今日は、3冊目、「上から目線」の構造の読書メモを公開します。
プロローグ
対等な関係のはずなのに、上から目線でものを言われるとムカつく。それは分かる。だが、近頃気になるのは、明らかに本人より上位の相手から言われたことに対して上から目線でイラッときたなどというセリフをしばしば耳にすること
ー
経験を積んだ上司やベテランからのアドバイスや指示、あるいは注意が上からなのは当然
→それさえも上から目線と批判されるべきなのだろうか?
ー
★そんな上から目線の心理構造を解剖しようというのが本書の目的
ー
上から目線が気になる人とそうでない人、どこが違うのか
第一章 なぜ上から目線が気になるのか
▶ 上司の指導にも上からですね
うっかりアドバイスをすると上から目線と反発されるから言いたいことも言えないと嘆く上司や先輩があとを立たない
▶ 部下のご機嫌伺いに潜むパーソナリティの構え
上から目線、いわれた側を不安にさせる何か
[]自由からの逃走
フロム、精神分析学者
→パーソナリティの市場的構え
人間の価値、どんな能力がありどんな人格を備えているかということよりも、周囲の人たちから気に入られるかどうか、受け入れられるかどうかによって決まる
自分自身を商品とみなし、自己の価値を交換価値として体験するパーソナリティの構えを市場的構えとし、パーソナリティ市場の発展により、市場的構えが急速に育ちつつあると指摘した
★役に立つ商品が価値があるのではなく、売れる商品が価値がある
ー
部下や後輩から上から目線を指摘されたらそれはもう心穏やかではいられない
→自分の価値の源泉は能力や人格そのものではなく、人から気に入られるかどうかなのだから
:個人差があると思う
→結果、部下や後輩をお客様扱い
▶ アドバイスの構造的問題
相手が親切で言ってくれたという解釈よりも、相手が優位に立ってものを言ってくるという解釈に重きを置いているということ
→ゆえに感謝の気持ちなど湧かない
→親切心から言ってくれた相手に対する共感がない
→こちらにアドバイスできる立場にあるという認識や敬意が欠けている
ー
見え隠れするのは見下され不安
見下されるのではないかといった不安が強いために本来は役にたつはずのアドバイスもこちらに対して優位を誇示する材料と受け止めてしまう
:一概にそうとも言えない。そのアドバイスは本当に価値のあるアドバイスなのか?上司だから、先輩のいうことだから、必ずしも価値のあるアドバイスとは言えない。目上ということになっている側の奢りはないのか?
▶ 人を見下す人物にありがちな傾向
なぜ気にくわないのか?
→見下され不安による説明
人を見下す傾向のある人は、人が自分を見下すのではないかといった不安を抱きがち
→人より優位に立ちたいという思いが強いのに、現実にはなかなか優位に立てない自信のない人物が、相手の上から目線を過度に気にする
:そういう人も中にはいるのだろう
ー
勝ち負けのみの図式で世の中を見る人
人の視線を過剰に気にする
→尊大な態度で自分の力を誇示しようとする
→逆にそれによって自信のなさを露呈
:ようは未成熟だといいたいらしい
ー
成熟した人間はコンプレックスに振り回されない
ゆえに、自分の力を誇示したり、偉そうな態度をとろうという衝動が湧き上がらない
ー
尊大な態度とは自分の中の空虚を見透かされないための虚勢なのではないか
→上から目線に非難がましい反応をする若者は自信のなさゆえに攻撃的な反応にでるのであろう
→もし本当に自信があれば、傾聴できる
:あまり、まわりにそういう若者はいないんだが…。むしろ、まったく的外れなアドバイスをして選ぶっている先輩、上司というほうがしっくりくる。
ー
自信のある人のほうが柔軟
:この意見には異論はない
▶ ジェスチャーの多い人がもつ不安
劣等コンプレックス
見分けるのは態度を見ればわかる
・傲慢
・ジェスチャーが多い
→私の言葉はもし、私がそれらを強調しないなら何の重みも持たないだろう
:歌手に当てはめると、酷いことになる解釈。歌詞には自信がないから、動きで誤魔化していますとなってしまう。
ー
劣等感は誰でもある
★それがあるがゆえに、人間の成長の源になる ー アドラー
ー
自分が発展途上であることを認めることができず、目をそらすと劣等コンプレックスになる
→自信と余裕のなさ
▶ 足の遅さが劣等感になる子は勉強にも自信がない
人それぞれに得手不得手があり、人より劣る能力があるのも個性、引け目を感じることはない
▶ 甘えが強い人は被害者意識を持ちやすい
上司に叱られ傷ついたと総務に駆け込む若手が多くなってきている?
[]甘えの構造
ー 33p
被害者意識
日本の甘えの文化
自分からアピールすることをせずに、相手がひそかな要求に応えてくれることをひたすら期待して待つ
:そういう人もいるのだろうが、残念だがそういう人は今後の世の中には適応できないという結果になるだけだと思われる。
▶ 逆ギレの裏にある欲求とは
自信のない若者が増えた?
