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id:garage-kid@76whizkidz のライフログ・ブログ!

オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解くの読書メモ

読了 bookmemo 単行本 トビアス・J・モスコウィッツ L・ジョン・ワーサイム

読了本の読書メモを少しづつ公開していこう( 2012 第二弾) - #garagekidztweetzで告知した読了本の読書メモを共有、 4 冊目です。
4 冊目は、「オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く」です。

訳者によるイントロダクション

スポーツ、パワフルで人を惹きつけるもの
スポーツに行動経済学を持ち込む
僕たちに見えるのは人が何かの判断を下した結果であって、結果からその原因である「人の頭の中」を推し量るのは難しい
↓行動経済学者が採る作戦
人の行動から頭の中が比較的見えやすい状況を選んで調べる
調べた結果がいろんな説のどれと一致するかを検討し、一致しない説を捨てていく
そして結果を一般化する
→そんな原因と結果の両方が比較的見えやすくて、しかもデータが膨大にあるのが、「スポーツ」

序章

1984の夏、ミシガン州オートンビル
運動音痴の少年
ライトに配置、打球と接する機会が一番少ない守備位置
→キャッチャーをやらせた方がましかもしれない
ライトをやらせるよりもミスが少ない
ピッチャーへの返球が遅いため、試合はスローペースに
→相手の集中力を乱す

試合に負けなくなった

みんなが信じる支配的な見識に反旗を翻し、他のやり方を試してみた
→チームを強くして勝ちを重ねた

スポーツには、もっと幅広く人間の行動一般を説明できる強い力を持っている
でも逆のこともいえる
人間の行動や損得勘定に関するごく標準的な決まりに縛られている

共通のテーマ
・認識できることや明らかなことは、往々にして信用されすぎている
・インセンティブな人を動かす強力な要因であり、スポーツの選手やヘッドコーチ、オーナー、それにファンたちがどんな行動をするかインセンティブで予測できる
・人のバイアスや振る舞いは、日常生活のほとんどの側面でも決定的に重要な役割を果たす
・運が果たす役割は過小評価されており、往々にして誤解されている

本書の目標
スポーツを何と考えるべきかを語ることではなく、スポーツをちょっとした角度からどう考えるべきかを語ることにある。

第一章 ホイッスルを飲み込む ファンもリーグも、審判のミスジャッジを願っているのはなぜか?

▶ あのスーパーキャッチはサックだった

ファン→オレは審判よりもちゃんとした判定を下せると信じている
→審判の判定は ー気味が悪いほどー 正確だという現実を無視しているために起こる思い込み

マイク・キャリー
セイラス・イノベーション社の設立者
大学をでて最初の年、フットボールの審判をすることが得意なのに気づく
20080203、第42回スーパーボール
ジャイアンツの逆転劇
実はサック
ホイッスルを吹くのは正しい判定だったかもしれない。間違った判定だったかもしれない。
では、するべき判定だっただろうか?★
そういう風には受け取られていない
まるっきり逆。
キャリーは自重したことにより、広く一般に褒め称えられ、上司からはAプラスの評価をされた

17

▶ ホイッスルを吹くなら、正しい判定をしたほうが身のため

人は不作為(行動しないこと)を作為(行動すること)ほどには押し付けがましいとか邪魔とか思わない
→不作為バイアス

インフルエンザ予防接種をうけさせるか、否かの判断の例 ー17
親は子供に受けさせないことの方をより選択する
→予防接種をうけさせたせいで一万人あたり5人死んでいるから
→受けさせないことで、死亡率が二倍になるにも関わらず
親御さんは、自分は「予防接種を受けさせなかったせいで、何か起きたら自分のせいだ」とは思わないだろうともいっている

自分が行動したせいで悪いことが起きた方が、罪深く感じる

心理学者
行動した場合に比べて、行動しなかった場合、人は結果が同じであったり、あるいは一層悪かったりしても、あのせいだとか、あれさえなければとか、酷いことをしたとかなんてあまり思わない

医者
「まず何よりも、害になることをするな」
→「何かいいことをしろ」ではない
法制度
他人を積極的に救助するのが義務であることは稀
仕事
大企業ならだいたい、管理職はチャンスを逃すことより実際にミスを犯すのを避けることに必死

Amazonのジェフ・ベゾスの言葉
「…企業がかぶる大きな損害は、むしろ行動しないことで起きるが、こちらは見逃されがち★」

スポーツの審判も同じ考えに陥っている
審判は重要な場面ではとくに、ゲームに介入しないように骨を折る
NBAの不文律
「試合が盛り上がったら審判は引き下がれ」
「できるかぎり、選手たちに勝敗の行方を決めさせないといけない」
「この仕事で最初に学ぶことのひとつがそれだ。ファンは、ぼくたち審判を見に来ているんじゃない。選手を見に来ているんだ」
→まぎれもないバイアスが現れている

▶ 動くストライクゾーン

Mlb.com
ピッチャーが投げる球全部のコースを1センチ単位の正確さで見られるようにした
→ファン、モバイルで追いかけられる
→審判の正確さを測るのにつかってみた

ツーストライクのとき、審判が誤審をする割合が通常の二倍
39%ではボールドだと誤審

審判、四球とか三振とかの判定をするよりも、打席を長引かせて選手に結果を決めさせるほうを好む
ー24 ストライクゾーンの実際

スター優遇の話 ー28
審判は試合の行方に影響を与えたくない
↑スター選手の行動を妨げることを躊躇させる
スター選手は試合を左右する

スリーボールからは見送った球はボールの判定をされにくくなる
→逆にストライクゾーンを広くしている

エースピッチャーだとストライクゾーンが広くなる

▶ キューバンでいっぱいのNBA

審判陰謀説、疑い深いファン、長い間「スターシステム」が存在すると主張してきた

スター選手とでない選手、公平か比較するために、二人の選手がルーズボールを追いかけるときに何が起きるかを見てみた
→スター選手のほうがファウルをとられない ー32

▶ 埋め合わせの判定

どうみても間違っているだろうという判定をしたあとに、同じくらい間違った判定を行う傾向
→データも裏付ける
→これもやはり審判がゲームに自分の影を落としたくないから

