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「リーン・スタートアップ ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす」の読書メモ

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はじめに

素晴らしい製品、素晴らしいチーム、目の覚めるような技術、そして時代の要請にかなった着想、でも失敗

現実は、スタートアップのほとんどが失敗する

アントレプレナーとしての10年の経験
自身の成功と失敗
おもしろくないことこそが大事だと気づいた
スタートアップは遺伝子が優れていれば成功するものでもなければ、適材適所で成功するものでもない
正しいやり方で進めるからこそ成功する
↓つまり
やり方を学べる
やり方を教えられる

起業はマネジメントの一種

IMVUの例
ユーザーの意見は断固として取り入れなかった
ユーザーの希望よりもユーザーで実験していた
→普通はよくないといわれるが、それが功を奏した
↓ベース
リーン生産方式
デザイン思考
顧客開発
アジャイル開発
↓イノベーションを継続的に生み出せる点が新しい
リーン・スタートアップ

▶ リーン・スタートアップの起源

技術志向
技術的な問題は技術で解決できると思っていた

メンター
他の業界について学ぶ

無駄を排除するリーンな考え方をイノベーションに応用
→リーン・スタートアップ

スタートアップの教訓というブログ
Startup Lessons Learned

▶ リーン・スタートアップ方式

1. アントレプレナーはあらゆるところにいる
アントレプレナー
→とてつもなく不確実な状態で新しいものやサービスを創り出さなければならない人的組織を指す言葉
そこで働く人は皆、アントレプレナー
2. 起業とはマネジメントである
スタートアップとは製品ではなく、組織である
3. 検証による学び
どうすれば持続可能な事業が構築できるか、それを学ぶことの意義
4. 構築ー計測ー学習
アイデアを製品にする、顧客の反応を計測する、そして方向転換するか辛抱するか判断する
→スタートアップの基本
5. 革新会計
進捗状況の計測方法、チェックポイントの設定方法、優先順位の策定方法

▶ スタートアップはなぜ失敗するのか

すぐれた計画やしっかりした戦略、市場調査の活用に目が奪われてしまう

旧来の総括マネジメント手法では現状に対処できないと気づいたアントレプレナーや投資家の一部に、方法論をあきらめてとにかくやってみようといいだした人々が存在すること
マネジメントに問題があるなら無秩序にすればいい
→これもうまくいかない
→破壊的、混沌とした組織を管理しなければならない

▶ 本書の構成
▶ マネジメントの第二世紀

しっかりと大地を踏みしめて企業とイノベーションが進められる道を示すことが本書の目的

第一部 ビジョン

第一章 スタート

▶ 起業マネジメント

スタートアップの構築=組織の構築
→マネジメントは避けて通れない

アントレプレナーには起業にともなうチャンスを現実のものにするマネジメント原理が必要

米国の雇用情勢、生産量 ー26…27

▶ リーン・スタートアップのルーツ

トヨタのリーン生産方式に由来する名前
作業員がもつ個人的な知識や創造性の活用
バッチサイズの縮小
ジャストインタイムの製造と在庫管理
サイクルタイムの短縮

リーン・スタートアップでは、
検証による学びを単位として進歩を計測する

企業の理論
ベンチャーが必要とするすべての機能をカバーすべき
ビジョンとコンセプト
製品開発
マーケティングと営業
スケールアップ
提携と流通
構造や組織の設計に至るすべて

機能横断的なチームとしての学びの中間目標を達成するように求めるべき

リーン・スタートアップでは、従来とは異なる方法で生産性を測る必要がある
スタートアップの目標は ー顧客がほしがり、お金を払ってくれるものー を突き止めること
↓つまり
リーン・スタートアップとは?
サイクルタイムの短縮と顧客に対する洞察、大いなるビジョン、大望とさまざまなポイントに等しく気を配りながら、検証による学びを通して画期的な新製品を開発する方法

スタートアップの成長のエンジン
新しい製品、機能、マーケティング手法
→この成長エンジンを改良しようとする仕組みといえる
→それに大半の時間をつかうのが、スタートアップ