日本中に増えた??
ー
人から認められたいというのは誰もが心の中に抱えている基本的な欲求
★欲求は満たすべき ー マズロー
→4つの基本欲求
・生理的欲求
・安全の欲求
・愛と所属の欲求
・承認と自尊の欲求
ー
承認と自尊の欲求が損なわれたとき、自分はだめだ。見下されたと感じる。
▶ 自尊心とコンプレックスの相関性
相手の言葉に過剰に反応する場合は、そこに劣等コンプレックスが絡んでいる
ー
社会心理学者のキャンベルとフェールの実験 ー37p
初対面同士で会話
→それぞれを評価、相手が自分をどう評価したかを当てる
↓
自尊心のある人→正確に推測できた
自尊心のない人→相手による評価を実際より低めに見積る傾向
ー
★自信のないことは他者の視線をネガティブな方向に歪めて認知してしまう
:自信がないのに説教するという逆のパターンを言及していない。ここまでは。
ー
自分に対してネガティブな感情を持つ者は、他者に対してもネガティブな感情を抱きがち ー 臨床心理学者、シアラー、ストック
ー
★自分を受け入れることの重要性
▶ プライドが高いとはどういうことか
わがままと置き換えても意味が通じてしまうのはよろしくない
ー
自尊心の高さと攻撃性に関する議論
自尊心の高い人と低い人ではどちらが他者から否定的な評価を受けたとき強い反発をするのか?
・もともと自尊心が低い人→より大きなダメージ、コンプレックスに→自分を低く評価する他者に対して強い怒りや敵意
・自尊心の高い人→他社による否定的評価は自己観と大きく矛盾→他者に対して強い怒りや反発
▶ 扱いに注意しないといけないとされる人は偽物のブランドを抱えている
混線をほぐすヒント
→自尊心の安定
ー
プライドが高いから扱いに注意しなければならないと言われる人は、自尊心の高い人というよりも、うぬぼれの強い人
→自尊心を高く持ちたいが本当のところでは自信がなく、ちょっとしたことで自尊心がぐらつく
:誰でも多かれ少なかれそうなのでは?
ー
自尊心が高く不安定な人→持ち上げられたい欲求が強いのに、痛いところをつかれたり、的確なアドバイスをされたりすると、つい相手を上から目線と攻撃したくなる
:必ずしも一括りにこれだけではないと思う
▶ 上から目線には二種類ある
上から目線と避難される大人の側の問題の話
:ちゃんとあった
ー
★上から目線の立ち位置に陣取る資格があるのかどうかが争点
現代は年長者だからと尊敬される時代ではない
→上から目線の立ち位置は、単に年齢によって与えられるわけではなく、仕事上の知識やスキル、経験、実質的に部下や後輩よりも優れたものをもっていることが必要
:今も昔もないと思う。当然のこと。
▶ なぜ店員に威張り散らすのか
年輩者に多くみられる
しかも大した問題でないことが多い
→かなり歪んだ上から目線
お客としてしか尊重されないとしたら、何と淋しいことか
お金でお客という上から目線を買っている
ー
やられる側はたまったものではない
→アルバイト意識の社員もいて、キレられることだってある
→客だからといって調子に乗りすぎると痛い目に遭う
→店員に対する敬意も忘れてはいけない
▶ 人を上からにさせるものとは
親心からの上から目線もある
→これは否定すべきではない。親切心からの真に有用なアドバイスならば。
▶ ウザイと思われる大人の特徴
間違っていなくても、うっとおしいアドバイスもある
人は誰でも自分で考えて生きたい
そうした人間心理を踏まえて、上からのアドバイスを効果的に用いなければならない
▶ 直接的なアドバイスはなぜ響きにくいのか
視線の位置ではなく、言い方が問題の場合も多々ある
若手が問題にする先輩、上司の言い方
・必要以上に威張り散らす
・やたらと上司ぶったり先輩ぶったり
・独りよがりで何でも決めつける
・人の気持ちに無頓着で人の言い分も聞かずに一方的に命じる
↓
★一方的であるということ
ー
松下幸之助の巧さ
指示を出すにも、必ず相手の言うことに耳を傾ける
→★あなたの意見はどうか?私はこう思うのだが…
▶ 横柄な人物に潜む自己防衛の構造
相手に自分の優位を誇示するかのような上から目線
→このタイプの上からを常習としていてよいことは何もないはずだ。
↓何故するのか?