間違いがあからさまであればあるほど、相殺しようとする傾向は強く

▶ クリス・ウェバーのあのプレー

審判が結果を左右するのを避けたがるのは野球だけではないという話
1933、NCAA トーナメント決勝
ミシガン大学xノースカロライナ大学

NFL
試合が接戦、終盤
より主観的な要素が強い反則はとられなくなる
主張してきた要素が少ない反則変わらずとられる

▶ トム・ブレイディのあのプレー

何もかも審判が悪いかというとそうではない
ファンもある程度は不作為バイアスがあってほしいと思っている
ウォルト・コールマン

▶ そしてセリーナのあのプレー

2009全米オープン
審判には引っ込んでいてほしいというファンや選手のおもいを生き生き描き出している
セリーナ・ウィリアムズ
テニスコートの罵詈雑言
フットフォルト

「下しにくい判定やウケの悪い判定を下すとき、審判のガッツが試されるんだ。それができたら本物の審判だって証拠だよ」
「引っ込んでいたほうが、審判としてのキャリアは長く続けられるかもしれない。でもそれじゃ、正しいキャリアは歩めないんだよ」


第二章 ここは勝負だ! ヘッドコーチたちが、自分のチームの勝つ可能性を下げるような判断を下すのはなぜか?

▶マッド・サイエンティスト・フットボール

ケビン・ケリー
マッドどころかむしろ正反対
徹底して合理的、冷静な考えと手堅い計算
基礎的な統計学と経済学の原理をフットボールに応用
パントは戦略として間違っている

フォースダウンでは多くの場合、パンとしたり、フィールドゴールをねらったりするより、オフェンス陣をフィールドに残し、攻撃を続けたほうが統計的にずっといいと結論 ー全米経済研究所、デイビッド・ローマー
プラスキのフットボールチームの長所、もうひとつ
→普通の高校でするのとは全く異なったことをする
→何か特別な集団に加わったような意識
→エリート感

▶ 他のヘッドコーチはどうしたか

▶ なんであの株と手が切れない?

損が怖くて合理的な意志決定を覆し、損をする可能性を避けるためだけの行動で、かえって自分を窮地に追い込んでいる
→損失回避★
ダニエル・カーネマン、エイモス・トヴァスキー

1ドル損して感じる痛みは、1ドル儲けて感じる喜びより大きい

人は損失回避のせいで最適でない選択を行っている

▶ 選手をファールアウトさせるのは誰?

ムチャな奴だと思われるくらいなら、間違った手を選ぶのはフットボールのヘッドコーチだけではない
↓バスケット
スター選手がファイブファウルになったら、もう一回ファウルを食らって退場するリスクをとらせずに交代させた方がいい
→正しいのか?

修正プラス・マイナスという指標
スター選手がベンチに下がっている間にチームの得点力が下がる
→大きな代償
残り時間でスター選手がファウルを受ける確率は、普通の選手のそれより低い

結論→ファイブファウルでもスター選手は変えない方がよい
↓ヘッドコーチは何故、ファイブファウルのスター選手を下げてしまうのか?
ここでも答えは、「損失回避とインセンティブ」
→定石に従って選手を交代させ、試合に負けても責任は逃れられる

72

▶ 他のスポーツではどうか

野球、クローザーの話
アイスホッケー、キーパーを引き下げるタイミング

ヘッドコーチがリスクをとりにいくのはどんなときか?
たいして、あるいは全く失うものがないとき★
ああ、これは失うな、とおもっているときには、あまり損失回避行動にはでない
死に物狂い、負けが決まってしまいそうなとき★

▶ ギャンブルできるのはどんな人?

リスクをとるか?ヘッドコーチに共通すること
→そのヘッドコーチの職が確保されているかどうかということ

ニューイングランド・ペイトリオッツ、ビル・ベリチック、ヘッドコーチ

▶ 運がいいだけのバカ

予知能力がないかぎり、ぼくたちは結果を知る前に判断を下す
ギャンブルにでるのは正しい判断だった。
でも、人はそんな風には考えてくれない。

人は、後知恵バイアスと呼ばれるものを抱えている ー心理学者

正しいことをしたが不運に見舞われて失敗したら、マヌケ扱い、間違ったことをしたが幸運に見舞われて成功したら、天才扱いされる

▶ マッド・サイエンティストのいろいろ

定石から外れたことをすると大変な思いをすることになるのはフットボールのヘッドコーチだけではない

1993、トニー・ラルーサ、オークランド・アスレチックス
ピッチャーのチームー86
総スカンを喰らった→先発陣に

立場が安泰でないヘッドコーチがリスクを取りに行って失敗した逸話 ー89
バスケット、ウェストヘッド

▶ ケリー再び

プラスキ、ケビン・ケリー
新しいことを考えられる人

第三章 スーパーボールの予測はやるだけ無駄 ピッツバーグ・スティーラーズがあんなに成功しているのはなぜか? ピッツバーグ・パイレーツがああもだめなのはなぜか?

▶ ガット・リング?

普通、ぼくたちは寡占や独占が嫌いだ
競争の方がずっといい
競争は健全、消費者にとって望ましい
競走は発明を促す
↓でも
ヤンキースは?
ワールドシリーズの優勝記念の指輪が市場シェアを表すのだとしたら25%のシェアを占める
↓何故?
手っ取り早く言えば、お金
でも、ヤンキースが桁外れの成功を収めているのはそんなに単純ではない
野球、シーズンが長い→選手の能力がより正確に現れる

▶ それじゃ NFL は?

