とくに本著の内容でわたしが印象に残ったのは、羽生さんの(挑戦しないことに対する)リスクに対しての考え方です。
(タイトルの大局観に関する考え方ではなく、、、、)
それは例えば、以下のようなものです。
同じ戦法をとり続けることは最も安全なやり方のように思えるが長いスパンでは最もリスキー
今日勝つ確率が最も高い戦法は、三年も経てば完全に時代遅れになっているからだ
机上の研究をやり続けても、成果は限られてしまう
たとえ、新しい戦法が失敗を重ねても、その努力は三カ月後から一年後には成果となって現れるはずだ。もし一年を過ぎても成果が現れないようであれば、その戦法を諦める覚悟も必要になってくる
やみくもになってチャレンジすればいいというものではない
チャレンジの期間は、目安を決め、柔軟に対応するのが良いと思っている
これらは、とくに目から鱗ということではありません。
ですが、わたしは勝負の世界に生きるプロ棋士、羽生さんがいうからこその強い説得力を感じました。
終盤、尻すぼみな印象はありますが、自らを向上させるには挑戦し続けることだということが学べる良著だとわたしは思います。
以降はわたしの読書メモです。
はじめに
竜王戦、1988、読売新聞社が創設した棋戦
20081218
第二十一期竜王戦七番勝負
三連敗四連勝で敗戦
→不名誉だったが羽生さんの人生観にも変化を与えた
ー
大局観
木を見て森を見ず
部分だけしか見ず、全体を見ないの反対
ー
すぐに勝ち負けがはっきりするより、最後までギリギリ均衡が保たれている、どんな結果になるか分からない、そんな勝負が理想
ー
お互い一生懸命やれば意外性のあるドラマとなる
第一章 大局観
1.検証と反省
▶ 大局観とは何か
反省はするが、後悔はしない ー将棋界の言葉
確かに反省は必要だが、それが済めばいつまでもうじうじと後悔する必要はなく、その経験や体験を自分自身の実力をあげていく上で必要不可欠なプロセスとして受け止め、消化し、昇華させることが大切なのである
ー
★勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
幸運な勝利はあっても、不運な負けはない
→負けには何がしかの理由がある
↓
いったい何が負けの原因だったのか、きちんと検証し、反省する必要がある
ー
どんなに多くの時間と労力を使って努力しても、どんなに立派な理論や作戦を構築しても、自分自身が選択し、決断したことには、責任をとらなくてはならない
ー
現状と現実を、ひいき目にみるのではなく、あくまでも客観的に、中立的に冷静に、シビアに直観する必要がある
ー
体力や手を読むのは若手の方が上
大局観を使うといかに読まないかの心境になる
→将棋では年齢を重ねるごとに対局が強くなり進歩する
▶ 選択肢が多いことは、迷いにつながる
現代はデータが山のようにある。それらのうちのどれをどう活かすかという以前に、取捨すること自体が大変な作業になっている
→決断に不可欠な要素
ー
多くの可能性から一つを選択するのと、少ない可能性から一つを選択するのでは、どちらが後悔しやすいか
→前者
→いくつかの選択肢のうち自分が選ばなかったものの方がもしかしたらよかったのではないかという心理に起因
ー
正しくクールに決断することも重要だが、自信を持って後悔しない道を選択し、決断するのも大切ではないかと思う
前者は、理論・論理・セオリー
後者は感情・情緒
ー
すべてを合理的にはできないし、きっちり割り切れるわけではない
→適切なバランスをとれるかどうかの問題
2.感情のコントロールはどこまで必要か
▶ 将棋は読みと大局観のゲーム
読みとは?
