかけになる

▶ 逃げの転職の注意点

*半年待てないか?を最後に考えてみる
平均への回帰の問題
悪いことがあれば、よいことも起きる

状況の振り子が改善側に振れる可能性が多少でもあるのなら、いまの状況が悪いというだけで転職してしまってはもったいない

会社全体の社風と自分のパーソナリティが完全に合っていなかった、どうやっても改善しようがない問題でもない限り、じっと待ってみるのも有利な戦略のひとつ

*宙ぶらりんに耐える
逃げの転職をするときこそ、慎重に転職先を選ぶ
本人の状況的に早く逃げ出したい状況と推測できる
→拙速に転職先を選んでしまいがち

ものごとがいずれにも決しない状態に耐えるのはとてもつらいことである。そのつらさに耐えかねて安易に死に至る道に逃げ道を求めようとする者は個人にも国家にもみられた。
しかし、このつらい宙ぶらりんの状態に耐えることこそ、可能性の明確でない勝利の幻想を追い求め、国家を灰燼に帰せしめるよりは、遥かに優れた選択なのだと明記すべきである ーベイジル・リデルハート

この会社にずっといないことは分かっている。が、次に行くべき会社がなかなか見つからない
→宙ぶらりんの状態
→誠に苦しい
→だが、そんなときこそ拙速な意志決定を避け、じっくりゆっくり動くべきでしょう
:まさに欲しかった言葉かもしれない

*自由であるために不自由を受け入れる

*私の不自由体験
勝海舟
自由になりたいと思ったら、どこかで不自由を我慢する必要がある

困難は忍耐を生み、忍耐は練達を生み、練達は希望を生む ー新約聖書、ローマ書

*自由のコスト
[]自由からの逃走
耐え難い孤独と痛烈な責任を伴う

これらに耐えつつなお、真の人間性の発露と言えるような自由を希求しつづけることにより、初めて人類にとって望ましい社会は生まれる

漱石 ー近代的自我

自由に生きるためには技術が必要であり、それを身につけるための訓練という側面から不自由な時期を甘んじて受けざるをえない

★リスクをとって転職することをポジティブに論じてきたが、転職をくりかえすことが本当にいいことかというと正直よくわからない
:答えはないからね

▶ 攻めの転職の注意点

*得るものより失うものにフォーカス
何を得られるかよりも、何を失うのかちゃんと考える

転職に際して費用対効果のうち、往々にして費用面の検討が疎かになるのか?
失うものが、攻めの転職をする人には空気のような存在になっていて意識されにくい
→例えば、何かあったときの手厚い保障、大きな組織に属しているという安心感・連帯意識

*仕事のネイチャー
課題先行
→顧客から投げられる様々な課題・問題の解決

好奇心駆動
→課題は与えられるものではなく自分でつくるもの
:わたしはこっち。これはこれでつらいんだが…。


両者をまたぐ転職では注意が必要。
求められる能力が大きく異なるから。
難易度の問題ではなく、質が全く異なる。

著者が苦労したこと
課題の抽出と、優先順位の設定
:分かる自分がいた

いまは手を着けないという課題を選ぶ。
メリハリをつける。
捨てるべきところをばっさり捨てる。

*なぜ電通鬼十則の最初は仕事は自ら創るべきなのか?
放っておくと電通は、課題が向こうからくるのを待つ体質に必ずなってしまうということが分かっていたから。

*報酬は高ければよいか?
動機付けにまつわる人間の生理に関する問題
楽しむ
内発的動機の重要性

報酬により、外発的動機に駆動される行動に転換されることがある

金はよい召使いである。しかしまた、悪い主人である −トマス・カーライル

*大事なのは報酬と成果のバランス
[]Googleに勝つ広告モデル

頭脳労働を無料で提供するという仕組みは、そこに携わる人の人生を捧げることになる

*幸福の技術としての労働
世界三大幸福論
・ラッセルの幸福論
・アランの幸福論
・ヒルティの幸福論

産業革命後の19世紀、暮らしやすい時代に議論が立ち上がってきた

幸福を考えるひとつの鍵
→★仕事
対価と労働がしっかりとつながっていないと、それがどんなに実入りのよい仕事であっても、私は心の平安を維持することは難しいだろうと思います。

価値の提供
誰かの役に立つ
感謝される

幸福感の本質
→給与の額よりも労働をさせてくれるところを選ぶ

人間が幸福であるために避けることのできないもの。それは勤労である。 ーレフ・トルストイ

第五章 エモーショナル・サイクル・カーブへの対処

*転職後の心の変化
変革期における組織の心理変容のプロセスに関する概念

リアリティ・ショック
・仕事に対するもの
→こういう仕事だとは思わなかったといったもの
・組織に対するもの

新人が職場に入って様々なことを学んでいく様子
→正統的周辺参加
コアの仕事ではない領域から参加することで、コア領域の仕事に必要な知識を少しづつ学習していく
→追い回しが与えるギャップの説明

組織に対するリアリティ・ショック
社風や価値観の違いに基づく戸惑い

何にしても、この手のリアリティ・ショックは必ず発生する

エモーショナル・サイクル・カーブの下降曲面をできるだけ早く抜けるためのポイント、3つ

*自分を失わない範囲でオープンに!
オープンとは受け入れるということ

ここがどん底などと言っていられる間は、どん底にはなっていないものだ ーシェイクスピア リア王

*昔のことは忘れよう
忘れる、過去の美しい思い出を。
前職の思い出が相対的によく見えてくる時期がある

転機体験 ー米国:ウィリアム・ブリッジ
転機をうまく乗り切るためのステップ
1. 終焉 :いままで続いていた何かが終わる
2. 中立圏:混乱・苦悩・茫然自失する
3. 開始:何かが始める

外形的な作業の類似性

広告代理店出身者はコンサルティング業界で成功しない要因
→3つの理由 ー207

過ぎたことを悔やんでも、しょうがないじゃないか。目はどうして前についていると思う?前向きに進んでいくためだよ。 ードラえもん

最後に

*自分を愛してあげよう
フランス、フロベールの小説
どんなに汚くてもかっこ悪いものでも、あなた自身のこれまでの人生はかけがえのないもの
これからの自分自身の人生を愛す
そうして慈しんであげれば、それはやがてかけがえのない、輝きをもつ何かをあなたに与えてくれるでしょう

214ページ
5/11 12:26 読了

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