1シーズンたったの16試合
選手の調子も影響しやすい
プレーオフに「シリーズ」なんてない「一回勝負」
サラリーキャップがある
↓優勝の集中度
フットボールが一番低い

業界全体をくらべると、とても競争的なスポーツと、そうでもないスポーツがある

第四章 タイガー・ウッズも(みんなが思っているのとは違うところで)人の子 タイガーウッズもぼくらと全く同じであり、ゴルフのプレーに関してさえたいして違わない

▶ 神の子降臨

タイガーすなわち選ばれし者
→彼がひたすら勝ち続けるからではなく、むしろ彼がどう勝つかが大きい★

彼のプレーは誰も真似できない
恵まれた身体、運動神経、ドライバーショットは最高、パッティングも最高

スキャンダルの話 ー106
「わたしは人間で完璧ではありません」
↓その前からタイガー・ウッズは人間である決定的な証拠が存在した
ゴルフのプレー
→パッティング、腕は遥かに常人離れ、しかし考えるときの筋道は同じ

損失回避の考え方
重要なのは、何にいまどれだけ価値があるか、そして将来どれだけ価値があるかだが、わたしたちはそう動かない
→負け株を持ち続けたりしてしまう
↓ゴルフでも
1ホールでの損失を避けるために全ラウンドを通じたスコアを無視してしまう
ー その統計結果 ー108

しかし、損失回避という原則の下で損失に直面すると、人はより積極的に行動する★

▶ ボールカウントとピッチャーの心理

ゴルファーは特別ではなく、よくよくみると、運動選手はほとんどみんな、他のぼくたちと同じようになんらかの形で損失回避に影響を受けている

ピッチャーの例 ー114
損失回避に影響されてより慎重でない作戦を採ったピッチャーのほうが、いい結果をだしている
ピッチャーが積極的になるとき、バッターは慎重になりすぎている

▶ NFLの場合… ー120
▶ …そして NBA の場合 ー121

プロのスポーツ選手にとって、過去の経緯は重要であり、そのときの難局にどうやって陥ったのか頭のなかから消し去るなんて、なかなかできない

▶ 買うなら $170 、売るなら $2400

南カリフォルニア大学、アントニオ・ダマシオ、カーネギーメロン大学、ジョージ・レーウェンスタイン
→損失回避の持つ力を露わにした
情緒をコントロールする脳の領域に損傷がある人たちを実験に選んだ
→普通の被験者にみられるような損失を避けようとする傾向はみられなかった
↓わたしたち
ロボトミー(前頭葉切断手術)でもやらないかぎり、ぼくたちは損失回避から逃れられない

授かり効果★
何かに払ってもいいと思う額は、それを取り上げられるときに失ったと感じる額と同じ
シカゴ大学、行動経済学者、リチャード・セイラー

授かり効果の実験 ー125
バスケットのチケットを使った実験★★

「勝ちは勝ち」「見苦しくても勝てばいい」…
とはいうものの、ファンからすると、過去の経緯が関係ないなんてことは滅多にない

結果が最後までわからなかったときの方が痛みはずっと大きい

▶ 昭和 43 年のフットボール

イェール大学xハーバード大学
引き分けなのに、かたや喜び、かたや打ちひしがれていた

第五章 オフェンスを制する者も勝負を制す オフェンスよりもディフェンスのほうが大事って本当なんだろうか?

▶ MJ のマントラ

1991、マイケル・ジョーダン、シカゴブルズをNBAで優勝に導き、最高の選手だという評価を不動に。
↓ジョーダンの言葉
「ディフェンスを制するものが試合を制す」★★
その後もことがあるごとにその言葉が証明されたことを繰り返す

スポーツにおける決まり事の条文のようになっていった
本当なのか? ー調査→134

「ディフェンスを制する者が試合を制す」どういうわけだか、オフェンスよりもディフェンスが必要不可欠だという意味かもしれない
→統計からはみられない★★

勝ち目の薄いほうのチームにとってはディフェンスが大事なんじゃないか?→これもノー★

▶ なのにどうして?

ディフェンスがオフェンスと同じくらい大事でないなら、…果てはジョーダンまで、どうしてみんながディフェンスをたたえ続けるのか?

選手はインセンティブがないとなかなか積極的に守備をしない
ジョーダンは自分のチームメイトに、正しくも汚れ仕事と呼ばれるプレー、つまり厳しいディフェンスに心血を注ぐように促した
↓つまり
ジョーダンが「ディフェンスを制する者は試合を制す」と語っていたのはチームメイトを働かせる巧妙な手口だったのである★★★

第六章 数じゃない、価値で評価しろ ドワイト・ハワードの232回のブロックショットは、ティム・ダンカンの149回のブロックショットよりも価値が低いのはなぜか?

▶ 学部長の密かな楽しみ

バスケット、ブロックショットには価値の高いものとそうでないものがある ー144
次に繋がっているか?★

▶ 趣味のお仕事

価値のあるブロックショットのランキングは、ブロックショットの数のランキングと異なる結果になった ー145
結局、重要なのは、行為そのものではなく、行為の価値なのである
→ならどうしてNBAは、ブロックを価値ではなく、数で評価するのか?
→簡単な答として、数を数えるのは簡単だから。価値を測るのは難しい。
単純な数字に基づくランキングで溢れている。そういう数字が価値に結びついているとは限らない★

第七章 抜け目のない GM は2割9分9厘のバッターを選ぶ 2割9分9厘のバッターが3割のバッターよりもずっと希少なのは(それに、ひょっとすると価値が高いのは)なぜか?