ロジカルに考えて判断を積み上げ、戦略を見つける作業のこと
将棋では…相手の次の手を順をおって考えることで結果の可能性を探る
ー
一方の大局観
具体的な手順を考えるのではなく、文字通り、大局に立って考える
・複雑な状況で決断を下すときは、この大局観で無駄な読みを省略でき、正確性が高まり思考が速くなる
・未知の場面にも対応できるようになる
ー
・大局観は多くの経験から磨かれる。自分以外の人間の過去のケースをたくさんみることでも磨かれる
▶ 決断の速さが良いとは限らない
・人は誰でも経験を積んでたくさんのことを知れば知るほど最後の決断が難しくなってしまう
→迷いや恐れに繋がるため
→若いときは恐れを知らない
・真価が問われるのは自然に多くのことが見えるようになってきてから。
→ただ思慮深さは入っていないのではないかと感じている
★無理が通れば道理が引っ込む
例:将棋、感覚の方が研ぎ澄まされてしまうとそちらの方が楽で短時間に解決できるため、どうしても地道なロジックの組み立てと同じテンションでできなくなってしまう
→だから、あえて解けないような問題に取り組んでみて、様々な能力を同時に使わなくてはできないこともたまにやってみる
ー
将棋は結果も大切だが、それと同じくらい内容も重要
指す手はひとつだけの決断だが、水面下には膨大な思考
ー
★ひとつの局面を時間をかけて掘り下げていくことが、後々の血となり肉となる
▶ 鍛えの入った一手
奨励会で感じたこと
・今までと同じやり方では通用しない
・見通しが立たない状況の中でもがくことはとても大切
→スマートではないかもしれないがもがき続けて習得したものは忘れにくい、というより忘れられない
・自分の指したい手が指せない
→時間を掛けて考えなくては簡単にミスをしてしまう
ー
鍛えの入った一手
負けにくい一手のこと
ー
泣きの入った一手
勝負の厳しさを知ったシビアな一手のこと
→どちらも経験を重ねていくことで身につく
▶ 感情の起伏が生むエネルギー
日常の練習も対局中の決断には重要な要素
ニュートラルな決断をすることの大変さ
ー
基本的にものごとはなかなか自分が望んでいる通りにはならない
→特に将棋では相手に意表をつかれることさ日常茶飯事
→他力的な傾向もある。自分が一手をさすと相手にすべての選択権が移る
→★他力の状況を受け入れ諦めることが大切
3.リスクをとらないことが最大のリスク
▶ リスクをおかせ
★将棋の対局中、どのように考え次の決断を下しているか
1.直感
2.読み
3.大局観
ー
ただいつも同じ順番ではない
ー
将棋の世界は、リスクをとらなければ棋士の成長は止まってしまう
→羽生さんは新しい手を見つけたらメジャータイトルを含む実際の対局で試すようにしている
→練習で試すとすぐに対策が立てられてしまう
ー
新しい作戦をいきなり実戦でためすのはリスクがたかく、負けて一時的に勝率が下がることもあるのだが、本番で試すリスクをおかさないかぎりプロ棋士としての成長はない
ー
★今日勝つ確率が最も高い戦法は、三年も経てば完全に時代遅れになっているからだ
→同じ戦法をとり続けることは最も安全なやり方のように思えるが長いスパンでは最もリスキー
ー
★机上の研究をやり続けても、成果は限られてしまう
たとえ、新しい戦法が失敗を重ねても、その努力は三カ月後から一年後には成果となって現れるはずだ。もし一年を過ぎても成果が現れないようであれば、その戦法を諦める覚悟も必要になってくる
ー
★やみくもになってチャレンジすればいいというものではない
チャレンジの期間は、目安を決め、柔軟に対応するのが良いと思っている
▶ リスクに対する意識は年齢とともに変化
天気予報があたるようになったといっても100%ではない
現時点でリスクをとってうまくいっても次は成功するか分からない
→リスクをとることの難しさ
ー
千差万別のアプローチ
まず考えなくてはならないのが、対象となる世界
→万物は流転する
一方で今も昔も全く変わっていない保守的な世界もある
→あえてそのテンポに合わせることがときには必要なのではないか
ー
30歳くらいからの変化は穏やかになる
若いうちは怖いもの知らず、大胆にリスクをとる
→それにラッキーも重なると大きなことを成し遂げてしまったりする
ー
しかし人間というものは経験を積むに従って、だんだんとリスクの重大さに気づき、冒険を避けて同じような道筋を好むようになる
ー
リスクを回避して元気なころに戻ろうとしてもそれはとても難しい
→★リスクにきちんと正面から向き合い、リスクに伴う恐怖や不安に打ち克つことが、永続的にリスクをとり続ける王道
▶ 視野を広げてリスクを軽減
リスクと自動車のアクセルのようなもの
→運転の上手な人はアクセルを強く踏んでも決して事故は起こさない
→★それはどの程度のスピードまでなら自分で対応できるかをちゃんと知っていて、適切なタイミングでブレーキを踏んでいるからだと思う
ー
実際にリスクを負ってみなければ、その面白さは皮膚感覚として身につかない
ー
リスクをとる楽しさは一度覚えてしまうと、またとらずにはいられない一面がある
ー
大きなリスクをとるということはスピードを出している状況と同じで視野が狭くなる傾向がある
→逆に言えば視野を広げるとはリスクを軽減していると言える
ー
★着手をする前に四つの香車を確認しなさい ー将棋の言葉
→それらをみて確認すれば盤の全体をみることになり、見落としがちなうっかりミスが少なくなるというもの
ー
▶ リスクの取り方にもバランスが必要
リスクをとる
→車の運転に似ている
ー
乗っているクルマの性能も、運転手の技量も異なるわけだから、出せるスピードの限界(リスクの大きさ)は異なるものになる
→相手と同じスピードで走っていると自分がどれだけのスピードで走っているか分からなくなる
→ひとりだけゆっくり走っていると他人の迷惑になることも
ー
たくさんの対局を経験していくと手堅く安全にいこうという気持ちがどうしても自分のなかで習慣化してしまいがちなので、それを戒める意味でも、あえて意欲的で挑戦的なことをいって前向きな姿勢を示している
4.ミスについて
▶ 最も悩む局面が、最も面白い
待ったはできないが、将棋の大原則
待ったという発想は羽生さんにはない
ー
一手一手を自分の中ではベストと思って指している
結果的にそれがよい手であれ悪い手であれ、勝負というのはそういうものだと思っている
→この手を指して負けたと後悔したことはない
ー
パーフェクトなパフォーマンスは至難の業
ー
長考しても答えがでないことはある
★答えがわからない場面は、必ずでてくる。その時に何をするのか、どのように考えるのかが、とても大事なことなのである
ー
パーフェクトはない
こんなミスをした、この手は思いつかなかったを考えていかなければ、棋士としての成長はストップしてしまう
→まだまだやることがあるという思いを強く持っている
ー
上達して進歩するプロセスとはミスを徐々に少なくしていくことであると羽生善治さんは思っている
▶ なぜ正しい判断ができないのか
人はなぜミスをおかしてしまうのか?