劣等コンプレックスによって無意識のうちに動かされている
自分に自信がなく、空虚な自分、無力な自分に直面することへの抵抗が強いため、虚勢をはって自分を大きく見せようとする
ー
★親心からの上から目線に対して、コンプレックスによる上から目線と呼ぶことにする
▶ 劣等コンプレックスを持つ上司の特徴
偉そうに振る舞うことは逆効果。自信のなさを見抜かれる。
ー
コンプレックスは合理的な行動を導くのではなく、人間の心の衝動層を刺激する
→その場限りの快感や発散を求める習性
ー
他人からみたら滑稽だが、本人は気づかない
他人を自分より下位におくことによって、自分の上位を誇示せずにはいられない
ー
★誰でも自信のなさは抱えている
自信たっぷりの人がいたら、それもかえって怪しむべきなのかもしれない
★コンプレックスによる上から目線に陥らないためには、自分の抱える自信のなさを謙虚に見つめることが必要だといえる
第二章 上からに陥りがちな心理構造
▶ 上下、勝ち負けでものを見る人びと
私たちは自分のもつスキーマでものごとを判断する
→ものごとを見る枠組み・図式
ー
本人の中に上下、勝ち負けのスキーマが強く根付いているときに相手の態度や言葉が上から目線に感じられるのではないかということ
ー
優位ー不優位
人間的成熟ー未成熟
出世するーしない
▶ 結婚願望が薄ければ平均初婚年齢は気にならない
人間は絶えず自己評価をしないでいられない存在
自分がどのあたりの位置にいるのかを知りたい
ー
しかし、世の中のほとんどのことには基準がない
→人と比較する、心理学では社会的比較
▶ 比較意識が見下された不安を生む
自己評価でわかりやすいのは社会的比較
例:まわりの子供が何歳で自転車に乗れたか?
勉強の成績、社会人でも同期との成績の比較
ー
上から目線が気になる人は、過剰な比較意識を持つてために、優劣に過敏になり、相手の優位を突きつけられる度に見下され不安に脅かされる
▶ 同期の業績に一喜一憂しない方法
青年期に活性化する理想自己との比較
→こうありたいという自分
↓理想と遠いという意識が
向上心を刺激し、人格的成長や仕事力アップにつながる
ー
理想自己と現実自己のズレの測定 ーカッツとザイグラー、心理学者 68
知的に成熟することによって理想自己を高く掲げるようになると同時に現実の自分を厳しい目で見るようになる
→両者のズレが大きくなる
:心が成熟すれば、というのは大きなポイントと思った
↓理想自己を自己評価の基準として取り入れることによって、社会的比較による縛りを緩めることができる
→自分は自分、人は人
※自分の理想とする姿は彼とは違う。目指すところが違うのだから、比較しても意味がないと考える
:このあたりは納得して読める。そう考えているから、あまり他人と自分を比較していないな、と。
▶ 自己を成長させるのは他者
理想自己は誰もが抱えている
↓そうした理想実現への動きを阻害するのが
せっかくのアドバイスや経験談を上から目線として拒否する姿勢
:この点は反省すべきところもわたしにはあるな、と
ー
他者の視点を取り入れことによって多角的に考えられる
▶ 落ち込みやすい人は成長しにくい
成長する人としない人の違い
→最大の要因は経験に対して心が開かれているのかどうか
↓できるようになるかは、
★感情ではなく認知で反応できることや、自分を変えるつもりがあるかどうか
ー
認知的に反応することにより、今後はどうすればうまくいくかについて焦点づけた思考ができる
経緯や結果の分析して失敗を成功に変えるためのヒントを学ぶ
▶ プロテウス的人間は生き残りに強い
自分を変えるつもりがあるかどうか?
→経験の吸収力に影響
ー
変化を恐れるタイプは何度失敗しても自分のやり方を変えようとしない
ー
変化を恐れないタイプは、周囲から影響を受けることを恐れない
失敗の度にパワーアップし、進化し続けられる
ー
プロテウス的人間 ー社会学者、リフトン
自分の姿を恐ろしいヘビ、ライオン、竜、…に変幻自在にかえることができるが、自分の真の姿を現すことができない
★今の自分にこだわりすぎないために、防衛的にならず日々の経験に開かれている。ゆえに経験から色々と学んで発展し続けることができる
▶ 正社員になりたくない派遣社員の目線の位置
▶ 上からになれば現実逃避できる
自分はこんなところでくすぶっている人間ではないという心理
→あからさまに上から目線、冷たい上から目線
そのように思うことによって、現実逃避し、ごまかしている
▶ フリーターに見られる3つの類型
フリーターの心理面
・モラトリアム心理:自由を確保しつつ決定を先延ばし
・やりたいこと志向
ー
類型
・モラトリアム型
・夢追い型
・やむを得ず型
↓
やりたいことへの強いこだわり
82
▶ やりたいこと志向の人ほどやりたいことがない
やりたいこと志向を隠れ蓑にしている人々
→注意すべきは、本気なのか、言い訳なのかということ
→やりたいことが仮に本当にあるのだとしても、やりたい仕事につくために具体的な行動をとっているのかどうか?