▶ 9.9 カラットのダイヤなんていらない

下一桁が9の価格とちょうどの価格の差は、実質的に何の意味もない
買値にたいする比率は誤差みたいな小ささ
でも、消費者テストを何度やっても、きりのいい数字の少ししたの価格をつけると、消費者テストの心理に大きな影響を与えることができるという結果になる

きりのいい数字は人を動かす強力な要因
人間はきりのいい数字にいいように振り回されている

打率2割9分9厘と打率3割、他の能力はほとんど同じ人の年俸の差→2%に及ぶ
→ようは13万$ ー154

2割9分9厘の選手のほうが四球を選ばない
3割にしようと必死でバットをふる
しかも結構、うまくいく
2割9分9厘の選手が少なくなる理由 ー157

▶ フリーエージェントの予期せぬ結果

選手が追い求めるきりのいい数字
打点→100点
ホームラン数
ピッチャーの勝利数
→それぞれ将来の年俸というかたちで本物のお金の違いになる

チームもオーナーもゼネラルマネージャーも、きりのいい数字が高いほど喜ぶ

フリーエージェント制度

どうしてスポーツ界はそんなにきりのいい数字を好むのか?
背景に対する疑念 ー162
インセンティブにもとづいている

▶ Mr. 3割

きりのいい数字でおいしい思いをしている選手の話

▶ アナリスト対企業の真っ向勝負

節目の数字をどうしてそんなに大事にするのか?
その誘惑が人工的な壁をつくりだし、ぼくたちはそんなきりのいい数字を重視しすぎ、過大評価してゼネラルマネージャたちのためにもう少し詳しくいうなら、そんなきりのいい数字にほんの少し手が届かなかった人たちを過小評価する

企業の業績にも同じ傾向が見られる

第八章 ミスター・ルーニーありがとう NFLの黒人ヘッドコーチの成績がいまだかつてない悪さなのはなぜか?そしてそれがいいことなのはなぜか?

▶ ダンジーになれたら

トニー・ダンジー、NFL、ヘッドコーチ
1990-2002、アフリカ人系アメリカ人のヘッドコーチ、白人ヘッドコーチよりも成績がよかった
明らかに、黒人がヘッドコーチの職を勝ち取るには、最初から並外れていないといけないということだ
才能のある人を雇えるだけの余裕のあるチームでないといけない?
偏見の匂い

ルーニー・ルール★
新しくヘッドコーチを探す場合、チームは少なくとも一人、少数民族の候補者を面接しなければならない

▶ 黒人コーチのさんざんな戦績の意義

新しい黒人ヘッドコーチの一団の成績
→先駆者よりもずっと悪くなった
そんな転落こそ、ルーニー・ルールが効果を発揮していることを示している
黒人のヘッドコーチは白人の同じ基準で選ばれているという結果を示している★

第九章 楽しい我が家 「地元が有利なのはなぜか」の昔からある説明はどこまでつじつまがあっているんだろう

▶ ロードはつらいよ

地元の利は、反論の余地なく存在する。そして地元の利は、驚くほど一貫して存在する

▶ まずは事実から

40カ国以上、19種目のリーグにおける地元の利 ー181
地元の利は、プレーオフとレギュラーシーズンでほとんどまったく同じ

リーグがレギュラーシーズンで一番成績のよかったチームに、プレーオフでの「地元の利」を与えるのも無理はない
→過酷なシーズン半ばの試合でやる気を出させるのに、こんなに強力やインセンティブはない

「地元で負けないプレーをしろ。敵地では勝てるプレーをしろ」

地元が有利であることの原因の前に、前提の確認。
各チームには地元でできるだけ勝つ、つよい経済的インセンティブが与えられている★★
→地元効果が高まるから

地元の利があることは疑いがない
しかし、通念での説明では筋が通らないということを以降見ていく

▶ 通念その1:ホームチームは観衆の後押しで勝つ

直接的には、そのおかげではない
ファンが選手に与えられる影響はとても小さい。
NBA の例、フリースロー成功率 ー191
NFL
野球のピッチャー

▶ 通念その2:ホームチームが勝つのは、相手が遠征の旅で疲れているから
▶ 通念その3:ホームチームが勝つのは、やさしく穏やかな日程のおかげだ

チームが連戦を強いられるのは遠征中がほとんど
日程が厳しいために、毎シーズン、遠征で1,2試合は余分に負けている
地元では連戦が少ないのに加え、一般的に、同じ期間に行われる試合自体も少ない
→そういったあれこれが敵地に乗り込んできたチームにのしかかる

お金のインセンティブ
NBA でもっとも価値の高いと推定されたチーム、日程の偏りがややつよい

▶ 愛校心いろいろ

対照的に、大学スポーツでは日程が地元の利にとても大きな役割を果たす
かませ犬、カモ、飛んで火にいる夏の虫
そういう相手にシーズンの初めのころに当たる

カンファレンスが日程を決め、強豪校の意のままにならない試合では、ホームチームの勝率は64%から57%に下がる
57%→NFLやアリーナフットボールにおけるホームチームの勝率とほとんどピッタリ
しかし、日程の偏りで説明できるのはそこまで

▶ 通念その4:ホームチームが勝つことが多いのは、「本拠地」独自の特徴を利用できるからだ

212 ーNFL調査の結果
通念とは違い、天候はホームチームの追い風にならなかった

野球は、そうであり、そうでもない

リーグのルールでいろんなことが標準化されたし、インチキを防止するために決められた罰則もあるし、監視のためのテクノロジーも発達したから今日では不正行為をやり遂げるのも難しい

▶ 中間報告:なにがわかったか

ホームチームの選手たちは間違いなく、相手チームの選手より何かうまくやれていることがあるはず。
それは何??

第十章 それじゃ、我が家が楽しいのは本当はどうしてなんだろう? ヒント、ファンが騒ぐというのが重要な点だが、みんなが思っているのとは違う形で重要なのだ

▶ 嘘つけ!嘘つけ!