ー
・最善の選択や決断が思い浮かばなくてミスをする
→実力不足なわけだから、より幅広い視野を持つよう努力し次回からは選択できるようにする
ー
・選択肢の一つとして正解があったにもかかわらず、結果としてミス
↓
1.状況認識を謝っているケース
現在の状況と、自分の状況認識の間に少しでもズレがあると、そこから導かれる決断にもズレ
2.感情や心境に左右されて正しい判断ができなかったケース
→状況が自分に有利なので楽観的になったり、厳密さに欠けてしまって、ベストな選択ができなかったケース
状況判断の時の感情や心境が決断に大きな影響を与えるのは間違いないこと
→冷静さを失いそうした感情のままに決断すればミスが増えてしまうが、そこにお茶を飲んで一息ついてからのワンクッションを入れてから決断すればむしろミスは減るような気がしている
ー
複数の選択肢を迷うケース
どちらを選んでもうまくいかなさそうな時は要注意
→なかなか決断ができない苦しい状況から一刻も早く抜け出したいという心境が生み出している錯覚であることが多い
▶ 過去に引きずられて判断を誤る
過去の経験や状況がミスを誘うこともある
隣の芝は青いではないが、人間は自分がしなかった選択が実際よりよく見えてしまう傾向
ー
★思い出を美化するのは洒落ているかもしれないが、自分が選ばなかった膨大な量の選択肢のほとんどは選ばなくてよかった選択肢のはずだ。
ー
情報があふれているため、私たちは後悔しやすい環境の中で生きている
▶ ミスをどうやってリカバリーするか
同じミスでもリカバリーが利くかどうかの差はとても大きい
ー
囲碁も将棋もどちらも価値の高い一手を探すことには変わりない
ー
大場よりも急場 ー囲碁の言葉
大場とは
二十目の価値がえるような将来性のあるきわめて高い場所のこと。
急場とは
石がぶつかっていて、局面の強い接衝のあるところ
大場よりも急場を優先しなくてはならないのは小さな場所でも相手との距離がとても近いので差し引きをする効果が大きいからのようだ
ー
将棋の勝負手
ほとんどがマイナスの手
もし相手がミスをすれば、そのマイナス分を相手に上乗せすることができるので、逆転したり、形勢の差を縮めてたりできる
ー
将棋は最後の詰めの場面が最も難しい
↓もしそこでミスをしてしまったら?
1.悔やんでも仕方がないので、それまでのことは全て無にして自分の将棋は次の一手から新たに始まると思うこと
2.忘れること ★
5.挑戦する勇気
▶ パリで出会った孤高の挑戦者
今北純一
[]孤高の挑戦者たち
シビアで現実的な世界であればあるほど、ゆとりやウィットが必要
▶ 現実を真正面から見据える勇気
言葉が通じないとき
★そんなときは、話している人の目を見れば良い。そうすれば、会話に参加していることになります
→本当に伝えたいことがえるなら、自分の目を相手にみてもらえば日本語ではなしても会話は成立するはずだ
↓
相手に正面から挑戦するときに何が一番大切なのかを示唆するもの
ー
相手を真正面から見ることは現実を見据えることになり、逃げることなく挑戦することを意味する
ー
他者から見られることは、物に変化してしまうことだ ーフランスの哲学者、サルトル
→物にならないためには、投企として、その眼差しを向け返すこと
ー
投企
自己の存在の可能性を未来に向かって投げ企てること
→挑戦に対する説明として最も有効
ー
自分が疑問に思ったことは、どんなに小さな問題でも解決しようとする姿勢が、今北さんが世界を舞台に挑戦を続けられる秘訣なのではないか
▶ 永遠のチャレンジャー、升田幸三
今まで指されなかった手 ー新手
ー
★新手一生 ー升田幸三
現在の将棋界では、新手ではなく、新手一勝、新手一階と言われている
→あっという間に研究されてしまうから
ー
ただ、情報収集や情報分析などでは、基本的に大きな差は生じないはずなので、あとはアイデアや個性を問われる比重が高まっているのではないかと羽生善治さんは思う、と
第二章 練習と集中力
1集中力とは何か
▶ 好きなことに集中する
大局観
全体を見渡す、上空から眺めて全体像がどうなっているかを見ること
空から地形を見て行き方を瞬時に把握すること
ー
道順は分かってもどのくらいのペースでいくかなどは、地上に降りて確認しなくてはならない
→★直感や読みという作業になる
ー
特に判断するときに集中力は、どんなことをするにしても必要不可欠なポイントとなる
ー
集中には助走期間が必要
いくら深く考えても結論が出ない場面、答えが分からない局面
→★いかに見切るかに意識を切り替える
切り替えるタイミングはケースバイケース
ー
集中力は先天的に誰にでもある
→子供、遊びの中に
ー
好きなことを続けたり、練習や経験を積み重ねることによって、より深く、より長くものごとに集中することが可能になる
▶ 目隠し将棋で集中力を鍛える
★集中に必要なのはモチベーション
やる気のない中で集中を作り出すのは至難の業
ー
時を忘れて勉強するができたらそれが理想
ー
★時間の間隔が残っているときは、浅い集中
ー
忘我の時間とはなにか?