ー
やりたいこと志向の陰には、決定を先延ばしにしたい、自由さや気楽さを求める心理が潜んでいるのではないか
▶ 根拠のない自信の正体とは何か
誇大自己
現実的な裏づけのない誇大妄想的な自己像のこと
理想は誰にでもある
しかし、理想はあくまでも理想
実際にはパッとしない自分がいるというのが、多くの人の現実
→誇大自己というのは、その現実の自分との間に何の関連も見られないということ
→非常に調子のよい、自己愛に満ちた心理メカニズム
ー
↓
その間のギャップを埋めるための動きがとれることが必要
▶ いつまでも本気を出さない人と誇大自己
誇大自己を後生大事に抱え続けているための無意識の策略ではないか
ー
★ほんとうにやりたい仕事を見つけて、それに役立つ仕事にさえ熱心になれなかったら、自分の怠惰を認めるしかない
→それに必要な資格試験?などに何度チャレンジしても突破できなかったら自分の無能を認めるしかない
ー
結果を突きつけられるのを避け、言い訳の余地を残しておくには、とりあえず頑張らないにかぎるというわけだ
▶ あの人が自分探しばかりしているのはなぜか
誇大自己にしがみつくのは、情けない自分、あまりに無力な自分に直面しないための自己防衛の心理的メカニズムによるものである
→自分探しもそのひとつだと。
ー
こんなのはほんとうの自分ではないと思うことで現実の自分を棚上げできる
ー
もし、ここが自分の居場所だと根をおろしてしまったら、どんなに理想と違っていてもどんなに情けなく受け入れがたい自分であっても、今、ここにいる現実の自分が自分の本当の姿だと認めざるを得なくなる
▶ 自己愛の強い人物の傾向とは
自己愛の強い人々の傾向 ー92
誰もがもっている傾向だが、それぞれ強い傾向が見られると自己愛が強い人物ということになる
▶ パーソナリティ障害とのボーダーラインとは
パーソナリティ障害
属する文化から期待されるものから著しく偏った内的経験や行動が持続的にみられるもの
ー
自己愛性パーソナリティ障害とは
自分は特別という意識を極端に強く持っており自分が活躍する夢を誇大妄想的に抱いているタイプ
→誇大性、賞賛されたい欲求、共感性の欠如
ー
9つの特徴 ーDSM ー95p
→5つ以上あてはまる人はそういない
→誰もがもっているともいえる
:でもいるな、と。
ー
自分は特別といった意識故に、根拠のない優越感をもっており、自分の成功のためには平気で他人を利用
自分は特別だから何でも許される
自分勝手で鼻持ちならない人物
▶ カサブランカに見る社会化された生き方
アイデンティティ人間
精神分析学者小比木啓吾
ー
アイデンティティ人間とは
国家、社会、組織、正義など、自分を超えたものを自分に重ね、そうした自分を超えたもののために忠誠を尽くすことを生きがいとする人間
ー
映画、カサブランカ
レジデンス運動、自分自身の身の危険を冒してまでも自由のために闘うことによって自己愛わ満たす
▶ 自己愛人間とアイデンティティ人間の違い
自己愛人間
アイデンティティ人間のような社会化された自己愛の満たし方とは対照的にパーソナルな自己愛の満たし方
▶ 控えめ過ぎる人は自己愛が強い
自己愛が強くても傲慢とは無縁の人間もいる
人の反応に過敏なタイプ、人のご機嫌伺い
ー
自己愛の二つの側面
・誇大性
・過敏性
ー
過敏型の特徴 ー102
▶ 誇大型の自己愛者にありがちな発言
誰に対しても上から目線→誇大型の自己愛者
:誰もがもっている側面ではある
▶ なぜあの人は他人のミスを喜ぶのか
自分は特別という意味で自己愛が強い
ー
相手に対して何も貢献してないにも関わらず、優遇してくれないと拗ねたり、ふてくされたり、批判的なことを言う
:にて異なるものもある
ー
自分の言動が人を傷つけたり不快にさせていることにまったく気づかないほど鈍感であるにも関わらず、人から言われたことには過敏
▶ 人の目ばかり気にする人は自分を好きな人
★過敏な感受性で人の言動を受け止めるため、相手はとくに何の意図もない何気ない態度や言葉にさえ評価的な意味合いを感じ取る
:たしかにこの傾向が強い人は思い当たる
ー
自己卑下的、ときには被害妄想
▶ 日本特有のマゾヒズム型自己愛とは
日本社会特有の自己愛の満たし方 ー小比木啓吾
[]モラトリアム社会のナルシスたち
ー
自分の自己愛の大切さを主張し、権利を要求することによっては決して得られないような自己愛の満たし方
→マゾヒズム的に自分の業績を隠し、身を潜め、私の自己愛などどうでもいいというふうなポーズをとる
→それを周りがほめる
→逆に誇ると批判される
:旧世代的、ようは空読みということ
第三章 空気読み社会のジレンマ
▶ トイレで弁当を食べる大学生
友達のいない奴だと思われたくないがゆえの行動
→すでにそのように弱くて傷つきやすい若者が世にあふれていることも事実
ー
人の視線に脅える気持ちがそれだけ切実だということ
▶ 友達ができて悩む
友達ができずに悩む大学生が多い ー根拠に乏しい
うっかり変なことを言って変な奴と思われたら、がこわい
ー
:多様性のよさを知らないからそうなる
▶ 大学は中学生日記化している
こんな時代だからか、文科省から多くの大学が学生が大学生活になじむのを促進するための基礎ゼミのようなものを設定するようになった