ほとんどのスタートアップ
自動車の運転よりも宇宙船の発射に近い事業計画が多すぎる
ごくわずかでも仮説が間違っていると悲惨な結果がもたらされる計画になっている

リーン・スタートアップ
構築ー計測ー学習というフィードバックループをハンドルとして、ピボットをいつすべきなのか、いままま方向性を維持して辛抱すべきなのか、この操縦プロセスを通じて学ぶことができる
自分たちがどこに向かっているかは、操縦している間、明確に意識づける

スタートアップにも明確に目的地が存在する
繁栄して、世界を変える事業を構築すること
→ビジョン★
そのビジョンを実現するために、戦略を採用する★
ビジネスモデル、製品ロードマップ、提携企業や競合他社の視点、予想される顧客…
そして、その戦略から生み出される成果物が製品★

製品は最適化というプロセスで変化
→エンジンのチューニングと呼ぶ★

第二章 定義

▶ アントレプレナーとはどういう人間を指すのか?

起業の前提条件
イノベーションの原材料を現実世界の成功へ変換するプロセス
イントレプレナーとアントレプレナーに境界はない

▶ アントレプレナーにとってスタートアップとは何か?

スタートアップとは、とてつもなく不確実な状態で新しい製品やサービスを創り出さなければならない人的組織である
定義に含まれなかったところが大事
→とてつもなく不確実な状態で新しい製品や事業をつくりだそうとするものは、全員がアントレプレナーなのだ

組織という単語は、官僚主義やプロセス、場合によっては無気力といった意味合いまでを暗示する
スタートアップとは、部品を集めた合計を超えるものであり、とても人間くさい仕事なのだ

製品、できるだけ広く定義をとらえ、顧客となる人々にとっての価値を生み出すもの、すべてを指すと考えたい

イノベーションや革新も広く意味をとらえる必要がある
科学的な新発見、既存技術の転用、隠れた価値を掘り起こす新たなビジネスモデル、今まで提供されていなかった場所や提供が不十分であった場所に対する製品やサービスの提供

イノベーションが生まれる状況
ほとんどの会社にはそういった状況がない
不確実な状況

▶ スナップタックス

2009、税金還付に必要なすべての手続きを携帯ひとつでできないか
→スナップタックス
インテュイットが開発
財務・会計・申告のソフトウェアで全米最大の企業
7000人の社員

イノベーションのジレンマにはまりそうな規模
持続的イノベーションを得意としており、未来の成長をもたらす画期的な新製品を苦労してつくりあげる破壊的イノベーションは不得意

インテュイットの内部だけ
自由にできる特区を経営幹部が用意
わずか5人のチームから始まった

イノベーションはボトムアップで進む
分権から生まれるもので予測はできない
だからといってマネジメント不能ではない
→ただし新しいマネジメント手法が必要

▶ 7000人によるリーン・スタートアップ

伝説的なアントレプレナー、スコット・クック
1983
インテュイット
2002
失敗する新製品が多すぎた
それから7年間、マネジメント文化を変えようと努力
リーン・スタートアップ方式の話も聞きたいと。
→当時のマネジメント手法
ひとつしか試さない場合、アントレプレナーでなく、政治家が増えてしまう
100もの優れたアイデアから自分のアイデアを採用してもらう必要があるから
それでは駆け引きや売り込みが得意な人ばかりが増えてしまいます
でも、テストが500種類になれば、全員のアイデアを試すことができます
そういった状態では、やってみては学び、修正してもう一度やってみてはまた学ぶアントレプレナーが生まれる

チーム
重役に評価されるのではなく、顧客に評価されたがっている
問題となるのは、中間管理職
ビジネスリーダーには、分析が得意だから成功した人が大勢いる
彼らは自分をアナリストだとおもっており、企画立案と分析を行うこと、そして、計画を策定することが自分の仕事だと思っている

テストの構築・実施・分析
このようなテストシステムを開発するのは経営幹部の仕事
トップが用意しなければならない

第三章 学び

アントレプレナー、エンジニア、マネージャーの顔

学び
遂行を失敗したときの言い訳としてよく使われる
約束した成果が出せなかったとき、管理職はその言葉で逃げようとする
↓しかし
アントレプレナーに従って未知の世界に足を踏み入れた社員にとって、学びはなんの慰めにもならない
投資家にも。
アントレプレナーが生み出したイノベーションに生き残りをかける組織にも。
→ゆえに学びは評判が悪い