物理的な時間と体感的な時間は全く異なるものだが、どちらも集中力には深く関係
ー
集中力をより深くする方法
可視化が難しいテーマについて考えること
手数の長い問題を考える
目隠し将棋
▶ 集中力を高める三つのトレーニング方法
1. なにも考えない時間をもつこと
2. 一つのことをじっくり考えることに慣れること
→人は慣れないことをするときには疲れやすい
★自分にとって不慣れなテーマを選んで掘り下げ、それについて慣れたと思ったらやめて次のテーマを探す
3. 時間と手間のかかることに取り組むこと
例:長編小説を読む
ー
★さまざまなテーマについて集中する経験を積み上げていくと、それに慣れるペースも早くなっていき全体像を思い描くことも容易になっていく
2逆境を楽しむこと
▶ 緊張はよいパフォーマンスを生む
人間はどんな状態で最もよいパフォーマンスを発揮できるか?
→リラックスして落ち着いて楽しんでいる状態
↑↓
プレッシャーを感じると人間の力はそがれてしまうのか?
緊張して体が強ばるのはベストではないが最悪でもないようだ
ー
最も悪いのはモチベーションがわかずやる気になれない状態
:まさに…
▶ モチベーションの高さが才能を開花させる
モチベーションは人為的にコントロールするのが難しい
維持も容易ではない
ー
人間は機械ではないので一つの仕事や練習をオーダーしてもそこから生み出されるものは千差万別
→向上する方向でもやる気のない逆向きの方向でも制限をされるものではない
ー
★能力開発の最初のステップはモチベーションをあげることではないか?
▶ 目標設定のキーワードはブレイクスルー
目標の作り方によってはまったく異なった展開が予想されるわけで、その線引きが目標の意味や価値を決めるといっても過言ではない
→何を基準にすべきか?
→★ブレイクスルー
ー
まだ届いていない領域を目指すこと
次なるステージを目標とすること
例:アポロ計画
3毎日の練習がもたらす効果
▶ 続けることは偉大な才能である
↑
アマチュア初段から四段になるには何が必要か?
とにかく毎日練習を続けることが肝心
ー
着実に練習を続けていくためにはモチベーションを保ち続けなくてはならない
→★大事な要素は意外性
例:世代間の違いを知ること
ー
毎日、黙々と練習を積み重ねていくとどうしても決まりきった枠組みのなかに入り込んで煮詰まってしまう
▶ 慣れによって余裕が生まれる
慣れてくることで疲れなくなる、次にすることに負担が小さくなる
→余裕をもって取り組めるようになる
→応用の幅も広がる
例:自転車に乗れるようになること
ー
ものごとを言語化して説明できるようになるには、対象に対する深い理解と洞察が必要
▶ 詰将棋を日常のトレーニングとして使う
詰め将棋
この問題はこの公式を使えば答えに到達できるという近道や最短コースがわかるようになってくる
ー
ひとつのパターン化であり体系化
ー
手順の美しさと構想力に感動
→問題に挑戦を続ける大きな原動力に
▶ 一流になるために必要な反復練習
基本や基礎をしっかりと固めるためにはとにかくある一定のまとまった時間を費やさなくては身につかないしそこから大きな進歩も考えられない
ー
停滞期に入ったらどうするか?
