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”武器としての交渉思考 ”の読書メモ

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読了本の読書メモを少しづつ公開していこう( 2012 第二弾) - #garagekidztweetzで告知した読了本の読書メモを共有、 6 冊目です。
6 冊目は、「武器としての交渉思考 (星海社新書)」です。

ガイダンス なぜ、いま「交渉」について学ぶ必要があるのか?

京都大学で二十歳前後の学生に教えている「交渉の授業」
なぜ、交渉をわざわざ学生に教えているのか?
キーワード
「時代の変化」「仲間」「同盟」「革命」

▶ 「王様と家来モデル」の崩壊が始まっている

ディベート、「言葉のスポーツ」

時代の大きな変化
あらゆる組織における「王様と家来モデルの崩壊」

自衛隊の話 ー7
きちんと上司が部下に対してロジカルに意図を説明し、良好なコミュニケーションしないとれる関係を築く
→厳しい訓練や困難な災害救助活動にも立ち向かうことができる

▶ 「先輩のいうことは絶対」はもはや通用しない

Jリーグの話 ー9
考えたことをきちんと相手に伝えて、相手にも同意してもらう必要がある
きちんとチーム内で主張し、意見を合わせ、共通の目標に向かって合意することが優秀な選手になるために必須となってきている

▶ トップダウン型の組織は、時代の変化に対応できない

「上の偉い人が言うことに従っていればいい」という「王様と家来モデル」がピラミッド型組織の代表と思われているような自衛隊やJリーグのような組織においても、とっくの昔に終わっている

指揮系統がトップダウンの組織は、必然的に状況の変化に機敏に対応できなくなり、誤った方向に向かったとしても引き返せなくなる

▶ 大学の教授は、監督でありファンドマネージャー

太平洋戦争時に敗北した日本軍がまさにこのタイプの組織だった

イノベーティブな発見がうまれるのは若いスタッフが自由に研究を行っているところばかり
大学の研究室
大学や企業から研究資金を集めてきて、若手のスタッフがどんどん新しいことにチャレンジできる環境を整えるのが、教授の最も重要な仕事になってきている

企業のニーズ、学生・研究者のニーズ、研究室のニーズの三つをうまくマッチングさせて、バランスをとる
→ベンチャー企業に近い

▶ 私の授業では「正解」は教えない

サンデル教授と同様にいつも「答えのないもの」をテーマに扱っている

たとえば、「起業」

先生が常に正しいことを言っているというわけではない、という前提がクラス全員に共有されているので、私の考えが、ひょっとすると学生に論破されるかもしれない

授業中のTwitterをやることを全面的に認めている

「誰でもできること」に価値はありません。そして「誰でもできること」しかできない人材は、今の時代、確実に買いたたかれる運命にある★
→思考力、洞察力、想像力を育む大学教育に変えていかなくてはならない

▶ 教育の原点「ソクラテス・メソッド」

→対話形式の授業
上の立場の人間の考えを「押し付ける」ことでも、正解を「詰め込む」ことでもなく、相手から思考力や洞察力、想像力を「引き出す」ことこそが、教育本来の姿

ソクラテス・メソッドで授業を行っている代表的な教育機関
ロースクール
ビジネススクール

▶ ローマ法はなぜ生まれたのか?

↑具体的な姿
「自分たちで考え、自分たちで秩序を作り出す」行為
契約に基づく最初の法律
「パクタ・スント・セルヴァンダ」(合意は拘束する)
↓ルソー
社会契約論

▶ 自分たちの手で「新しい仕組みやルール」を作れ

社会の中で真に自由であるためには、自分で自分を拘束しなくてはならない
だから、何に拘束されるのはOKで、何に拘束されてはいけないのか、あくまで自分で決めなくてはいけない
→話し合いの相手と自分が合意した結果として拘束されるのであって、強制的に約束を守らされてはいけない
→その合意を作り出す手段こそが、「交渉」
合意に基づいた契約を行うこと

新しい仕組みやルールを作っていくために学ぶ必要がある

▶ 革命は「エスタブリッシュメント」の協力下で起こる

どの国のどの時代であろうと、社会が大きく変わるとき、その運動の中心を担うのは20-30歳代の人間

明治維新、アラブの春 ー27

ただし、見落としてはならないのは、必ず若者たちをバックアップするエスタブリッシュメント層(社会的な権威・権力を持つ人々)がいたということ

本当に世の中を動かそうと思うのであれば、いまの社会で権力や財力を握っている人たちを味方につけて彼らの協力を取り付けることが絶対に必要になってくる

▶ ジョブズ・ザッカーバーグを支援した「大人」たち

政治だけでなくビジネスの世界についても同じ

▶ こびるのではなく、投資の対象と見なされろ

「エスタブリッシュメントの支援を得る」ということは、ビジネスの世界で成功するためには、ほとんど必須といっていい条件
GREE、DeNA

楽天とlivedoorの比較 ー32
:なんだかなぁ、という話が続いている。理解できないわけではないが面白い話ではない。むしろパーソナルな時代になることをわたしは望む。

こびるのではなく、「将来見込みがある若者」として、彼らから「投資対象」と見なされる必要がある
34

▶ なぜ「異質なもの」と手をくむ必要があるのか?