ー
クラス担任制を導入する大学も
:どんだけ過保護だ…
▶ 対人距離失調症とヤマアラシ・ジレンマ
人間関係が苦手という人たちは、みんな人との距離の取り方が分からなくて悩んでいる
:自分が心地よい距離でいればよいだけ。それで離れていく人は放っておけばよい
ー
ヤマアラシ・ジレンマ状況 ーショーペンハウエル
対人距離失調症
▶ 近い関係ほど敵対しやすいのはなぜか
親密な感情を伴う二者関係はほとんどすべて拒絶し敵対するようなしこりを含んでいる ーフロイト
→近ければちかいほど克服しがたい反感が生じる
↓自己愛による説明
距離が近くなればなるほど、その相手が自己愛の対象となるため、相手と自分の些細な違いにも敏感になり、感受性の違いや価値観の違い、行動傾向の違い、趣味の違いなど、お互いの違いに対する寛容度合いが低下、攻撃性が生じる
▶ 農場とか牧場なら就職したい
人間と関わらずに一日を過ごせる仕事を探すのは、容易なことではない
▶ 対人不安がもたらす負のスパイラル
対人関係に自信のない若者が多いのが現代の特徴
→ゆえに企業はコミュニケーション能力を重視し始めたとも言える
ー
対人不安を抱える若者が多い
★対人不安とは?
自分が他者の目にどう映っているか、あるいはどのように予想されるかをめぐる葛藤によって生じる
→よくえるのは初対面時の不安
→これも誰にでもある
↓問題となるのは
このような対人不安が強すぎて、よく知らない人と会ったり、よく知らない人の集まりに出たりすることができなくなる場合
→人前でうまく振る舞える自信がない
▶ ブログを書くとストレスがなくなる
ネットが救いに
→反面、より対面が苦手に。ネット依存症を高めざるを得ない
ー
匿名でプライベートのことを公の場に。
書かずにいられない切迫した気持ち。
↑
▶ トラウマ的体験から自由になるには
自己開示
自分の思いを吐き出すこと
→健康増進効果
精神分析も一種。
ー
★自己開示の形
・話す
・筆記
[]自己開示の心理学的研究
▶ 電話嫌いでメール好きな人の心理構造
一方的につぶやくことは気楽な発散法
→だが、現実の対面場面で一方的に発散する人物ほど迷惑な人物はいない
ー
★人間関係には相互性が不可欠
ー
対面とネット上の関わりの違い
・相手が見えるか
・相手に見られるか
→つまり視線のやりとりがあるか?
ー
★臨場感
▶ メジャー化するアイデンティティ拡散
今時の大学生は、自分が就く仕事を心理テストできめる???
ー
アイデンティティ拡散状態
自分が分からない
アイデンティティ拡散 ー精神分析学者、エリクソン
ー
アイデンティティの確立状態をアイデンティティ拡散も含めて類型化したのがマーシア
→CIS
キャリア・アイデンティティ
・確立しているタイプ
・未確立のタイプ
↓
・アチーブド
・ストレート
・シーキング
・オープン ー137
▶ 占いを信じる人にありがちな傾向
変動の激しい時代には不安が高まり、何らかの指針を求める気持ちから占いが流行る
ー
若い人に流行る傾向
→若い人にどうしたらよいか分からず不安な心理が強いということなのだろう
▶ 鏡がないと自分の姿はわからない
心理学者ギャラップ
チンパンジーのいる部屋に鏡
→鏡の中に自分の姿を他者と見なしているかのような反応
ー
★自己像を理解するということは、他者がこちらを見るように自分自身を見ることである
→他者の眼差しを取り入れることだ
→できるようになるためには、他者に向ける自分の眼差しと自分に向けられる他者の眼差しのやりとりを十分に経験しておくことが重要である
▶ 自己像をを組み立てるのは他人である
自分がどんな性格かということも、他者からの反応を知ることによってつかんでいくことなのである
ー
他人の目に映ったものが自己である ー社会学者クーリー
→鏡映自己
ー
人からどうみられるかによって自己像が作られていく
→自己の希薄化が言われるようになるとともに自分がわからないという人々が増えてきた理由
★人間関係が希薄化すると、他人を鏡とする機会が少なくなる。
→ゆえに自分が分からなくなる
▶ 今のやさしさは昔とは違う
[]やさしさの精神病理
相手の気持ちに立ち入らない、お互いのプライバシーに踏み込まないことがやさしさという傾向、今日ますます顕著
▶ キャラを立てると楽になれる
キャラ作りという便利な装置
→相手ごとに場面ごとに判断をすることは面倒な作業
ー
[]近頃の若者はなぜダメなのか
女子高生といい、ニート君といい、ギャル男くんといい、ぶりっこさんといい、どうやら今の若者の間では、本当の自分を無防備にさらけ出す行為はタブーで、相手の表情や場の空気を読んで相手の望むキャラになることが、マナーや礼儀作法になっているようです
ー
自分のキャラに反する言葉は一切控えなければならないという窮屈さ
▶ キャラ変えしたくなるのはなぜか
キャラを演じていれば、いちいちその場の空気を読んで自分の調整をする気苦労から解放される
→ところが、その便利きわまりないキャラが自分を抑圧する装置にもなっている
ー
人間は多面的な存在
ー
キャラを演じるということが疲れてくる
→キャラ変えしたい
▶ 即レス症候群が抱えるデリケートさ
現代の若者にとっての親しさとは何か?