だが、同時に、とてつもなく不確実な状態における組織の構築が企業の基礎として必要なのであれば、学びは起業に欠くことのできないものだといえる
戦略のどの要素がビジョンの役にたっているか
どの要素が単なる無茶なのか
正しく学ぶ必要がある

リーン・スタートアップ
→検証による学びという概念で学びをとらえ直す

▶ IMVU における検証による学びの例

すばらしい戦略
インスタントメッセージの市場を選んだ
ネットワーク効果が大きい市場
メトカーフの法則にしたがう
→ネットワーク全体の価値が参加者の二乗に比例する

インスタントメッセージに
ユーザーひとりあたりの収益が大きい三次元のビデオゲームと仮想世界を組み合わせる
新しいインターフェースに慣れる必要ない、最大の障害である友達を説得する必要もない

*6ヶ月で製品発表
最初はバグだらけだった
何を直し、何に目をつぶるか、どの機能は割愛し、どの機能は詰め込むか

それでも発表期日は延期しなかった

*製品発表
誰も使わなかった
→製品の改良に励んだ
→ある程度の顧客
売上を目標にしていたのは、正解だった、と。
定量的な目標が、あったから定期的な調査をしようということになったし、また、どういう質問をするかも決められた

*顧客と話をする
IMVU
アバター機能
自分一人で使ってみたい。友だちを招待する前に、これがクールなものかどうか自分ひとりで試してみたい

チャットナウ

世の中にはいったいいくつのインスタントメッセンジャーがあるのか

顧客がほしいと思うのは、IMアドオンではなく、スタンドアローンのIMネットワークだった
新しいIMプログラムについて学ばなければならないのは障壁にならない
招待することも障壁にならない

アバター型IMをいままでの友だちと使いたいはずという仮説が間違っていた

*自分がした仕事を捨てる
捨てなければならなかったのは、数ヶ月分の仕事
顧客が使いたがらない製品をつくってしまった
→本当に落ち込んだ

早期の学びをしたから、IMVUは最終的に成功を収められた
失敗を正当化したいと思うときに必ず使える言い訳がある
→最初の製品をつくらなかったら我々の戦略が間違いだと学ぶことはできなかったはずだ

学びという言い訳でしばらく自分を慰められた
↓すぐに気がかり
顧客に関する知見を得ることが目的だったのならば、どうしてあれほどの時間がかかってしまったのか
優れたものにすることばかり考えていなければもっと早く学べた★

▶ 価値と無駄

我々の努力のうち価値を生み出しているのは、どの部分で無駄なのはどの部分なのか ーリーン生産方式の中核
アジャイル開発
無駄の排除ができるように考えられた方法
↓にも関わらず
チームの大半の努力は大半が無駄になってしまった

★リーンな考え方における価値とは顧客にとってのメリットを提供するものをさし、それ以外はすべて無駄だと考える
製造業→製品がどのように組み立てられるかは顧客にとって意味がない
↑ところが
スタートアップの場合
顧客が誰なのかも分からなければその顧客が何に価値を見いだすのかもわからない
価値の定義を見直す必要がある
つまり、何が顧客にとっての価値を生み出すのかについて最初の数ヶ月で学んだこと
→この学びにつながらないものはすべてが無駄と言える

最初に顧客が使うこともしてくれなかった機能
→どれを優先すべきかと検討するのに膨大な時間
何かを作る前に仮説が大間違いだと確認する方法はなかったのか

★検証による学び
顧客の望みを学ぶためにどうしても必要なもの以外の努力はなくてもいい

▶ 検証はどのように行うか

失敗後の課題、顧客が本当に望んでいることを見つけ出し、その望みに製品をあわせていくという地道な作業

投入した労力から検証による学びをどれほど多く得ているかを基準にするのだ

具体例 ー74
失敗からの方向転換
IMVU を選ぶ顧客はオンラインで新しい友達を得たいと考えていた

▶ 大胆なゼロ

小さな数字がでるくらいなら、売り上げゼロ、顧客ゼロ、魅力ゼロのほうが資金をはじめとする経営資源を手に入れやすい
ゼロにはいろいろと想像する余地があるが、小さな数字は将来的に大きな数字になりうるのかという疑問を招いてしまう
↓検証による学び
大胆なゼロがもたらす無駄を減らせる
虚栄の評価基準と成功劇場に頼りたいという誘惑に負けず、製品開発という形で大きな成功にむけて少しずつ進んでいると証明すること