交渉では、自分とはまったく考え方も立場も異なる「異質な人」と話し合い、合意を結ぶことが求められる

「仲間」という言葉が時代のキーワードにもなってきている
仲間探しの注意点
ひとつは、SNSのようにごく狭い関心領域でつながった友人の中にいると、どんどん自分の世界が「タコツボ化」(異文化との接触が断たれた状況になること)していくこと

▶ ゲイが多いからイノベーションは生まれる

自分と似た人間、同質な人間と出会っていても、大きな、「非連続的変化」は生み出されない
→常識では考えられないような飛躍的な変化

スタンフォード大学などでは、なぜ非連続的変化を生み出す人が定期的に生まれるのか?
国勢調査
「同性愛者」と「俳優や芸術家、デザイナーなどのクリエイティブな仕事に従事する人」が多い

ゲイ指数、ボヘミアン指数
フロリダ教授
ゲイやクリエイティブ層の人々は、一般的に美的センスに優れており、他者への寛容の気持ちや文化的開放性をより強くもっているために、多くの才能や人的資本を惹きつける
:あまり、ゲイ関係ないような…

▶ 「空気が読めない人」がマジョリティになる社会へ

日本も、これまでの小さな仲間内で回る社会から、異質なものと出会って大きく変化していく社会へと、ゆるやかに移り変わろうとしている感じ
→KYが流行った理由 ー40

いまの日本は、地縁や血縁や会社の社縁でつながった古いタイプの組織が瓦解して、新しい組織や新しいルールを自分たちで作っていく社会に変化していく、ちょうど入り口の段階にある

▶ 最大の敵をも仲間にすることで、世の中が大きく動く

自分と違う意見、自分よりもはるかに力のある人間と交渉して合意を結ぶことで、目的を達成できる

薩長同盟の例 ー43
二者が持っている力が大きければ大きいほど、その合意が生み出すパワーは大きくなる

▶ TAKE YOUR ACTION!

ジョージ・ソロスの話 ー45
母国の民主化
コピー機を配ったことが効果
→チラシやビラを配ることが難しかったから

日本社会にたくさんのゲリラが生まれることを支援したい
武器としての決断思考
ディベートの考え方を使って今の最善解
↓次の段階
この世の中に生まれた数十万人のゲリラ同士が、共通の目的のために手を結び、具体的なアクションを起こしていくこと
いまの日本に必要なのは、「21世紀の薩長同盟」的な、昔では考えられなかったような二者が結びつき、大きなパワーを生み出すこと

1時間目 大切なのは「ロマン」と「ソロバン」

▶ 私はずっと交渉してきた

契約法
違う立場の人間同士がどのように合意しわどのように拘束されるか?
→ルール化した「契約に関する法規範」
民法、商法、労働法

▶ 生活のあらゆるところに交渉がある

子供のお小遣い値上げ交渉から、企業間の商取引、国家間の外交まで
世の中で起きていることのほとんどは交渉

2人以上の人間が集まったら、必ず交渉の必要が出てくるわけです

会社で働くこと=交渉を行うこと、といっても過言ではない

▶ これから生き残る仕事は「交渉を伴うもの」だけ

いまのところ、どんな高性能のコンピューターでも代替し得ない仕事が交渉だから
→いつしかそれも代替されうるのではという疑問
↓できないとする著者の立場
交渉には「ロマン」と「ソロバン」という二つの側面があるから

▶ ロマンとソロバンを結びつけるのが交渉

ロマンとは?
人が抱く夢やビジョン、成し遂げたい未来の目標や野心
ソロバンとは?
ロマンを達成するために必要となる手間や労力、時間や金銭
→中でも特にお金

両方が不可欠

交渉とは
複数の人間が話し合い、合意を結ぶことで、「現実を動かしていくために行う
→哲学の論争や芸術の評価などとは異なる

最初には必ず「いまの状況を変えたい!」という誰かの思いがある
→すべての現実の変革は「初めにロマンありき」で始まる

複数の人が集まってひとつの目標に進むときには、大きなビジョン(ロマン)と、それを実現させるためのコスト計算(ソロバン)の両方が大切になる

コンピューターには主観がない
交渉は、前提となるルールそのものを変えていくゲームであるとも言える
ロマンを達成するために、自分と相手の利害関係やもろもろのコストを分析・計算し、ロジックを駆使して、互いに納得のいく合意をつくりだし、ときにはまったく違う切り口からクリエイティブな解決法を導き出して、新しい価値を生み出す

誰にでもできる仕事はそのかわりコンピューターに取って代わられる

これからの世界ではロマンとソロバンを結びつける交渉こそが人間がなすべきもっとも付加価値の高い仕事
:もっともは言い過ぎ、なぜならそのコンピューターを発達させることに心血を注ぐこともまた同様かそれ以上に重要だから

▶ 京大生が、がんばって集めた5万円

大きな仕事を成し遂げたいと思うならば、常に念頭にしておく
→はじめにロマンありき、ソロバンなくしてロマンの実現なし

京大生の話 ー71
→何ヶ月もかけて集まったお金がフツーにバイトするよりも少なかったという本末転倒
やる気だけが空回りしているNPOや、「自分たちがやっていることは新しい!」と思い込んで突っ走ってみたけれど、やってみた結果は赤字が残っただけでまったく何の意味もなかったという企業の新規事業プロジェクトは枚挙に暇がない

▶ なぜお金を儲けることが大切か?

わたしたちの生活に必要な物資は、そのほとんどを企業が生産し、提供しているので、お金と無縁で生活できる人はいません
すべての営利企業にとって非常に重要な目的
企業の存在理由は、社会に対してモノやサービスなど、何らかの「価値」を提供することで、その事業を継続するために、儲けを出すことが絶対に必要

企業にとっては、事業を通じて社会貢献と利潤を追求することは、必ず両立させなければならない目標となる

お金
資本主義社会でいきる上では、それが十分にあるかないかによって「自由の範囲」がかなり変わってきてしまう
恒産なければ、恒心なし
→経済的な安定がなければ、精神的に安定感することができない
お金がないとまずは生きるために目先のことしか考えられなくなるのは、今も昔も変わらない

▶ 学生時代にバイトはするな?!