ー
そもそも生きるということには、演技するという側面がある
→問題はそうした演技としての対人行動の中に本音が入り込みにくくなっていることにある
▶ 空気を読まなくてはならないという呪縛
すべては空気を読むという一点に収束していく
→キャラを演じ、キャラに縛られ、親しさを演じ、本音を抑える
▶ 理不尽な意思決定が行われる背景とは
[]空気の研究
われわれは常に論理的判断の基準と、空気的判断の基準という、一種の二重基準のもとに生きているわけである。
そして、われわれが通常口にするのは論理的判断の基準だが、本当の決断の基本となっているのは空気が許さないという空気的判断の基準である
→したがって理屈に合わないおかしな意志決定が空気によって行われることも珍しくない
ー
★無責任な国民性、察しの文化が根付いてしまっている
▶ 鏡映自己を持てない時代のジレンマ
親しい間柄でも、ホンネの交流がしにくいということは、ホンネのコメントを返してくれる鏡を持たないということ
第四章 目線に敏感な日本人
▶ お客に説教するアルバイター
友達関係にすら空気を読むなどといって、気を使うのに、なぜお客相手に気を使うことができないのか
▶ 相手の立場に立てない人の心性
人間は誰でも自分の視点からしか世界を見ることができない
→★だが、そこに開き直ったら、人と分かり合うことはできない
→そこで、想像力によって自他の視点の溝を埋めようと努力するのである
ー
★相手の視点に想像力を働かすこと
まずは他人に興味を持つこと
ー
他人からの視点を気にするのは、あくまで自分自身への関心
自己愛の視点を相手を通して自分に向けているにすぎない
↓今特に求められているのは
自己中心的性を向け出してもっと他人に関心を向けること
▶ 謙虚な人は甘えている
明治大正史 世相篇
東京人の目つきが険しくなってきたことを言及
ー甘えの構造
対人恐怖
[]人と人の間
▶ 視線恐怖に潜むものとは
人前にでると視線が気になり、極度の緊張感に襲われるため、人前にでることを恐れる
ー
私たちの自己は相手から独立したものではなく、相手との相互依存に基づくものであり、間柄により、形が変わる
▶ なぜカウンター席はリラックスするのか
日本人は普段適度に視線を外しながら人とはなしている
私たちは視線をあわせずにはなすことに何の抵抗もない
むしろ向き合うことに圧迫感を感じる
[]まなざしの人間関係
▶ 人間とは人間関係のことである
[]人間の学としての倫理学
人の間、人間関係を意味する言葉を、誤って人の意味に使うようになった
ー
日本人にとって人間は社会であり、個人なのだ ー和辻哲郎 ー173
ー
私たちは個として存在するのではなく、人の間として存在するのである ー木村敏
▶ お客様は身内か他人か
[]タテ社会の人間関係
縦社会をキーワードに日本人的人間関係の世界を分析した文化人類学者、中根千枝
ウチの者とソトの者を区別する意識が強いのが日本の特徴
ー
ウチとソトを甘えという構造で分析
→精神医学者土井健郎
遠慮が必要となる人間関係を中間帯とすると、その内側には遠慮する必要のない身内の世界、その外側にはやはり遠慮をする必要のない他人の世界がある
身内の世界で無遠慮なのは、甘えが許され、他人の世界で無遠慮なのは甘えがないだけでなく、相手との心理的距離が無限大に遠くて意識する必要がないためと言える
身内でも他人でもない中間体では、遠慮をしながら、適度に甘えを出して心理的距離を縮めるなどして、非常に気を使った人間関係を経験することになる
ー
かつては客というのは大事な関わりのある相手として中間体として位置付けたものだが、今は客は他人の位置まで心理的距離が遠ざかった存在になってしまった
▶ 大人の権威はなぜ失墜したか
[]日本青年史
伝統が重んじられる社会では、古いことをよく知っており、前からの慣習に慣れている老人が社会の尊敬を受ける。新しいもの、見慣れないものは排斥され、古いことを知らない若者は軽蔑される
↓隔世の感があったが
今や青年の地位は大きく向上し、逆に老人は軽視
→メディアの影響
→大人の情報的優位性が失われた
▶ 年長者と若者のねじれ関係の元凶
年長者のアドバイスを煙たがる
→伝統や過去の経験よりも新しい技術への対応に価値がおかれる昨今の風潮
ー
甘えるのであれば、相手の親心による目線を受け入れることは前提
▶ 世間体の形骸化がもたらしたもの
もともと世間の目に映る自分の姿を気にすることによって自己規制を働かせるということが、日本文化における重要な行動規範であった