2009
ミルウォーキー・ブルワーズ、シカゴ・カブス
審判は判定を誤り、ホームチームを勝たせてしまった

▶ 声援のいろいろ

スポーツファン
審判は自分の応援するチームに不利な判定をしているという考え、なんとなくもっている
→そんな不満の声を一番大きな声で口にするのがホームチームのファン

審判は確かに偏っている★
しかし、むしろ有利な判定をするほうに偏っている
実は「審判のバイアス」こそは、地元の利が生じるいちばんの原因なのである

▶ 偏りを測る

審判の偏りをどうはかるか?
サッカーを対象に調べた
ロスタイム、審判は自分の判断で試合の時間を延ばせる
審判はできるだけ、特別な理由で試合が止まった時間の長さを正確に計り ーでも、「特別の理由」なんてこと自体が主観的だ ーその時間の分だけ試合の時間を延ばす

226 ー調査の詳細
試合の状況により、ロスタイムの平均時間が変化している

ホームチームに有利なように反則をとっている
セリエAを調査

野球では、地元と敵地のいちばんの大きな違いは、敵地よりも地元のほうが打席あたりの三振が少なく、四球がずっと多い
→審判の頭の中できまること
→ただし、見るべき指標はバッターが見送った投球がストライクと判定されたかボールと判定されたか

レバレッジ指数を用いた調査 ー231
試合がもうほとんど決まってしまっている状況では、見送った球があまりストライクにならず、ボールになることが多いという地元の利は現れない
しかし、試合の状況が重要になればなるほど強くなる★

筋が通っている
→審判がホームチームにひいきをしているなら
234

▶ 機会の眼

審判が偏っているということを示す決定的な証拠を、審判の偏りをなくそうという特定の目的のために使われている道具が提供してくれるかもしれない
→ピッチ f/x
→すべての投球のコースやなんかの特徴を記録する

審判はカメラに監視されていると知っているときは普段と違った行動をするか調べられる

バッターが見送った球のストライクとボールの判定がホームに有利なことが多いのは、クェステックのUISが設置されていない球場に限った話だった
→審判が監視されていない球場

レバレッジ指数の低い場面と高い場面での比較
低い局面では監視があろうとなかろうと公平だった
高い局面では監視がない場合に不公平が起きていた

バイアスをもった審判たちは(意識的にせよ、そうでないにせよ)自分が行動に出したバイアスの恩恵と代償のバランスをうまくとらないといけない

きわどいコースへの投球に対して大きな偏り
どうみてもストライクだと審判は偏った判定をためらう

▶ 機会の眼、NFL の場合

NFL の審判が偏っている証拠を探す
反則の判定から探る★

インスタントリプレー
導入前後でホームでの勝率は下がった
ボールをファンブルしたときに支配権をあまり奪われないという形でのホームの優位は、魔法のように消えてしまった
→ファンブルの頻度は変わらないのに

反則は?
→その判定は変わっていないはず

成績のデータをみると、ホームチームがオフェンスでいい数字
ランの成功率高い
攻撃時間長い
→判定の偏り、反則少ない、ターンオーバーも少ないからかもしれない

▶ それじゃ、 NBA なら?

フリースローの成功率はホーム、ビジターでほとんど同じ
しかし、フリースローの数はホームチームの方が多い
ビジターの方がファウルをとられやすい

バーミングやトラベリング
いちばん微妙で判断を要する反則
→反則数に大きな差が

▶ NHL なら?

アイスホッケーでは、ホームチームが反則を取られることは、20%少なく、反則一回当たりでペナルティーボックスに入れられる時間も短い
(罰を受ける回数が少なく、罰そのものも軽いということ)

微妙な反則を調べた

▶ 審判が地元びいきなのはどうして?

審判も人間の心理からは逃れられない
社会が及ぼす影響は強力
人間の行動や判断を左右する
本人はそれに気づかないことすらある
→心理学者は「同調」と呼ぶ★

1935、心理学者、ムザファー・シェリフ
人は不確実な状況に置かれると、指針や情報を求めて他人を見る★
そうやって正しい判断をしようとする
多数派と違う反応をするとき、正しいのは自分だとわかっていても、人は不安になる★★

人間が集団に同調する理由★
1. 集団に溶け込みたいから
2. 集団が自分よりもよくわかっていると思うから

▶ 満員のスタンドは誰のため?

審判の話にもどる
大きなストレス ーたとえば、熱狂した観客が大騒ぎしている中で、大事なプレーの判定を下すなど ーに直面すると、人は自然と、そのストレスを和らげたいと考える

ホームチームをわかってやっているかは別として贔屓することでストレスを和らげている
また、正しい判断をしようとして、観客の反応からヒントを得ているのかもしれない

上司たちからの圧力
怒り狂っている観客
の影響

もしこうした考えが正しいなら
観客の多さと状況の不確実性、あるいは、曖昧さが原因だというのが心理学の出す答え
だから観客が多いほど、… 地元びいきが強くなる
観客数と微妙な判定のホームへの有利さの相関 ー261

観客が審判に与える影響の大きさ
いちばんはっきり示す証拠は、「観客が全くいない」ときにどうなるか?
2007 イタリアのサーカークラブの例 ー265
→偏りがなくなった
→プレーには影響はなかった

▶ 決定版:ファンがチームを後押ししたいなら

審判が地元の利を生んでいる
観客の大きさが審判の判定に影響を与える
観客と審判の距離が近ければちかいほど審判がホームに偏った判定をする

▶ カブス対ブルワーズ再び

見逃したストライク、三分の一が誤審でボール

第十一章 「チーム(team)」の文字に「オレ(I)」はない でも m と e は入ってる

▶ オレがオレがの「我」を捨てて…

団結の重要さ
どこまで本当なのか?

NBA での矛盾
史上最高の選手がいないと優勝なんて無理も同然
スーパースターのいないチームが優勝したり、ファイナルにたどり着いたり、プレーオフに参加できる可能性、それぞれどのくらいなのか?
→274 ###image スーパースターが多いほどタイトルを手にできる可能性が高いことを示す

選手の能力がバラバラのチームの方が、能力が粒揃いのチームよりもファイナルに進出したり優勝したりする可能性が高い
スーパースターひとりと力の弱い脇役からなるチームの方が、いい選手を5人揃えたチームよりもいい成績

野球は小さい

▶ …おかげおかげの「下」でプレー

サッカー、バスケット、アイスホッケー
スーパースターがものすごく重要な役割
ならばなぜ、解説者はチームプレーが大事などというのか?