▶ IMVU以外への応用

ハーバード・ビジネス・スクール
学生、IMVUの戦術に目を奪われがちなのが気懸かり
→いずれも有用だが、肝ではない。例外が多すぎる

リーン・スタートアップとは
明確な指針に基づく新製品開発の方法
個別の戦術を正しく評価するためには、戦術を支えている原理を理解する必要がある

一番のポイント
どのような業界であれ、スタートアップは大きな実験だと考える
問うべきはこの製品はつくるべきかであり、このような製品やサービスを中心に持続可能な事業が構築できるか

第四章 実験

Just do it型
この方針に従うと様子を見ることには成功するが、検証による学びが得られるとは限らない
失敗がなければ学びもない

▶ 錬金術から科学へ

リーン・スタートアップ
スタートアップが行うことを戦略を検証する実験としてとらえ直す
戦略のどの部分が優れていてどの部分が狂っているのかを検証する実験
・なにが起こるか予想する仮説をたてる
・予測と実測を比較

スタートアップの実験はビジョンに基づいて進める

*大きく考え、小さくスタートする
ザッポス、世界最大の靴屋
シンプルな形でスタート
このときの目的は、靴のオンラインショッピングにおいて優れた体験のニーズが十分に存在するか否かという問いに解答を得ること
→ザッポスの学び ★83

定量的なテストには定量的な学びを組み合わせる必要がある

*長期的な変化を起こすため、今すぐ実験に取りかかる
HP社、ソーシャルイノベーション部門
HP社、地域社会で月最大4時間、ボランティア活動することが推奨されている

仮説
会社としては昔から地域社会への貢献に価値をおいてきたが、最近の経済状況から短期的な利益の確保が全社的に優先されるようになった
古参の社員、ボランティアで地域社会に恩返しする価値をふたたび確認したい
べつの仮説
ボランティアで職業的なスキルを活用したほうがボランティアを受け入れた組織にとってはありがたく、また、そのほうが社員の満足度も高ければ継続的な参加も増えるはずだということ
↓リーン・スタートアップ形式ならすぐさ的確かつ徹底的に検証できる

*分解
最初のステップ
全体のビジョンを分解して構成部分に分けること
★価値仮説
→顧客が使うようになったとき、製品やサービスが本当に価値を提供できるか否か
→高精度な答えを得られるのが実験
★成長仮説
→新しい顧客が製品やサービスをどうとらえるかを判断するもの

コンシェルジュ型用最小限の製品
→第六章
顧客が実際に行った行動を計測する必要がある

アーリーアダプターが参加を断る
→戦略に大きな問題、あきらめろということではない
→どうすればプログラムを改善できるか、定性的なフィードバックを求めるべきだということ

▶ 実験は製品である

実験のどれかが成功すれば、それはつまり広報活動を始められることを意味する

コダック4つの質問
1. 我々が解決しようとしている問題に消費者は気づいているか?
2. 解決策があれば消費者はそれを買うか?
3. 我々から買ってくれるか?
4. その問題の解決策を我々は用意できるか?

製品の売り方と作り方がわかるまで、エンジニアリングの労力をつぎ込んでも意味がなかった ー イベントアルバム

マーケティングを始める前に実験と改良のサイクルを繰り返した方が最終的にはよい結果になる

▶ ビレッジランドリーサービスの例

インド人にとっての洗濯機、高価

▶ 政府機関でリーン・スタートアップ

20100721、米金融改革・消費者保護法
消費者保護局

事実ではなく仮説に基づく計画の部分をみつけだす、その仮説を検証する方法を考える

実験の対象は全国とせず、たとえばどこかの町の数ブロックだけなど、ごく狭い範囲に制限する
その範囲では十分に認知できる多少コスト高の広告手法が使える
実験システムを出発点として継続的に改良を施せば、ゆっくりかもしれないが確実にサービスを拡充していける