・量によって乗り越える方法
とにかく時間を使い、繰り返し繰り返し、練習を重ねてレベルアップして突き抜ける
・質について見直す
メソッドを変えることにより現状を打破、ブレイクスルーを起こす
ー
練習の意味
→安心を買うということもある
ー
どんどん忘れた方がいいが、重要なことを忘れてしまうのは深刻なこと
→練習を続けることで未然に防げる
4教えることについて
▶ 師匠に教えてもらう前に自分で考える
弟子が四段に昇格して、公式戦で師匠と対局して勝つ ー恩返し
ー
将棋に関して、師匠が弟子に、ああしなさい、こうしなさいと言うことはほとんどない。
これは、自分で苦労して自分なりの方法を見つけなさいという無言の教え
また、師匠のカラーがうつってしまって乗り越えることが難しくなる
ー
勝負の世界では自分で決断をして局面を打開し、全責任を負わなくてはならない
だからこそ、あまり師匠に依存するのは好ましくない
▶ ネットの発達によって地域格差がなくなった
奨励会に入った後もカリキュラムは特にない
十代、二十代前半の時期に規則正しく着実に練習を続けるのは容易なことではない
ー
ネットによるフラット化、地域差がなくなりつつある
▶ コーチングのこつ
★将棋を教える際に肝心なことは、教わる側は何がわかっていないかを、教える側が素早く察知すること
ー
人間は自分でわかっていることに関しては手早くポイントだけ伝えてたくさんの説明を省略しがち
自分が理解した時点まで戻って説明することが必要
ー
教わる側が積極的に質問することも必要
5繰り返しの大切さ
▶ 営々と繰り返されてきた伝統芸能の真髄
何かに上達したいなら繰り返しが重要
基本を覚えた後も。
ー
大橋流という駒の並べ方
→身も心も引き締まり緊張感も高まる気がする
▶ 偉大なる繰り返しの実践者、加藤一二三
信念を貫き、楽な道を選ばないことが、自分のスタイルを崩さないための数少ない方法のひとつなのではないか
▶ 詰将棋にコツコツ取り組み頭脳を強化
複雑な問題は複雑な構成になっているので自分の死角や盲点ははっきりしない
やはり基本の繰り返しが重要である
第三章 負けること
1負けについて
▶ 負けと諦め
勝負をしていれば、勝つときもあれば負けるときもある
古今東西の歴史を振り返ってみても、ずっと勝ち続けた人や国は皆無
勝負を続けていれば、負けは避けては通れない
ー
★結局、負けたくなければ、勝負をしないこと
ー
将棋界、負けは投了
終わりの一手詰めまで指すのは相手を信用していないことにもなる
見苦しい
ー
最後まであきらめずに頑張らなくてはいけないという考え方もあるが、結果が明白になり、それが動かなければ、投了でよいと思っている
▶ 負けるには理由がある
どの局面で、どれくらいの差があれば絶望的であるか
ー
散り際の美学
ー
次につなげる敗北
敗北によって受けたダメージを次に残さないという意味合い
ー
負けた原因を探ることによって問題点や弱点、修正点などが鮮明になるということもある
改善点はひとつひとつ変えていくしかない
▶ 負けは変化のきっかけになる
2003-2004、負けがこんで一冠に。
ー
自分の感覚や将棋観に相容れない戦法の流行
自分が対応できなかった
ー
自分なりのスタイルをどう貫き、新たなスタイルを作り上げていく必要性
ー
こうした反省をしないと同じ間違いを何度も繰り返してしまう
ー
棋士にとって大切な資質
打たれ強さ
負けたとしても、また立ち上がって前進しなければならない
ー
負けたとしても受け止めるのではなく、受け流す図々しさも必要ではないか
鈍感力
ー
負けているときは変化をしやすい
→負け方は大事
2記憶とは何か
▶ 記憶力を鍛えるリズムやテンポの連動
まず型を覚える
攻め方の手順、受けの手順
音楽でいえば、テンポやリズム
ー
局面を決定的にする好手や妙手、分岐点となる場面は歌のサビ
▶ 法則性のないものは記憶しにくい
子供との対局の経験
ー
ある種の法則性や規則性、周期性のあるものは記憶しやすいが、そこから少し外れているものは記憶力するのが難しい
▶ 正確に記憶できなくても悲観することはない
認知心理学、マジカルナンバー7
心理学者、ジョージ・ミラー、短期記憶7±2
ー
瞬間的に覚えていられるランダムな事柄は七つくらいが限界らしい
ー
ヘルマン・エビングハウスの忘却曲線
ー
切り捨てられた枝に対して、全体から見た位置付けや意義、価値などを知っておくことが、記憶をよみかえらせるヒントになる
ー
記憶は時系列で並んでいるわけではないから、ノートを残したり、記録を残したり、書物を残すのはとても貴重な整理法
ー
[]動的平衡
多少のことは忘れても、それも当然
3検索について
▶ 過去の棋譜が一瞬で手に入る
Google
検索された知識を、創造性や適応力、すなわち智恵につなげるにはどうしたらよいか
▶ 有益な情報を抽出するためのプロセス
路線検索の話
検索をしているうちに少しづつ違うルートの可能性についても考えるようになった
ー
膨大な情報にフィルターをかける方法を学んでいく
珈琲豆から珈琲を入れるのに似る
▶ 新しい温故知新の方法
検索結果がすべて正しいという錯覚
検索に依存することで逆に自分の可能性を小さくしてしまわないかという懸念
選んでいるのと同時に、たくさんのことを排除していて、ユニークなこと、変わったことを考えたり、試したりする機会が減ってしまうのではないか
4知識とは
▶ 情報と知識の洪水のなかで
大局観では終わりの局面をイメージする
最後にこうなるのではないかという仮定をつくり、そこに論理を合わせていく
ー
簡単に言えば、★勝ちを想像する
ー
吉増剛造
日本語のような巨大な構築物の全体をとらえることは難しいが、それをすり抜けることは可能ではないか
▶ 情報は生鮮食品と同じ
ほぼ無限の情報にどう対峙すればよいか?