お金があればあるほど人生の選択肢は広がる

貴重な学生時代に、飲食店などで時給800円の単純な接客バイトに時間を費やすのはもったいなさすぎる
→時間の安売り
:では、どうしろと?
→勉強しろ、と

▶ 儲けている企業に価値がある

お金が全くなければ、企業活動に必要な「人・モノ・情報」というリソースを集めることができません

お金儲けというのは、資本主義社会において、自分たちがやっている事業が人々に指示されているかどうかの大きな指標になるわけです
:純然たる資本主義ならね

▶ スタンフォード大学がなければ、シリコンバレーは生まれなかった

自分にとって当面必要となる以上のお金をもつことができれば、そのお金を使って他人の支援活動をすることができる
ビル・ゲイツを例 ー81
アメリカでは事業に成功して大金を得た人は、そのお金を社会に還元することが文化になっている
社会貢献や他人を支援するためには、絶対にお金が必要になる

▶ NPOだろうと「お金を集める能力」は必要

→交渉の力
お金が集まれば集まるほど、社会に新しい大きな価値をもたらすことができる可能性が高まります。だからこそ、人間社会ではお金を集めることが大切になる
大学の補助金の話 ー84
ルーム・トゥ・リードというNPOの話 ー86
→ジョン・リードのお金を集める能力がすごい

▶ 自分たちの都合ではなく、「相手のメリット」を考える

街頭募金活動、営業力を身につけてもらう研修の一環
→自分とまったく関係がない人に、お願いをして募金をしてもらう。営業としてこれほど高いハードルはないから

「いくらで何ができるか」を示すことは、大きな効果がある
具体的に「メリット」が実感できる提案にはお金を払ってくれる
→逆説的にいえば、どんなに素晴らしい夢や希望を語ったところで相手に対して具体的なメリットを提示できなければ人を動かすことは難しい

▶ How can you make money?

投資家という仕事

どんなベンチャーにだったら出資したいか?
そのベンチャーが世の中に送り出そうとしている商品やサービスが、いつか多くの人に必要とされる日がくるか(長期的なロマン)。また、事業がスタートしてから、きちんとビジネスとして回っていくか?(短期的なロマン)

ロマンは長期的で抽象的でもかまわない
むしろおおきすぎるぐらいのほうが魅力的かもしれない。しかし、ソロバンはできるだけ具体的で、短期的に結果が分かることが望ましい

アメリカの投資家の質問
How can you change the world?
How can you make money?
ちゃんと答えられること

面白いことをやっていれば、お金はあとからついてくるというセリフ。そう考える人は自分自身のロマンばかりに目がいって、他人のソロバンを軽視している

客が儲かれば、お金はあとからついてくる★
と考えるべき

▶ ブラック企業で働く人のほうが「満足度が高い」?

若い人はロマンが先行して、ソロバンをおろそかにしがち
むしろ、逆。ソロバンを優先してロマンをおろそかにすべき
→ロマンには夢というバイアスがかかりやすいため

心理的に「認知的不協和」をもたらしやすい
社会奉仕活動を報酬あり、なしで行ったそれぞれのグループ。社会的意義があると答えたのは、如実に無報酬で仕事にあたったグループの方
→意義があったと思いこむことで精神的にバランスをとっている
→ブラック企業に勤めている人の方が「仕事に対する満足度」が高かったりする ーソースがない★

▶ 夢や理念にこだわりすぎるな

→問題の本質から目を逸らさせてしまうことがよくある

一度、認知的不協和が生じてしまうと、明らかに間違った方向に進んでいたとしても、それを修正しようと考え、そして行動が生まれてこないことも、大きな問題
→典型的なのが喫煙者の例 ー96

2時間目 自分の立場ではなく、相手の「利害」に焦点を当てる

▶ 交渉はコミュニケーションのひとつ

よりそれを明確にするために、「交渉でないコミュニケーション」について考える
1. 「指令」
上位者が下位者に対して行動を命じることをさす
自分の自由には「意志決定」ができない
→王様と家来モデル
2. 「ディベート」
ある論件について二者が討議し、その結果について「第三者が決める」
→その時点の最善解を決めるのが決断思考
→しかし、決断思考にも限界がある

いくら自分自身で意志決定しても、多くの場合、その実現のためには、他者の同意が必要

そこで必要になるのが交渉

つまり、交渉では
「意志決定する人間が自分と相手の2人いる」こと、そして「その両者がくだす判断が同じ結論にならなければならない」ところが、「指令」とも「ディベート」ともまったく異なる点になる

▶ 意志決定権を持った相手の存在

交渉とは?
立場が異なる自由に意志決定できる二者が合意を目指してやり取りするコミュニケーション

交渉には意志決定権をもった相手が存在する

▶ 合理的な相手、非合理な相手

→二つを分ける
相手がどういう考え方をするかしらないと、そもそも交渉が成り立たない

相手がなぜその結論に達するかよく理解することの重要性

交渉のベースとなる基礎理論
経済学のオーソドックスな考え方に影響を受けている
→自己の利益を最大化しようとする合理的な個人同士の交渉
→ホモ・エコノミクス
(パレート最適、ゲーム理論→お互いの要望が最大化する均衡点があると考える)
↓それだけでは難しい
心理学や社会学、行動経済学の研究の影響を受けた交渉の応用理論

人間の利己的な側面、感情的な側面、両方にきちんと目配りをする

▶ 交渉に対する一般的イメージは、だいたい間違っている

実際の交渉は、ずっと深いコミュニケーションであり、相互理解が求められ、クリエイティブなもの★

練習問題 ー111
就活デモ
一番の問題点
いまの採用活動を改めよう、あるいは、よし、彼らを採用しようと思う理由が、企業側にまったくない
→デモでいくら自分たちの要望を主張したところで、企業側にそれを受け入れるだけの合理的な理由がない

相手側にいかにメリットのある提案ができるか★

交渉に関する誤解
×自分の立場を理解してもらう
○相手の立場(利害関係)を理解する
×僕が可哀想だからどうにかしてほしい
○あなたが得をするからこうするべき
116

▶ 就職試験では何を言うべきか?