スター選手を自分が言っている以上に価値ある存在と認めてしまうと他の選手のやる気が削がれる
スター選手もそれが分かっている

マイケル・ジョーダン
2009年、ブルズのアシスタントコーチ、テックス・ウィンターにしかられた
「チームの中にオレはないんだよ」
それに対して
「勝ち(win)の文字にはオレ(I)があるぞ。で、あんたどっちがいい?」

第十二章 過大評価されるドラフト1位 マイク・マッコイはいかにして NFL のドラフトを席巻したか

▶ テキサスの山師たち

1991、ダラス・カウボーイズ
新しいオーナー
ドラフト権
選手の価値なんてそんなに早く判断できない

▶ ダラスの秘密兵器、誕生

ドラフトの指名権を数値化するとは?
マイク・マッコイ
NFL ではドラフトの指名権がどんな価値を持つかを、指名権がどんな価値を持つべきかではなく、NFLのチーム自身の行動に基づいて定式化
簡単に言うと値段表を作った
→アメフト選手の。ドラフト何位、何巡目
大ざっなな計算、厳密な計量経済学には基づいていない ー285 ###image

カウボーイズの立て直し、ドラフトにおけるめざましい成功

他にもいいこと。
カウボーイズはマッコイのバイブルをつかい、四六時中高い買い物をし続けている他のチームを割り出した
→ニューオリンズとはいつでもトレードに応じること

しかし、いつまでも、カウボーイズの秘密兵器は秘密兵器ではなかった
→マッコイの労作は盗用された
→公平になった?

誰もマッコイの評価が正しいのかどうかいまだに調べてはいない

▶ 一番は誰だ

正しくはないという行動経済学者
2004
シカゴ大学、リチャード・セイラー
イェール大学、ケイド・マッセイ
マッコイの価格表にしたがったジャイアンツのトレードの例 ー291
常軌を逸した高い価格
フットボール選手の市場、変動が激しいどころか、安定している
みんな同じ指名順位なら同じ値段をつける

マッコイの表は早い順位の指名権を割高に評価しているのではないか?
二人の経済学者は、同じ数字を獲得した指名権の代わりに相手に譲り渡した選手たちの成績を比べた

上位の選手、平均でみると下位指名の選手よりも優れていた
→ただし、その彼らの間の差はそんなに大きくはなかった★ ー294
→第一位指名選手の過大評価

ドラフトの第一位指名権は、二巡目の第一し指名権よりも価値が低い

もう一つの過大評価
より早い指名順位を得るために、将来の指名権の形で高い代償を払っている
→今年のドラフトで一巡目の指名権を得るためには、チームは翌年あるいはそれ以降のドラフトにおける一巡目の指名権を二件提供しなくてはならない
… ー296

内在的割引率 174%

▶ 誰もがみんな人並み以上

NFL のチームはどうして早い指名権をあんなにも高く評価するのか?
→心理学

オークションなどで、価値が不確かなものがでてきたら?
往々にして値段は行き過ぎなところまでつり上がる
→勝者の呪い★★

もう一つのファクター
一般に人は自分の能力を過信する

そして本当は能力を評価するのは難しい★ ー300
ペイトン・マニング、ライアン・リーフの例

▶ それじゃ実績はどうなってる?

すごい選手を引き当てたのかどうかは、わからない
ただただ分からない要素が多すぎ、不確実性がおおきすぎる

ただひとつ確かなこと→どっちにしてもたっぷりお金は払わされること

1999-2009まで、NFLドラフトにおける第一位指名の選手は攻める側でも守る側でも新人王になった人は誰もいない
↓もっとがっかりなのは
第一位で指名されている選手のほとんどがハズレだったこと

▶ そしてダラスはどうしたか

NFL のオーナーたち
勝ちたいか、儲けたいかのどちらか
もしくは両方
→ダラスの表に従うとどちらにも失敗する

最高の才能を過大評価
そのうえ、選んだ選手がハズレだったときでさえ、たっぷりと年俸を払うことになる

定石を無視して表から逸脱できるならチームが手にする報いはとても大きい

最上位の指名権を過大評価していることに気づいたならば、自分が得た最上位の指名権をトレードに出して下位の指名権をたくさん手に入れる

表の枠をはみ出した例二つ ー310

第十三章 コイントスこそすべてを制す NFL の延長戦に比べれば、アメリカン・アイドルなんてぜんぜん公平なのはなぜか?

▶ 今日いちばんのビッグプレー

NFL 規定の試合時間が終わったところで同点なら、…コイントスで決着する
コイントスに勝ったチームの勝利率→61%
コイントスで勝った側と負けた側それぞれが試合に勝つ確率を比較すると
61対39となる
→コイントスに勝った側がキックオフをして、まず守備につくほうを選んだ方がたった7回(460回の延長戦のうち)なのには、誰も驚かない

▶ 解決策いろいろ

NFL の延長戦をもっと公平にする方法の提案
UCバークレーの経済学者、デイビッド・ローマー
キックオフの位置を5ヤード前に出す
→次に得点をあげるのがいまの攻撃チームである可能性といまの守備のチームである可能性が同じになる「損益分岐点」

2010年のルール変更 ー218
ただし、変更は勝者を決めなければならないプレーオフの試合のみ
レギュラーシーズン中は相変わらずコイントスが行われ…

第十四章 なぜ、ステロイドに手を出してしまうのか? ドミニカ人の野球選手が他に比べてステロイドを使っている可能性が高いのはなぜか?アメリカ人の選手がハッパを吸っている可能性が高いのはなぜか?

▶ 懺悔の極意をバッティングに見た

20100111、セントルイス・カーディナルス、マーク・マグワイア
公に懺悔、筋肉増強剤をつかっていた
PED
カーディナルスの打撃コーチに内定したときに重なる
→良心の呵責からなのか、新しい仕事のためだったのか?