アントレプレナー
共通する問題
十分な調査にもとづく計画を信じるという一般的な統括マネジメント手法の常識を乗り越えなければならない点

第二部 舵取り

▶ ビジョンから舵取りへ

スタートアップとは
本質的にアイデアを製品に変える触媒のようなもの

フィードバックの2種類
定性的なもの
→なにが気に入って何が気に入らないか
定量的なもの
→何人が利用して何人が役に立つと思ったか

スタートアップが生み出す製品の実態は実験、その実験から得られる成果はどうすれば持続可能な事業が構築できるかという学び

★構築→計測→学習のフィードバックループについてその構成要素をひとつずつ詳しく検討

スタートアップに科学的な手法を適用するためには、検証する仮説を選ばなければならない
挑戦の要
→スタートアップの計画の中で最もリスクが高い要素、他の要素の要
→価値仮説、成長仮説

構築フェーズ
できるだけ早く、実用最小限の製品をつくる →MVP

計測フェーズ
革新会計
→学びの中間目標の設定

行動につながる評価基準には実務的なメリット
虚栄の評価基準

最も重要なポイント→ピボット
構築→計測→学習のループを回り終えたとき、アントレプレナーは必ず難しい問いに答えなければならない
110

第五章 始動

Facebookが利用者が少ない時期になぜ資金を調達できたのか?
投資家の着目した点
1. Facebookのアクティブユーザーがサイトで過ごす時間
ユーザーの半数以上が毎日アクセス
2. 大学キャンパスへの普及速度

価値仮説と成長仮説はいずれもスタートアップがかならず直面する最重要の要

ここでスタートアップがやるべきなのは
実験を行って自分たちの条件に適したやり方を見つけること

▶ 戦略は仮説に基づいている

事業計画は仮説からはじまる
仮説を前提に戦略をたて、ビジョンの実現に向けて進んでいく
なるべく早期に仮説の検証を行う

アントレプレナーにとっては、その仮説を体系的に検証できる組織を作らなければならない
次に全体的なビジョンを見失わないように注意しながらその検証を的確に行っていかなければならない

事業計画の前提となっている仮説はほとんどがごく普通のもの
Facebook→広告主は顧客の注目に対してお金を払う
↓その陰に真面目な顔ではっきり言うには勇気のいる仮説が存在する
→この仮説が挑戦の要 ★
→アナロジー型の論証という形をとることが多い
↓つまり
我々の技術を使いたいと強く思う顧客が本当にいるのか確かめる必要があるのだ

*類例と反例
他の企業や業界との比較
→戦略のベースにするのは悪いことではない
→むしろ、挑戦の要である仮説を判別できる場合がある
類例:iPodに対するウォークマン
反例はNapster

*適切なタイミングで適切な場所にいたの向こう側
有名なアントレプレナーは皆
成功と失敗をわける鍵
計画のうまくいっている部分と道を間違っている部分をみつけられるだけの先見性と能力、ツールをアントレプレナーがもっていて、戦略を状況に順応させられるかどうか

*価値と成長
Facebook、要となるふたつの仮説がきわだつ
価値仮説と成長仮説

あたらしい製品やサービスを理解すれ場合、まず、それが基本的に価値を生み出すのか破壊するのか確認しなければならない
→価値とは利益ではなく、経済学でいう価値

成長
価値と同じようにアントレプレナーはスタートアップの成長理由を理解していなければならない

偽りのスタートアップと本物のイノベーターをわけるものが革新会計

▶ 現地・現物

トヨタ生産方式における用語
→自分で行ってみること ★
自分で現場に赴き、自分の目で確かめなければ、事業が抱える問題をごく一部でも本当に理解したと信じることができない

シエナの話 ー120
伝統的な持続的イノベーション

スタートアップが早期に見込み客と接してどの仮説から検証すべきなのかくらいしか分からない

▶ 事務所を出る

アントレプレナー
評価尺度の実体は人である ★
最終的に顧客となるのは息をし、いろいろ考え、買ってくれる個人
その行動は計測できるし、変えられる
我々が集めなければならない情報は事務所の外にしかない ★
↓このプロセスでまず確認すべきなのは
挑戦の要となる問いが現実に即しているかいなかを確認すること