本当の自分はこういう人です
本当はこういった理由で御社に入りたいんです
→言ってはいけない

企業側が求める視点で、自己紹介、そして志望動機をいう
自己紹介をするのは自分を理解してもらうためではなく、相手がほしくなる理由を提示するため★
この学生を採らなければ、うちの会社が損をするかもしれないな、と思わせる

▶ 交渉はオセロゲームに似ている

「オレンジをめぐる交渉」の例 ー118
→この問題は少しずるい、わざと情報を少なくしているから
オレンジの皮と中身を分けた
→要するに「2人が求めていたものが違っていた」

利害関係が一見、完全にぶつかっているように見える問題でも、相手と自分、双方の利害をよく分析してみると、うまく両者のニーズを満たす答えが出てくることがある

「どれだけ相手の主張を聞けるか」が交渉の勝負
冷静に分析することの重要性

交渉の誤解2.
×自分の主張をたくさん言ったほうが勝ち
○相手の主張をたくさん聞いたほうが勝ち

▶ 交渉はかならずしも奪い合いではない

限られたパイを分割するような交渉を考えるときは、「もしかしたらお互いが欲しがっているものは別のものではないか?」と考えてみると意外な解決策を、おもいつくことがある

オレンジ交渉の応用問題 ー122
相手側の利害とこちら側の利害が完全に対立していないかぎりは、双方の利害を増やせる落としどころを探してみるべき

交渉の誤解3.
×限られたパイを奪い合う
○パイという前提自体を見直してみる

▶ 「君たちに100万円をあげようじゃないか。ただし…」

パイの「取り分」をめぐる問題 ー125
ホモ・エコノミクス同士の交渉なら答えは「1円」

「唯一絶対の答えはない」が正解
徹底的に合理的に、勝ち負けを追い求める交渉は、まったく現実的ではない
交渉は「なるべく多くとったもん勝ち」というゼロサムゲームではない。現実的には、そういった交渉は成り立たない

交渉の誤解4.
×なるべく多く取ったもん勝ちのゼロサムゲーム
○おおすぎもなく、少なすぎもなく、ちょうどいい合意点を探っていく行為

▶ まずは「交渉の基本」を共有しよう

交渉において一番大事なのは、「相手の利害に焦点を当てる」ということ
大事なのは、自分の立場ではなく、相手側のメリットを実現してあげること。そのうえで、自分もメリットが得られるようにすること
お互いの利害を分析することで、双方に入ってくるメリット自体が大きくなる。パイが大きくなるということも少なくないのです。

3時間目 「バトナ」は最強の武器

▶ 複数の選択肢をもってから、交渉に臨む

バトナに対する解説
練習問題 ー135
中古パソコンを売却するときどうするか?

比較対照するための選択肢を得ること★
→交渉においていちばん初めにやらないといけないことを教えてくれる
→複数の選択肢をもつ★
他の選択肢があれば、判断は簡単。他の選択肢のなかでいちばんいいものを選び出し、それと他の選択肢を比較すればよい

バトナとは?
ある選択肢以外に取り得るさまざまな選択肢のなかで、自分にとっていちばんよい選択肢
Best Alternative to a Negotiated Agreement ★
相手の提案に合意する以外の選択肢のなかで、いちばんよいもの★

目の前の交渉相手と合意する以外にいくつかの選択肢があったとき、「交渉相手に、私はあなたと合意しなくても別のよい選択肢があるので、それよりも良い条件でなければ合意しない」と宣言できる他の選択肢ということになる★

バトナの考え方
交渉では、まずは複数の選択肢をもつこと
そして、目の前の選択肢とバトナとを比較しながら、交渉を行っていく

▶ どれだけ給料を上げることができるのか?

給料上げ交渉の例 ー142
同業他社で同じ成績をあげたとして、どれくらいの給料のオファーがあるかというバトナの存在がポイントになる

交渉とは、その交渉が決裂したら、自分と相手側にそれぞれ他にどんな選択肢があるのか、その選択肢によって何が手に入るのかで決まる

バトナの考え方
交渉は、相手のバトナと自分のバトナによって決まる

▶ コモディティーとはバトナがない状態

コモディティー人材
→ほかにいくらでもかわりがいる、ということ★

▶ 引っ越しは何月にすべきか?

「家賃交渉」の問題 ー149
正解は、5-6月
家主にとっては、契約が決裂したときに、最悪、次の年の引っ越しシーズンである3月、4月まで家賃収入が得られない可能性のある時期

バトナの考え方
つねに「相手側の選択肢、相手側のバトナはなんなのか?」と考える

▶ 交渉は情報を集める「だけ」の勝負


バトナを分析するためには、まず、「この交渉が決裂したらどうなるか」を考える
交渉というコミュニケーションがディベートなどにくらべてやりやすいのは、「相手側に直接聞いて情報を集めることができる」★
→交渉のポイントは「たくさん聞いて、たくさん提案すること」であると覚える

バトナの考え方
交渉が決裂したときにどうなるかを考える
相手側のバトナを見極めるために「たくさん聞いてたくさん提案する」

154

▶ 「最悪の結果」になっても、別の道がある

バトナの考え方を知っていると、自分にとって不合理な合意を避けることができる
自分のバトナを知っていれば、「この条件より下であれば、席を立っても問題ないな」と明確に線引きできるので、なんとなく合意にいたることを避けることができる
事前に「最悪の結果」を想定できるので、心の中の余裕もできる
→最悪でもこっちの道がある、と