懺悔はうまくいった?
ステロイドは健康上の問題からだけ、体力の増強が目的ではない

▶ ウェリントンを紹介します。ただいま謹慎中です。

野球界でステロイドの大部分を買ったり使ったりしているのは、根っからの野球好きでもあまり名前もしらない選手たち
→マイナーリーグの選手たち

ウェリントン・ドーテル

メジャーリーグの選手のうち、73.6%がアメリカ人なのに出場停止処分を受けた選手のうちアメリカ人は40%に過ぎない
対照的にドミニカ出身の選手はメジャーリーグの選手の10%にすぎないが、薬物で出場停止になった選手の12%をしめている
ドミニカ、ベネズエラ出身の選手がアメリカ出身の選手が筋肉増強剤を使って出場停止をくらう確率より四倍高い
…その他の調査結果 ー327

▶ 出身国でこんなに違うのはなぜ?

問題は複雑にして厄介
手に入れやすさ?
自国での規制の緩さ?
選手の狡猾さ?
↓経済の単純な原理で説明がつく
意志決定には二つのコスト(行動することのコストと行動しないことのコスト)を「機会費用」として考える過程が伴う
→野球界の以前のルールでは、クスリに手を出すインセンティブは実施的に全選手にわたって大きかった
中でも極端なのがドミニカ、ベネズエラ
メジャー契約ではないので、裕福な生活は保証されていない
一方で薬物検査に引っかかるリスクは低い、罰則も低かった
2004に筋肉増強剤を以前より厳しく取り締まるようになってなお
↓つまり
選手たちには失うものはほとんどなく、得るものはほとんどすべてだった

国のゆたかさをさまざまな指標で比較 ー331-332 ###image
→生活水準が低く、機会の限られた国出身の選手ほど筋肉増強剤を使う可能性が高い

経済的インセンティブ

選手がステロイドを使う背景に経済の仕組みがあふことを示す証拠をもうひとつ
→成功したいと必死の選手は、キャリアのいちばん初めから筋肉増強剤を使うばかりでなく、捕まった後にも使い続けている
→ドミニカ、ベネズエラが多い
平均所得が低く、高校や大学の卒業率も低く、また失業率が高い地域出身の選手ほど筋肉増強剤の使用率が高い

経済的インセンティブが元になって始まったことでも、それが自分で勝手に成長していく文化になり、薬物を使うことが許されるばかりか求められたりすることだってあり得る。そうなると、選手は優勢に立つために薬物を使うのではなく、落ちこぼれないために薬物を使うようになる

▶ 筋肉増強剤は何をしてくれるか

筋肉増強剤をつかって出場停止をくらった選手はくらっていない選手にくらべて、一つ上のリーグに上がれる可能性が60%も高い

生まれた国や年齢、ポジションの影響を取り除くと、筋肉増強剤を使って捕まった選手たちの身長と体重はそうでない選手とくらべてずっと低く、軽い
→筋肉増強剤というゲタを履いていちばん得るものの大きいのは上背がない選手だろう
→「怪我を治す」という主張を真っ向からはねつけている

筋肉増強剤を使う選手の行動は、借金をして金融市場へ乗り込む人の行動に似ている

第15章 プレーの前にタイムをかける作戦は本当にうまくいくんだろうか? 〜選手は凍らされると溶ける?

▶ ライブ・フロム・ニューヨーク

キッカーをカチンコチンに凍らせればミスする可能性が高くなるんだろうか?
スコット・ペリー、クレイグ・ウッド、統計学者
2002、2003のNFL
焦点をあてたのは「プレッシャーのかかるキック」
ー 344
→キッカーが凍らされた場合と凍らされなかった場合の結果の差は有意ではなかった
どちらもキッカーが成功する割合は約70%

▶ ファールゲームの心理戦

NBA
フリースローの前に凍らせる
やはりタイムアウトを取ろうが取るまいが影響なかった

第16章 「絶好調」という神話 選手やチームは勢いの波に乗ったりできるのだろうか? あるいは、ぼくら(や彼ら)はそんな気になっているだけなのだろうか?

▶ 悪ガキ電子レンジ

デトロイト・ピストンズ
ビニー・ジョンソンのこと
「一瞬で絶好調になれる能力」

勢いなんてものはスポーツにはないっていったら、あなたどんな顔しますか?

▶ 調子の波は続くのか?

出す結果が続けてよかったり続けて悪かったりすることは間違いなくある★
→ひとつはっきりさせておくこと
↓ほんとの問題は
そういう調子で将来の成績が予測できるかということ

バスケットボールにおける勢いと好不調の波の研究 ー354
→勢いの存在を示す証拠は見つからなかった
直前までの成功・不成功とフィールドゴールが入るか否かは関係ない
シュートが入っても ーあるいは外れても ー次のシュートが入るかどうかには関係ない

選手たち自身、調子の波は存在すると固く信じていた
彼らは自分たちが好調だとか不調だとか感じるのだ

研究者たちによると、ジョンソンも彼のチームメイトも、ジョンソンは連発屋だと「思っていた」

個人のレベルで勢いが存在しないなら、チームではどうか?

一言です言えば、ノー
勢いは持続しないどころか反転する
勢いに乗ればチームはいい結果を出すのではなく、わるい結果を出す可能性が高い
→反転が起こる原因が何であれ、勢いが続くと示す笙子はまったく見られなかった

大逆転のケース

連勝中のチームが次の試合にかつ確率が高いという証拠も見つからなかった

勢いの続くニッチなスポーツ
ボーリング、ビリヤード
同じ動作の繰り返し、物理的な場所も変わらない
→状況が異なる

▶ 宝くじ買うならゾロ目で決まり

「スポーツは勢いが大事だ」となぜ信じているのか?
↓心理学
人は、ものごとをパターンに当てはめたがる、不可解なことが嫌い★
だいたいの人は偶然の法則があまり分かっていない
↑実験 ー364
1953
ジョンズ・ホプキンス大学
心理学者、アルフォンス・シャパニス

▶ あのシャックがコービーに勝つ?フリースローで?