★取捨選択すること
→大胆にたくさんの選択肢を捨ててしまったほうがよい
★知識は実際に活用することによって初めて意義を持つ
▶ 情報や知識はしばしば創造に干渉する
★情報化社会を上手に生き抜いていく方法は、供給サイドに軸足をおくこと
→情報を食べてばかりいると、ふと気づいたときに情報メタボになっている
ー
必要な情報・知識というのは日々刻々と変わっていくものだから、大胆に捨ててしまい必要なタイミングで拾い上げればよい
→それをもとにして、新たな創造、供給側にまわる
ー
気をつけること
情報や知識は創造にしばしば干渉をする
→先入観や思い込み
→アイデアが浮かばなくなる
5直感について
▶ 研鑽を積んだ者のみにある直感
木村義雄
ひとにらみ二千手
将棋、ひとつの局面で平均八十通り
ー
直感とは、数多くの選択肢から適当に選んでいるのではなく、自分自身が今までに積み上げてきた蓄積の中から経験則によって選択している
↓
★研鑽を積んだ者でなくては直感は動かないはず
▶ 棋士の直感は感想戦で磨かれる
経験を積む以外の直感を磨く方法
↓
自分のとった行動、行った選択を、きちんと冷静に検証すること
ー
将棋の感想戦
自分の直感が正しかったのか、そうでなかったのか見えてくる
▶ 直感と閃きの違い
直感が正しくても選択できないときがある
↓
直感を検証するときの思考プロセスに問題
ー
直感の中に最善手がないときもある
→なんらかの盲点、死角
ー
直感と閃きの違い
池谷裕二
★きちんと論理立てして説明できるのが直感で、なんだか分からないがこの方がよいと考えるのが閃き
閃きはハイリスク・ハイリターン
ー
閃きも直感もあまり過信せずひとつのツールとして上手に使いこなすことこそが肝要
6確率について
▶ 振り駒は本当に公平か
真鍋一男
ー
過去の統計
それはそれまでのデータであって、これから先を反映しているものではない
本当に参考になるサンプル数に到達しているかという疑問もある
▶ サンプリングの謎
正規分布の話
ー
しかし常に分布図の端、つまりマイノリティになる存在もある
いわゆるニッチ
→メジャーは介入しにくい。だからここを最優先、最重要すれば、ビジネスとしては充分に成り立つ
ー
確率で大部分についてわかる。しかし、すべてではない。
7今にわかる
▶ 端歩で意表を突いた坂田三吉
▶ 自由闊達な精神が、非常識を常識に変える
平成の時代
今までの定跡だけにこだわらず、さまざまな可能性にチャレンジする棋士が増えてきた
ー
今に分かる
言葉の重さ、味わい
第四章 運・不運の捉え方
1運について
▶ ツキには人を魅了する魔力がある
松下幸之助
きみは自分にツキがあると思うか?とよく聞いていたそう
→はい、と答えればこそから付き合いが始まる
ー
今まではツキがありましたと答えると
じゃあ、これからはどうなんだ?
きっとこれからもツキがあるはずです
を期待
ー
確信をもって自分はツイていると答えるには、かなりの自信と決断が必要
ー
将棋界、指運
ー
ツキについて言えること
ツキには多くの人を魅了し、揺さぶり、惹きつける普遍的な要素がある
→ツキについて考えたり、試したり、関わったりすることは、とても楽しく、面白いこと
▶ ツキには月の満ち欠け
ツキの二種類
1. ゼロサムゲームのツキ
→勝負の世界はその典型
2. どこまでも無限に、無尽蔵に増えていくツキ
ー
得体の知れないツキ
どのようなアプローチがあるだろうか?