バトナの考え方
バトナを用意しておくと、不合理な合意を避けることができる
バトナを用意しておくと、心の中に余裕が生まれる

▶ 交渉は事前準備で8割決まる

交渉
自分と相手の立場を事前に分析することによって、8割方勝負がつく
他の選択肢を増やし、バトナをよくする努力
バトナが良ければ良いほど、交渉力も高まるわけだから、バトナを見直し、より良いものにすることで、有利な立場になれる
複数の選択肢を得ることができたら、そのなかでどれが本当に自分にとってもっとも良いバトナなのか、考えて、選んでおく必要があります

バトナの考え方
交渉がはじまったら、自分のバトナは変えられない。だから準備が8割

▶ バトナをコントールして、相手の油断をつく

交渉においては「自分のバトナ」を相手に悟られてはならない
自分のバトナを分析しておくことも大切なのですが、それと同じくらい「相手に自分のバトナがどう認識されているか」を把握し、コントロールすることも重要

バトナの考え方
相手に自分のバトナを悟られない
相手が自身のバトナを理解していないときは、こちらから提示して、誘導する

▶ 警察の取り調べは「誤解」を利用している

交渉相手が双方のバトナを理解していないときは
本当は交渉が決裂しても相手には何のデメリットもないのに、たいへんなことが起こると誤解させる
というズルい手もある★
警察の取り扱う事件のほとんどは自白に基づいている ー162

▶ 交渉の範囲を決める「ゾーバ」という考え方

合意できる範囲のこと
Zone of Possible Agreement

しかし、そもそもゾーパがない場合もある
そういう場合は、交渉を続けること自体が無駄になります
合意にいたったとしてもお互いに損をするので、決裂したほうがマシなのです

ゾーパの考え方
相手と自分のバトナが決まったら、自動的にゾーパが決まる
一見ゾーパがないときでも、バトナを見直すことでゾーパが生まれる
本当にゾーパがないときは、交渉するだけ無駄

▶ 「ウィンウィン」という言葉に騙されるな

逆にゾーパが存在する場合には、必ず交渉する余地がある
ビジネスというのは本来、取引が成立したらすべて「ウィンウィン」であるべき
だから問題となるのは「どれだけウィンか?」

ゾーパの考え方
一方のビッグウィンは、もう一方のスモールウィン

▶ 竹島問題の解決はこれしかない★

自国の立場はどうでもよく、「相手側の利害関係」に立って交渉することが重要
日本側の主張の正当性・不当性はさておき、大事なのは韓国側の利害はどうなのか、韓国にとって「竹島を返すという選択はベストなのか」(バトナを上回る合意なのか)を考えることが大切
→韓国にとっては返すメリットは何もない

交渉する余地、ゾーパがない状態

意表をつくオファーをすることで相手側のバトナを悪くすることを考えることが重要になる★
→返還することのほうがマシなんだと理解させる

どうすれば韓国政府がそのオファーを受けなければならない何らかの損失をするような状況を作り出すことができるか★
を考える

▶ 韓国側にとって「もっとも困る事態」を考える

先進国としてみられたい
日本と肩を並べる国だと認知されたい

国際司法裁判所に判断してもらう★

韓国は何かしら後ろめたいところがあると他の国からみなされ、韓国の威信が落ちる
:李明博大統領が竹島に訪問し、2012 8/24時点でも、やっている

竹島を日本に返したくない理由のなかで大きいもの
「国の威信を守ること」
:そうではないだろう、経済水域が広がるからだろう

韓国がこのオファーにのってこなかった場合
日本との関係が悪くなった状態のままでいた場合、韓国にとってもっとも困る状態とは何だろうか?と考える
ー176

▶ 戦う土俵を間違えるな!


歴史的にどうだというような話は、水掛け論になるに決まっている
頭が痛いのは、韓国側はそれを分かっていてやっている可能性が高いのに、日本のナショナリストはそうではない

▶ 「自分は代理人」と思うことで、心理的なハードルを下げる

交渉なんて日本人では無理ではないか?という疑問

自分のことだと思わずに、代理人として交渉を頼まれたとマインドを切り替えてみること★
交渉の人格に切り替えて交渉にあたると、交渉自体がある種のカードゲームのように見えてくる

自分が交渉するときも、自分のなかで、「交渉する人」「分析する人」「意志決定する人」を分けてみるのはきわめて有効

交渉の誤解5.
×声が大きくて押しの強い人が勝つ
○静かに相手の話を聞いて、冷静に分析できる人が勝つ

4時間目 「アンカリング」と「譲歩」を使いこなせ

▶ アメリカ大統領選挙で実際にあった交渉術

交渉の戦術について
アンカリング★★
「最初の提示条件」

練習問題 ー186
巧妙な答え★★ ー188に回答
→ひどすぎる、あこぎな内容
しかし

▶ 交渉はスタート時点で決まる

この話が教えてくれるのは、「交渉はどこからスタートするかによって結果がまったく違ってくる」という非常に大事なこと

アンカリングとは?★★
最初の提示により、相手の認識をコントロールすること(もしくは、認識がコントロールされてしまうこと)」

▶ プロでも、アンカリングの影響を受ける

交渉を始める際には相手の有利な形でアンカリングされないやうに「この条件の設定自体に何かおかしいところがあるのではないか?」と常に疑ってかからなくてはならない
逆に最初から自分が戦いやすい条件を初期にオファーすることが必要になるということ

▶ 謝罪のときこそアンカリング

練習問題 ー195
一番の下策は「申し訳ありません」とひたすら謝って、どうにか相手に許してもらおうとする(そして何の責任も取らずにすまそうとする)ことです

こういう場合はお詫びにいく前にきちんと事後対策を準備していく

間違いの責任問題からその後の対策の中身についての交渉へと、話をスライドさせることができる

▶ 「無茶ギリギリの条件」を提示しろ!