フリースローの5本勝負なら

▶ ありそうもない実績

たまたまのことに振り回されてしまうと、実はとんでもない大変なことに見えてしまったりする★ ー368

ぼくたちは起きたことの説明を欲しがる
でも正しい説明は単純なのだ
→運、偶然、まぐれ★
勢いなんてこれっぽっちも関係ない

サンプル数がいちばん多い指標を選ぶ★★

▶ 1000連勝の勇士の嘆き

どうやって人に、その人自身(やほかの人たち)の直感に反することをやらせるか

エイモス・トブァスキー
心理学者、勢いや絶好調神話に関する研究の草分け
調子の波はない、1000回論争して全部に勝ったが、誰一人として納得させられなかった

第17章 真っ赤なウソをつく統計データ 「ここ5回のうち4回」というのは、ほぼ間違いなくここ6回のうち4回であるのはなぜか?

▶ クリプトネイト曰く

データは作為的に選んであるし、サンプル数も小さく、短い期間から集めていることが多い

▶ アナウンサー曰く

スポーツマスコミで働く連中はものすごく極端なシナリオを売り込むことで利益を得る★★
全体として都合のいいデータを取捨選択する

アナウンサーの言いぐさの例 ー377
どちらの言いぐさも正しい。どちらが使った統計データも本物だ。でも、彼らが描き出した絵はまったく違っている

▶ 電光掲示板曰く

チームもおいしいところを取りに行っている

第18章 シカゴ・カブスは呪われている? 違うというなら、なんでああも勝てない?

▶ みんなあいつのせいだ

スティーブ・バートマンの粗相 ー380

▶ それも運のせい

運とは何だろう?
ヤンキースのすばらしい成功を運という人はいない
では、何でカブスの目を疑うような失敗続きを運のせいにするのか?

運とは、ぼくたちには説明のつかないことだ★★
で、ぼくたちは説明のつかないことを運のせいにしがちである
↓心理学
人は自分の成功を能力のせい、自分の失敗を運のせいにしがち
→自己帰属バイアス★★

呪い、あるいは不運は簡単な解決
→失敗を運のせいにすれば、もうそれ以上答えを探さないですむ

カブスの勝てない本当の理由は何か?
チームの命運を変える方法はあるのか?
→そもそも測れないものを測る必要がある→つまり運を

運が悪いとは?
制御できないことを示している
結果が能力に見合ったものにならないということ

運を測る方法
チームの成功や失敗がどれだけ説明できないかを考える
カブスの成績は説明が付く
グラウンドでのプレー内容を調べると、カブスがいつもいつも勝てないのがまったく無理からぬことだとわかる

▶ で、ほんとうは何のせい?

当たり前のことをいうなら、カブスが勝てないのはあまりいいチームをグラウンドに送り出していないから
人材のそろえ方からダメ出しできる ー394

より大きな問題
どうしてカブスはいいチームをつくらないのかということ
→インセンティブが関わっている
ファンの心をがっちりつかんでいるチームで、もう勝とうが負けようが試合にくる観客の数もファン層の大きさも揺るがない、そういうチームを想像してほしい

▶ 忠実なファンは敵か?味方か?

MLB 全チーム、地元での試合の観客数がチームの成績にどれくらい反応しているかを計算すれば、ファンがチームの成功にどれくらい敏感かはかることができる ー396
→カブス、球界一、勝率への反応が薄かった

隠れたインセンティブを測る方法
カブスは勝てないくせに、フォーブス誌によるとMLBで5番目に価値の高いチームということになっている

カブスに与えられた価値大という金銭的なインセンティブは弱い

▶ カブスとヤンキース、超えられない壁

勝負は往々にして、競争で優位に立つべくもっと努力しないと手に入らない
ギリギリのちょっとした差で手に入ったり入らなかったりする

▶ カブスとヤンキース:黙ってビール飲め

愛すべき負け犬
人は敗北の下では平等だ

ホリー・スワイヤーズ
人類学
カブスファンという部族の研究
チームの不幸でいっそう強く結びついている

お金のインセンティブ
1990-2009
MLB のチーム、勝てば勝つほど、価値が上がった
ただ一チーム、カブスを除いて。
カブスの価値は負ければ負けるほど高まった

カブスの価値を高めるのが勝ちでないとしたら、一体何が観客を球場へ足を運ばせるのか?
→「カブスの野球。黙ってビール飲め」

1983
リー・エリア監督の長台詞 ー407
リグレーの観客数は、カブスの勝率よりも ーずっとずっと ービールの値段に敏感なのだ
1984-2009までビールの値段を調べた

カブスのファンは酷い試合と高いチケットには我慢できても、酷い野球と高いビールには我慢できない

結論 ー410

エピローグ

タイトルで迷った
この本に取り入れた原理を思い出す
データには価値がある。サンプルが大きければ大きいほど、情報はより正確になる。
人それぞれの偏見や好みも独立したデータに照らし合わせれば照らし合わせるほど和らげることができる★★

タイトル、Twitterなどで募る
数多くの意見が集まる
→「スコアキャスティング」と決まる

意見があれば
Scorecasting.com
もしくは、この本のFacebookページ

▶ お礼の部
▶ それぞれのお礼
▶ 訳者のあとがき 〜なにゆえミクロ経済学者はスポーツを真剣に見るか

自分の意見と違っているとき
「それって何か根拠があるの?ソースは?」
何かの主張をして、その主張を支持する事例をいくらか出してみても、情報量としてはあまり増えない
主張に反する事例なら一つだけでも十分に意味があったりするが、支持するほうの事例は山ほど積み上げないと、あんまり大きな意味はない
→「飲み屋のケンカ」は収まらない

本書、そういう飲み屋のケンカにケリをつけてみせるという大胆なことを試みている

読了 7/23 20:45

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