1. ツイているときはできるだけそのツキを維持、継続
2. ツイている人物や組織のやり方を真似すること
▶ 運を落とさない
ツキを得るのは難しいが、ツキを失うのはいたって簡単
人道に反することをすれば、容易に状況は悪くなるはずである
ー
人間における勝負の研究
うまくキセルする方法は知っていたが、それをするとツキが落ちるのではとしなかった
ー
★悪事を犯さないまでも、どんなに小さい事でも本人が罪悪感をもつならば、ツキを失う可能性があるのではないか
ー不運のすすめ
惜福
幸運がきたならば、それをすべて使い切らず、次に残しておくような行動
▶ 強靭な心が究極の幸運をもたらす
はたから見ればいつもラッキーに見える人でも、実はさまざまなケースに備えているのではないか
ー
人間の究極の強さとは、ツキを超越している
ツキを頼りにするのは自分自身への信頼が揺らぎ、心が弱くなっている証拠ともいえる
2ゲンを担ぐか
▶ 担ぎ始めたらキリがない
羽生さんは担がない
→担ぎ始めるときりがないから
ー
人がゲンを担ぐのは、自分のことよりも、むしろ他人のことの方が気になるという心理からかもしれない
▶ ネガティブなイメージのジンクス
ジンクスにとらわれる必要はない
→単なる思い過ごしも多いから
後から起こった事実と結びつける必要もない
▶ ゲン担ぎは日々の生活のスパイス程度に
何でもかんでも担いでいたら、がんじがらめになって身動きが取れない
ー
かといってゲンやジンクスがないのも味気ない
↓
日々の生活のスパイスとしてほんの少し残しておく
あとは気にしない
3スターの資質
▶ 永遠のビッグスター、長嶋茂雄と手塚治虫
長嶋茂雄
これぞスターだ、と思えたこと
★裏表がないこと
▶ ネガティブなカリスマとポジティブなカリスマ
庶民的で親しみやすいというのは、カリスマのひとつのタイプ
カリスマを支えるには謎の多さもある
時代の大きな潮流にのるのもカリスマ
4所有について
▶ 映画アバターが教えてくれたこと
人間の欲には際限がなく、それを満たすためにさまざまなものが大量生産、大量消費される
ー
アバター
エネルギーは借り物でいつかかえさなればならない
↓
管理責任をもてないものは所有しないほうがいい
↓
自分が責任をもって管理できる範囲の所有に留めることが適切な所有ではないか
▶ 肝心なのは流動性を上げること
モノをたくさん手放せば手放すほど、加速をつけて新たなモノが入ってくる
↓
よいこと
流動性が高いということだから。
↓
消化できているかどうかが、手放す際のポイント
▶ 探しものは何ですか?
所有について考える
→いつのまにかモノの方が主になっていて、所有者である自分が従の立場になっていることに気づいたりするものだ
第五章
回想
1勝利の前進
▶ 少しづつでも着実に前に進むこと
▶ プロとアマチュアの意識の違い
遠くから富士山を眺めているときには山頂がよく見えるのに、実際に登り始めると山頂が見えなくなる
ー
プロの世界はマラソンのような世界
ー
とりあえず今できることからやっていく
▶ 真面目とはどういうことか
真面目の語源の話
柳は緑、花は紅、真面目
表面的なことにとどまらない本質的な意味を知る、理解する
ー
ものごとの奥深くにある場所まで到達するためには真面目な態度でなくてはならない
▶ 積み上げるのは簡単でも、捨て去るのは難しい
ハチワンダイバー
深く集中して考えることは、深い海に潜ることに似る
ー
無欲の勝利という言葉があるが、それよりも、自我そのものをなくした無我の境地のほうがよい結果をもたらすかもしれない
→真面目に増やすのは簡単、真面目に減らすのは難しい
2将棋とチェスの比較
▶ 将棋とチェスは兄弟
似ている
1. 類似する三つの駒
王、飛車、角行
キング、ルーク、ビショップ
2. 盤
3. 駒の数
4. 戦い方
5. 戦術の変遷
3コンピュータと将棋
▶ プロ棋士に初めて勝ったコンピュータ将棋
2010
清水市代女流王将とあから2010
あからが勝利した
▶ 機械と人間の決定的な違いとは
コンピューター
基本的に可能性のあらゆる手をすべて読んで最善手を打つ
→膨大な計算をし、精度をあげていく
ー
人間
将棋の実力が上がっていくほどに考える手は少なくなっていく
ー
人間とコンピューターは反対の方向へ
ー
現時点ではコンピューターの差し方には人間が指しているときとは明確な違和感
▶ コンピュータ将棋で育った第一世代と、どう戦うか
4逆転について
▶ ゲームを面白くする大逆転の可能性
▶ 絶好機すぎるとミスが出る
▶ 泥臭く粘れるのは若さの特権
5ブラック・スワン
▶ 実戦では十手先を読むのも難しい