アンカリングで提示する条件はできるだけ「高い目標」にする
なぜならば、最終的に交渉の結果得られる果実は、最初に置いた目標以上にはならないから
↑しかし

▶ 継続性を考えない交渉はうまくいかない

継続的に市場で勝ち続けるためには、「あまり暴利は貪らない」ということが重要★

アンカリングの考え方のまとめ★★
1. 高い目標
2. 現実的
3. 説明が可能

こちらが条件提示をうけたときは?
相手側が出してくる条件は、まず「一切無視」ぐらいに考えておくのがよい
カウンターをかける
203

▶ 自動車のディーラーは「譲歩」を上手く使って車を売る

交渉における譲歩とは、自分の条件を一部諦める、あるいは、相手にとって得となる別の付加価値をつけること★
↓譲歩するかどうか考えるときは★
1.無条件の譲歩は絶対にしない
2. 「相手にとっては価値が高いが、自分にとっては価値が低い条件」を譲歩の対象とする

「これだけ自分は損を被るのだから、あなたも何がしかの損を被ってください」ともっていく

車のディーラーの例
値引きはできないが、ディーラーオプションをつける
→付属品はメーカーからタダ同然に仕入れているので痛くも痒くもない

相手の判断基準を理解するためにも、さまざまな条件付きの譲歩を提示することは有効なのです

▶ 相手の譲歩は、ひとつのメッセージ

相手が譲歩してきたときは、即座に受諾しないこと
いったん、「考えさせてください」という

・そうすることで相手側からさらなる譲歩が引き出せることがあるから
・譲歩の背景を分析するために

交渉では、「譲歩をした」ということ自体がひとつのメッセージであり情報になる

譲歩を受ける場合でも、相手に「譲歩しすぎたかな」と思わせないようにすることが大切

譲歩の考え方
新たな譲歩を引き出したり、交渉の満足度を高めるために、譲歩はもったいつける

▶ 面倒くさいやり取りが「仲間意識」をつくる
▶ 「交渉の争点」を整理しよう


譲歩する条件を明確化するために
実際の交渉では、争点が複数あって「この争点で譲歩するけど、こっちの争点は譲らない」というように分けて考えなければならない

練習問題
自分の立場ではなく、相手の利害に焦点を当てる
相手の利害関係を分析理解し、それを満たしながら、さりげなく自分の要望も実現するのが、賢い交渉のポイント

▶ ゼロイチ思考に陥らないためには、どうすればいいのか?

交渉を行う際に、お互いにとって何が大切なのか?交渉のそもそもの目的はなんなのか?という争点を明確にしておくことが必要

交渉を行う際にまず考えておくべきこと
1. 争点を洗い出す
2. それぞれの重要度を決める

交渉者がそれぞれ争点のどれについてどのくらい重要視しているか分析することで、「譲歩していい条件」と「譲れない条件」が決まる
次の段階として
「どれが目的でどれが手段なのか」を明確にすると、交渉している課題の構造がすっきりする

そのうえで
自分にとっては重要度は低いが、相手にとっては高い争点、を譲歩したり
自分にとって重要度は高いが、相手にとっては低い争点、を譲歩してもらえるように提案したり
お互いにとっての目的を達成できる道を探ってみることが必要

▶ 交渉相手の立場によって争点は異なる

相手がどういう立場の人間なのかということがきわめて重要な意味をもつ
常に相手の関心分野はどこにあるのかをケースバイケースで考えながら、相手に合わせて提案や譲歩を行わなくてはならない

▶ 私が「そこそこ人気のあるエリア」に住む理由

家賃交渉
いちばん値引き交渉がしやすいのは、その物件を無料で手に入れた人
逆に値引き交渉が難しいのは、借金をしてその物件を手に入れた人

同じ人間でも、置かれている状況によって判断が大きく異なる

著者が不動産を借りるとき
そこそこいいエリアで、前者の家賃にこだわらないオーナーを探す
地元の不動産屋さんに物件を出すことが多い

▶ 交渉相手の背後にいる人物にも気を払う

場合によっては、直接の交渉相手の利害・争点だけではなく、その背後にいる人たちの利害・争点にも注意を払う必要がでてくる

自分のバトナや利害関係を整理、争点の重要性や譲歩できないポイントを明確にして、優先順位をつけておく★★
相手が自分がほしいものを誤解していることはよくある。それが分かれば、その誤解を利用することもできる
→譲歩が引き出しやすくなる

▶ どんなに気まずくても、沈黙に耐えろ

交渉時の注意点
沈黙に耐える★
たとえ気まずくても
沈黙に耐えるということはなかなか厳しい努力が必要ですが、譲歩の引き出し合いを戦っているときには忍耐が必要

▶ 「情報の隠蔽」そのものを取引の道具にする

二つ目の注意点
相手が情報をだしてこないときは、そのこと自体を利用する、ということ

リップルウッド、新生銀行の例

交渉において情報を意図的に出さない、隠蔽することは不利な条件を突きつけられる危険性が高まるということになる

▶ 「フェアであることの大切さ」を訴える

相手が情報を出さない場合には「フェアであることの大切さ」を訴えるという手法もある

5時間目 「非合理な人間」とどう向き合うか?