世間の人たちの視線を意識し、それに恥じない行動をとるというメカニズムによって、倫理観を内面化していく
→それを世間体の原理と言っていいだろう
ー
現代の若者にとって関心の対象は親しい友達くらいであって、他人が遠い存在になっているのであれば、他人の目を気にしない傾向が強まっているとしたら、それは世間体の原理がもはや機能しないということを意味する
ー
上から目線として攻撃的な反応にでやすいのも世間体に代わる自己規制の装置が確立されていないことも関係しているのではないか
▶ 間柄をつかむ、というハードル
心理学の世界でも相互に独立した個があるという欧米的な考え方に対して、日本は相互依存的な自己があるとされている
→そこで大事なのは相手と自分との間柄をつかむことだ
[]性格と人間関係
相手との間柄が決まらない限り、相手をどう呼ぶか、自分をどう呼ぶか、敬語を含めて言葉遣いをどうするのか決まらないのだ
→間柄がつかめないうちは、極力失礼のないような丁寧な話し方をしながらさぐりあうことになる
▶ 上司は得意だが先輩は苦手の心理メカニズム
良くも悪くも上から目線の立場で相手に接するのには慣れているが、相手の上から目線とうまく付き合っていくのになれていないということ
▶ 上から目線に立てない悩み
逆のパターン
上から目線に甘えて頼ることには慣れているが、目下の相手に対して自分が上から目線に立って、導く感じで接するというのが苦手
▶ 上下のコミュニケーションの原点とは
目上の人が苦手
後輩が苦手
という若者が目立つのはなぜか?
→近所の遊び集団の崩壊によって目上・目下関係を経験することなく育つじだいになったから
▶ 空き地のない都市がもたらしたもの
▶ 子どもの遊びの変化が社員寮を復活させた
人間関係の早期教育の必要性 ー著者、1990年代半ばから
→上述の危機感から
[]子どもに生きる力を!
→帯、人との関わり方なんか自然に身についてくる。そう考えて子育てしていたら、とりかえしのつかないことになりますよ!
ー
★ビジネスの先輩や人生の先輩による上からに慣れていくこと。そして、必要に応じて自分自身もよい意味で上から目線に立つことができるようになること。そのためには、いろんな視線のやりとりに慣れておくことが必要。
第五章 上から目線の正体
▶ 引きこもりは日本的現象
母性と父性のいずれが人々の行動原理としてより強く機能しているかによって母性社会と父性社会に分けられる
→日本は母性社会
ー
欧米は厳しい競争が求められる父性社会なのに対して日本は厳しい競争を排除した母性社会
ー
[]母性社会日本の病理
ひきこもり
ー
日本に飛び級はない。同じ年齢の子供たちは能力に関係なく同じ学年
→父性社会からは信じられない
ー
日本
★★会社で能力による選別評価がうまく機能しない
→温情が加わったり、個人が突出しないような配慮がなされるなど、純粋な能力評価よりも場の均衡の維持を優先させる傾向が強いからではないか
▶ 母性原理ではすべてよい子になる
父性社会→よい子だけが我が子
母性社会→我が子はすべてよい子
ー
母性社会は包含する
父性社会は切断する
ー
落ちこぼれがでない教育が重視される日本の教育風土も、集団の和を重んじる風潮も母性原理のなせるわざとみることができる
ー
日本の文化の底流に深く根づいている母性原理に父性原理をどのように調合していくかが、非常に深刻な課題
▶ 大学の成績は保護者の問題なのか
過保護の例 ー204
▶ 就職すら親がサポートする現状
過保護の例2 ー206
ー
子離れできない保護者と、その犠牲になって自分の力が培われないままに成人してしまった学生のカウンセリングこそが必要
▶ 学生をお客様扱いする大学
↑
日本、母性原理に父性原理を調合していくどころか逆行の兆候
▶ 父性原理は弱体化してきている
▶ 戸塚ヨットスクール事件から学んだこと
ここはノーコメント
ー
父性が欠如することで、子供たちを鍛える機能が家庭から失われる傾向がある
保護的な甘い環境で育つために逆境を生き抜く力の乏しい子どもや若者が増えてきた
↓戸塚ヨットスクールの事件から
父性と母性のバランスの問題に気づき、穏当な方法で若者を育てていく方向を模索しなければならなかった
▶ やさしさと弱さは接近している
現代のやさしい人
何もアドバイスはしてくれない。自分のせいにされるのを覚悟で助言したりしない。
→やさしい人には相談できないという人が増えている
→これはやさしさか?