▶ 水面下で起きていることを注視し、先を読む目を養う
▶ 予測し得ない事象には野生のカンで立ち向かう
6格言から学ぶこと
▶ 玉の原則を変えた藤井システム
▶ 昔からの知恵の集積
7世代について
▶ 同世代の強豪
▶ 年齢差はあっても勝負の世界では同じ土俵の上
▶ 層の厚みが個々の力になる
▶ 将棋の質が変わっても棋士の志は不変
はじめに
第一章 大局観
1 検証と反省
▶ 大局観とは何か
▶ 選択肢が多いことは、迷いにつながる
2 感情のコントロールはどこまで必要か
▶ 将棋は読みと大局観のゲーム
▶ 決断の速さが良いとは限らない
▶ 鍛えの入った一手
▶ 感情の起伏が生むエネルギー
3 リスクを取らないことは最大のリスクである
▶ リスクをおかせ
▶ リスクに対する意識は年齢とともに変化
▶ 視野を広げてリスクを軽減
▶ リスクのとり方にもバランスが必要
4 ミスについて
▶ 最も悩む局面が、最も面白い
▶ なぜ正しい判断ができないのか
▶ 過去に引きずられて判断を誤る
▶ ミスをどうやってリカバリーするか
5 挑戦する勇気
▶ パリで出会った孤高の挑戦者
▶ 現実を真正面から見据える勇気
▶ 永遠のチャレンジャー、升田幸三
第二章 練習と集中力
1集中力とは何か
▶ 好きなことに集中する
▶ 目隠し将棋で集中力を鍛える
▶ 集中力を高める三つのトレーニング方法
2逆境を楽しむこと
▶ 緊張はよいパフォーマンスを生む
▶ モチベーションの高さが才能を開花させる
▶ 目標設定のキーワードはブレイクスルー
3毎日の練習がもたらす効果
▶ 続けることは偉大な才能である
▶ 慣れによって余裕が生まれる
▶ 詰将棋を日常のトレーニングとして使う
▶ 一流になるために必要な反復練習
4教えることについて
▶ 師匠に教えてもらう前に自分で考える
▶ ネットの発達によって地域格差がなくなった
▶ コーチングのこつ
5繰り返しの大切さ
▶ 営々と繰り返されてきた伝統芸能の真髄
▶ 偉大なる繰り返しの実践者、加藤一二三
▶ 詰将棋にコツコツ取り組み頭脳を強化
第三章 負けること
1負けについて
▶ 負けと諦め
▶ 負けるには理由がある
▶ 負けは変化のきっかけになる
2記憶とは何か
▶ 記憶力を鍛えるリズムやテンポの連動
▶ 法則性のないものは記憶しにくい
▶ 正確に記憶できなくても悲観することはない
3検索について
▶ 過去の棋譜が一瞬で手に入る
▶ 有益な情報を抽出するためのプロセス
▶ 新しい温故知新の方法
4知識とは
▶ 情報と知識の洪水のなかで
▶ 情報は生鮮食品と同じ
▶ 情報や知識はしばしば創造に干渉する
5直感について
▶ 研鑽を積んだ者のみにある直感
▶ 棋士の直感は感想戦で磨かれる
▶ 直感と閃きの違い
6確率について
▶ 振り駒は本当に公平か
▶ サンプリングの謎
7今にわかる
▶ 端歩で意表を突いた坂田三吉
▶ 自由闊達な精神が、非常識を常識に変える
第四章 運・不運の捉え方
1運について
▶ ツキには人を魅了する魔力がある
▶ ツキには月の満ち欠け
▶ 運を落とさない
▶ 強靭な心が究極の幸運をもたらす
2ゲンを担ぐか
▶ 担ぎ始めたらキリがない
▶ ネガティブなイメージのジンクス
▶ ゲン担ぎは日々の生活のスパイス程度に
3スターの資質
▶ 永遠のビッグスター、長嶋茂雄と手塚治虫
▶ ネガティブなカリスマとポジティブなカリスマ
4所有について
▶ 映画アバターが教えてくれたこと
▶ 肝心なのは流動性を上げること
▶ 探しものは何ですか?
第五章
1勝利の前進
▶ 少しづつでも着実に前に進むこと
▶ プロとアマチュアの意識の違い
▶ 真面目とはどういうことか
▶ 積み上げるのは簡単でも、捨て去るのは難しい
2将棋とチェスの比較
▶ 将棋とチェスは兄弟
3コンピュータと将棋
▶ プロ棋士に初めて勝ったコンピュータ将棋
▶ 機械と人間の決定的な違いとは
▶ コンピュータ将棋で育った第一世代と、どう戦うか
4逆転について
▶ ゲームを面白くする大逆転の可能性
▶ 絶好機すぎるとミスが出る
▶ 泥臭く粘れるのは若さの特権
5ブラック・スワン
▶ 実戦では十手先を読むのも難しい
▶ 水面下で起きていることを注視し、先を読む目を養う
▶ 予測し得ない事象には野生のカンで立ち向かう
6格言から学ぶこと
▶ 玉の原則を変えた藤井システム
▶ 昔からの知恵の集積
7世代について
▶ 同世代の強豪
▶ 年齢差はあっても勝負の世界では同じ土俵の上
▶ 層の厚みが個々の力になる
▶ 将棋の質が変わっても棋士の志は不変
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