▶ わからず屋の相手とケンカをしても、意味はない

どういう交渉が非合理なのか、パターン化して理解することによって、自分の行動ぁ非合理的になっていないか、それによって大きな損をしていないか、客観的に分析できるようになる
相手が非合理的な主張をする交渉者だった場合に、個別に有効な対策をとれる

相手がどれほど非合理であっても、大切なのは、その交渉によってどれだけ大きな実りのある合意を結べるか
結果としての合意の内容に意味がある

▶ 6タイプの非合理的交渉者

ビジネスでは、相手がイヤな奴、変な人だからと無視したり逃げ出したりはできない
:場合によると思う

練習問題 ー239
ワケのわからない主張をする人々がなぜそのような主張をするのか?
6タイプの非合理な主張をするタイプ
1. 価値理解と共感を求める
2. ラポールを重視
3. 自律的決定にこだわる
4. 重要感を重んじる
5. ランク主義者
6. 動物的な反応

▶ (1) 「価値理解と共感」を求める人

自分だけの独自の価値観、あるいは個人的な信念を並外れてもっている

交渉者が相手の価値観にまったく共感できないときに、大きな問題になる
アンデスの職人の例 ー243

「職人のプライド」という、彼が経済的メリットを無視してでも守ってほしいと思っている価値だけにフォーカスし、かつ、その誇りを最大限に表現するためには「未完成品を持ち帰ったほうがより効果がある」と主張して合意を結んだ

合理的でない相手と交渉するときには相手の価値観にあわせなければならない★★
→まずは相手に話をさせること★

▶ 相手の価値観は変えられない

相手の言動からその人の価値観を探っていくときのポイント
「人の価値観とは固有のものであり、それを他人が変えることはできないから、認めるしかない」
どれほど自分の価値観と距離がある相手であっても「彼らの価値観にはそれなりの理由があるんだ」ということを理解して交渉の場にのぞみ、それを前提として作戦をたてる
しかし、交渉相手にも「この相手は自分の価値観に共感しようとしているな」ということは分かる

▶ 上司を敵にして、相手と共犯関係になる

相互の価値観が大きく異なるときに使えるテクニック
「よそ者」に対する敵意を「外部の人」にむけることで、相手と同盟関係のようなものを結ぶことができる
→明らかに企業文化が違う相手と交渉をするときに、効果を発揮することがある

共通の敵を設定して、共犯関係になる

▶ (2) 「ラポール」を重視する人

ラポールとは?
橋をかける
フランス語
緊張せずにリラックスして、振る舞える状態

心理学の研究では、以前から顔や存在を知っていたり、何らかの共通の基盤がある人には説得されやすいということが明らかになっている★

どうしたら相手との間にラポールを築けるか?
簡単な方法
1. 「好意の返報性」という人間心理に働きかける
→まずはその人のことを好きになる
人は誰でも自分のことを好きだと思ってくれる人に対しては、自然と好意を抱くもの
→行き過ぎはもちろん逆効果
9割のダメな部分に対してではなく、1割のいいところをみるようにする

2. 「スモールギフトをおくる」というのも効果的
→好意を具体的な方法で相手に示すという行為

3. 相手に似た境遇にあることを発見して、それを会話の糸口にする
年齢、血液型、兄弟構成、居住地、出身地、出身校、地位、病気
効果があれば、前近代的でもいい

4. そういう人とは「相手の好む話し方でつきあう」という方法
最初から仲のよい友達のように振る舞うことを好むとか
類似性による好意
人は自分と似ている人に好意を抱く

5. 交渉におけるプロセスで「共同作業の時間を持つ」というのもラポールの形成には大きな効果
→何をするかはとくに重要ではない

5つですべてうまくいくわけではない
相手との関係構築にはそれなりの時間と労力がかかるということをよく覚えておく

▶ (3) 「自律的決定」にこだわる人

客観的にみたときに自分の判断が正しいかどうかより「自分で決めた」ということのほうに重きをおくタイプ
→そういうタイプだったときには、説得することを諦めたほうがよい
:そうだよね、と同意

相手が自分で判断・決定するための材料を提供することに徹する

説得されることがイヤだと思うタイプには二通り
リテラシーが高い人と低い人
リテラシーの高い人ほど、ひとつの物事に対してプラスとマイナスの情報を「両面提示」されることを好む
リテラシーが低い人の場合、マイナスの情報には「やっぱりだまされるんじゃないか」と過敏に反応しがちですので、「片面提示」といって、デメリットには極力ふれずにメリットのみを強調したほうが説得できる可能性がたかまる
:後で気づいたときの対処がそれはそれで面倒だと思うんだが

▶ (4) 「重要度」を重んじる人

相手が自分のことを「より重く」「より大切に」扱ってくれることにこだわる

すべての人に対して尊敬の念をもってもっと丁寧に接することが大切
向こうの言っていることがどんなにむちゃくちゃな論理に見えても、「その背後にはそれなりの理由があるはずだ」と信じて、とりあえず相手の話をちゃんと全部聞く

ディズニーランド建設の苦労話 ー266

▶ 口だけの賞賛は必ずバレる

交渉相手の趣味嗜好などを把握しておいて、それを満たしてあげることで「この人は自分のことを重要だと思ってくれている」と印象づけることができる
人間は言語的なメッセージよりも「非言語的なメッセージ」のほうにより敏感に反応する

本心で、丁寧に、敬意をもって、相手に接する

▶ 反応速度は超重要

どんなに忙しくてもすぐ反応する。逐一、対応する。頻繁に連絡する。
→そうすることで相手を大切にしていることを伝える

▶ 「聞いていない!」「話の順序が違う!」を防ぐために

「本当の交渉相手は自分なのに、それを分かっていない」という思いから生まれる
→自分がないがしろにされているというプライドが怒りを生む
要するに「根回し」が重要ということ

▶ (5) 「ランク主義者」の人

日本人に多いタイプ
ランクの例 ー275
「名刺じゃんけん」
名刺の肩書きをみて相手のランクを把握し、対応を決めるような人たち

ランク主義者にはランクで対抗する
→それに見合うランクをもつ人間を仲間に引き入れるということ
相手が「こいつには適いそうにもない」「この人はすごい」と思うだろう人物を、こちらのメンバーの一員にしてしまえばいい

人は相手をレベルではなく、ラベルで判断する

▶ ランク主義をぶちこわす方法

ランク主義者には、「自分が大物であること」を自認している人が多くいる
「おまえは見所のある若者だ、と思われたら勝ち」★
ランク主義者にであったときは、彼らの考えるランク以上の「はるかにでかい絵」を描いて彼らをその計画に引きずり込むという作戦が有効