→このやさしさは、弱い、容量の小さな人と置き換えでも意味が通じる
▶ オンリーワンの落とし穴
心のケアにとって大切なのは、悩み苦しんでいる人をそのまま丸ごと受容すること
→そのままの君でいいんだよというのが、心のケアの基本的なスタンス
→そのために、克服するよりも、開き直る風潮が広まってきてしまっている
↓
そのままの自分を受け入れることと、そのままでいいというのは同じではない
▶ 思慮の浅いやさしさと真のやさしさの違い
おわりに
目次
第一章 なぜ上から目線が気になるのか
▶ 上司の指導にも上からですね
▶ 部下のご機嫌伺いに潜むパーソナリティの構え
▶ アドバイスの構造的問題
▶ 人を見下す人物にありがちな傾向
▶ ジェスチャーの多い人がもつ不安
▶ 足の遅さが劣等感になる子は勉強にも自信がない
▶ 甘えが強い人は被害者意識を持ちやすい
▶ 逆ギレの裏にある欲求とは
▶ 自尊心とコンプレックスの相関性
▶ プライドが高いとはどういうことか
▶ 扱いに注意しないといけないとされる人は偽物のブランドを抱えている
▶ 上から目線には二種類ある
▶ なぜ店員に威張り散らすのか
▶ 人を上からにさせるものとは
▶ ウザイと思われる大人の特徴
▶ 直接的なアドバイスはなぜ響きにくいのか
▶ 横柄な人物に潜む自己防衛の構造
▶ 劣等コンプレックスを持つ上司の特徴
第二章 上からに陥りがちな心理構造
▶ 上下、勝ち負けでものを見る人びと
▶ 結婚願望が薄ければ平均初婚年齢は気にならない
▶ 比較意識が見下された不安を生む
▶ 同期の業績に一喜一憂しない方法
▶ 自己を成長させるのは他者
▶ 落ち込みやすい人は成長しにくい
▶ プロテウス的人間は生き残りに強い
▶ 正社員になりたくない派遣社員の目線の位置
▶ 上からになれば現実逃避できる
▶ フリーターに見られる3つの類型
▶ やりたいこと志向の人ほどやりたいことがない
▶ 根拠のない自信の正体とは何か
▶ いつまでも本気を出さない人と誇大自己
▶ あの人が自分探しばかりしているのはなぜか
▶ 自己愛の強い人物の傾向とは
▶ パーソナリティ障害とのボーダーラインとは
▶ カサブランカに見る社会化された生き方
▶ 自己愛人間とアイデンティティ人間の違い
▶ 控えめ過ぎる人は自己愛が強い
▶ 誇大型の自己愛者にありがちな発言
▶ なぜあの人は他人のミスを喜ぶのか
▶ 人の目ばかり気にする人は自分を好きな人
▶ 日本特有のマゾヒズム型自己愛とは
第三章 空気読み社会のジレンマ
▶ トイレで弁当を食べる大学生
▶ 友達ができて悩む
▶ 大学は中学生日記化している
▶ 対人距離失調症とヤマアラシ・ジレンマ
▶ 近い関係ほど敵対しやすいのはなぜか
▶ 農場とか牧場なら就職したい
▶ 対人不安がもたらす負のスパイラル
▶ ブログを書くとストレスがなくなる
▶ トラウマ的体験から自由になるには
▶ 電話嫌いでメール好きな人の心理構造
▶ メジャー化するアイデンティティ拡散
▶ 占いを信じる人にありがちな傾向
▶ 鏡がないと自分の姿はわからない
▶ 自己像をを組み立てるのは他人である
▶ 今のやさしさは昔とは違う
▶ キャラを立てると楽になれる
▶ キャラ変えしたくなるのはなぜか
▶ 即レス症候群が抱えるデリケートさ
▶ 空気を読まなくてはならないという呪縛
▶ 理不尽な意思決定が行われる背景とは
▶ 鏡映自己を持てない時代のジレンマ
第四章 目線に敏感な日本人
▶ お客に説教するアルバイター
▶ 相手の立場に立てない人の心性
▶ 謙虚な人は甘えている
▶ 視線恐怖に潜むものとは
▶ なぜカウンター席はリラックスするのか
▶ 人間とは人間関係のことである
▶ お客様は身内か他人か
▶ 大人の権威はなぜ失墜したか
▶ 年長者と若者のねじれ関係の元凶
▶ 世間体の形骸化がもたらしたもの
▶ 間柄をつかむ、というハードル
▶ 上司は得意だが先輩は苦手の心理メカニズム
▶ 上から目線に立てない悩み
▶ 上下のコミュニケーションの原点とは
▶ 空き地のない都市がもたらしたもの
▶ 子どもの遊びの変化が社員寮を復活させた
第五章 上から目線の正体
▶ 引きこもりは日本的現象
▶ 母性原理ではすべてよい子になる
▶ 大学の成績は保護者の問題なのか
▶ 就職すら親がサポートする現状
▶ 学生をお客様扱いする大学
▶ 父性原理は弱体化してきている
▶ 戸塚ヨットスクール事件から学んだこと
▶ やさしさと弱さは接近している
▶ オンリーワンの落とし穴
▶ 思慮の浅いやさしさと真のやさしさの違い
おわりに
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