281

▶ (6) 「動物的な反応」をする人

相手がすこし疲れている、ストレスをため込んでそうだと感じた場合は、交渉を前に進めるよりは、相手の精神的負荷を低減することを優先する
→「できるかぎり交渉の時間を快適な環境にする」★
曜日なども関係
環境の快不快が心理面に大きな影響を与える、というのは、いろいろなところで応用されている
東京地裁の例

動物的反応がネガティブに働いているとき、相手側の感情的な反応には、こちら側はつき合わないのが鉄則
躁と鬱がサイクルで回る人は少なからずいる

▶ 「原理主義者」「反社会勢力」「独裁者」との交渉

交渉の現場では、非合理な理由で意志決定が左右されることは珍しくないどころか、むしろそっちの方が多い

この他
交渉が難しいタイプ
→原理主義者
一般社会の価値観とはあまりにもかけ離れた人の存在

一見すると自分のロジックがまったく通用しない相手でも、その人の「行動原理」というものを見通すことで交渉可能な相手になることはある
反社会勢力

とにかく、自分のことではなく、「相手を分析する」ことが、合理的・非合理的な交渉を問わず重要★★

▶ 交渉メンバーが共有すべき「3つの注意点」

たいていの交渉は1対1ではなく、複数対複数

複数のメンバーが参加する交渉において事前に注意しておくべきこと★★
1. アウトプット
2. ドレスコード
3. NG ワード

交渉が複雑であれば複雑であるほど、どういう条件なら合意できるか、というラインを明確にしておき、それ以下ならば交渉が物別れに終わっても仕方ない、ということをメンバー間で共有しておくことが必須となる

一回ずつのミーティングが終わった後に、何を達成していれば成功と見なせるのか、明確に決まっていない交渉はマズい
→普段の会議でも同じ★

▶ シリコンバレーにスーツ姿で出向く日本人

交渉においてのドレスコード
単なる外見に加えて「非言語メッセージを与えるまのすべて」を指す

相手に与える印象は、見た目のビジュアルが作り出すモードによって、だいぶ変わってくる
だから意識的に使い分ける

▶ 相手によって言葉を使い分ける

ドレスコードでは、「言葉遣い」も非常に重要
どんな言葉を使うかによって、相手はその人物を「自分たちの仲間だ」とも思うし、「自分とは違う世界の人間だ」とも思う

▶ 「場が凍る瞬間」を避けるために

NGワードについて
ミーティングにいくまえに、すぐに全員が答えられればオーケーですが、そうでなけれ、そのミーティングは「ヤバい」と言える

6時間目 自分自身の「宿題」をやろう

▶ 交渉は「断られてから」が勝負

オトバンクの話 ー299
JALとの交渉
「別のメリットの提示できないか?」を考えた

交渉が一見すると完全にデッドロックに乗り上げてしまって、これ以上手の打ちようがない、と思われる状況でも、相手の「できない」を具体的な行動によって合理的につぶしてあげることで、状況が打開できることがある★★
:情熱がないと難しい
→本気を感じさせる

▶ 自分のロマンを「プロジェクトX化」する

交渉において最後に人を動かすのも「ロマン」

全国教室ディベート連盟というNPOの話 ー306

掲げているビジョンが社会にとって大きな意義があるものであれば、そして、そのビジョンを実行できるだけの力を持っていることが証明できれば、たとえ実績がなくても人を動かすことはできる

▶ 言葉は最大の「武器」


これだけは本書を読んで覚えておいてほしいこと

ジャーゴンだけを使っていては、自分が属する社会のなかからでることはできない
自分の外部にいる「他者」とつながり、行動をともに起こすためには、外部で騙られている言葉を学ぶと同時に、自分の言葉も相手に届くように、磨き続けなければならない
→バラク・オバマを例に ー313

本気で世の中を変える力を身につけたいと思うならば、まず言葉を磨くこと

▶ ネットワークのハブに合意という「楔」を打ち込め

日本のデモや市民の政治活動がなぜうまくいかないか?
→彼らの行動の多くがある意味「雲のようなもの」にむかって行われているから

特定分野で強い力をもつ個人にアプローチし、交渉して、合意を結ぶことが大事★

▶ いまの自分のいるその場で「秘密結社」を作れ


同期の若手と飲んで愚痴を言うのではなく

自分たちが立ち上がって、旧来の枠にとらわれない新たな組織を作ってみることを考える
ただ仲間を集めることや、仲良しになることを目標とするのではなく、その秘密結社で「成果を出す」ことにこだわる
↓成果を出すためには
特定の会社、影響力のある個人
そのようなネットワークの「ハブ」となる重要な結び目に、交渉によって合意という名の楔を打ち込む
→同時多発、いくつもの場所で

▶ 小さな交渉が「道」をつくる

交渉というのは、新たなネットワークを生み出す行為でもある

チュニジア革命の例 ー322

これから若い人たちが新たに小さなネットワークを築いていくことも、あとに多くの人が歩く「道」を作り出す行為に他ならない

▶ 「カリスマ型」モデルから「群雄割拠型」モデルへ

この本を読んだみなさんが明日からも同じ生活を送るのでは意味がない
他力本願ではなく、それぞれが自分の得意な分野でリーダーシップを発揮し、あるときには皆の先頭に立ち、また別のときには他のリーダーをサポートする

▶ 自分自身の「宿題」をやろう


ジム・ロジャースの言葉
自分自身が、自分の今いる場所で小さいながらも集団をつくり、そこでリーダーとなっていく
小さい集団は動きが速く、それまでの経験にとらわれず、失敗してもすぐにやり直せる

新人であること。若いこと。まだ何の名声も、地位も、権利も得ていないこと
若者の特権。

若さゆえの無茶な行動、無謀な計画が、世界を変える
読了 8/28 12:18

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