*デザインと顧客の原型
最初に顧客と接するとき求めるのは、最終的な回答ではない
→どういう人が見込み客なのか、また、彼らがどういう問題を抱えているのか大まかに理解するのが目的
↓これさえ理解できれば
ターゲットとする顧客の人間性を記した文書という形で顧客の原型がつくれる
→インタラクションデザイン、デザイン思考 ★
→最終的に顧客にわたされるのはひとつという欠点
↓そうして生まれた
リーン・ユーザーエクスペリエンス

▶ 分析による停滞

アントレプレナー
市場調査を行い、顧客とはなすときに陥りやすい危険
1. すぐに開発をはじめようとしてしまう
→しかし顧客は自分がなにを望んでいるかわからないため、アントレプレナーは正しい道に進んでいるという錯覚に陥りがち
2. 分析による停滞
→アントレプレナーの戦略に問題があるのは、基礎にした事実が間違っていることが多い ★

第六章 構築・検証

GROUPON
もともと商取引を目的にはしていなかった
集団的活動のプラットフォームをつくるつもりだった
手作りのPDF、ピザのクーポン、シンプルなブログから始まった

MVP なら学びのプロセスを素早く始められる

▶ 最初の製品で完璧を狙わない理由

アーリーアダプター
変わったタイプの顧客
80%のソリューションでもいいと思う
アーリーアダプターは製品にかけている点を想像力で補完する
新しい製品、技術をいち早く使ってみることが一番の関心

アーリーアダプターが求める以上に機能を増やしたり完成度を高めたりするのは資源も時間も無駄にする行為といえる

やらなくても学び始められることは、どれほど重要に見えてもすべて無駄

▶ 動画型MVP

Dropbox の話
初期、エンジニア中心
製品開発と並行して、顧客にとって何が重要なのかフィードバックを得ようとした
↓誰も欲しがらないものを何年もかけて開発したあげく、誰もほしがらない製品だとわかる失敗を避ける

動画をつくった
→アーリーアダプター対象、技術がどう動くのか示す3分ほどのもの
135

▶ コンシェルジュ型MVP

フード・オン・ザ・テーブルの例
自分や家族の好みに合わせて一週間の献立と食材のリストをつくってくれる
国内の食品雑貨店をほぼすべて管理するデータベース、レシピと食材のマッチング、適切なカスタマイズとタグ付け

顧客一人から始まったサービス
このアーリーアダプターにコンシェルジュ型の対応をした
人間性の感じられないソフトウェアを使ってもらうのではなく、CEO自らが彼女の自宅を訪れる
フィードバックをもらうと必要に応じて変更を加える

効率が悪すぎる?
リーン・リタートアップというレンズを通してみるととてつもない成果をあげていたことがわかる
・最初の顧客に何週間か対応するともうひとり増やしても大丈夫な状態になった
→顧客が増えるに従い、顧客を増やすのが楽になっていく
↓ある程度、顧客が増えると
個別対応が難しくなっていく
↓このときになってはじめて
製品開発という形で処理の自動化をスタートした
MVPが段階的に進化するたび、少しずつ時間が節約され、少しずつ多くの顧客に対応できるようになった

コンシェルジュ型のMVPを通して得られるのはその時点で利用している成長モデルではだめだという認識
現実の顧客で成長モデルを体系的に検証する以外に方法はない

▶ カーテンの陰にいる8人は気にしない

アードバーク、主観的な質問に答える検索エンジン
一定の機能をもつ製品を次々とつくることをした
問題の解決方法を検証するためのもので、製品ができるたびにベータテストに使ってもらい、仮説を一つずつ確認あるいは破棄していった ー142に作られた製品の一覧

顧客の質問に答える個人秘書をコンピューターでつくれるのではないか?
MVPとして、どういうものであれば顧客がまた使いたいと思い、友だちに宣伝してくれるのか?という重要な問いの答えを探すことが目的

最終的にはGoogleに買収された

▶ MVPにおける品質とデザインの役割

顧客は製造プロセスのなかでも特に重要な部分である
→価値があると顧客が思う結果を出すことにエネルギーを集中しなければならない ★
→いいかげんな仕事をすればばらつきが大きくなる

スタートアップにおける品質についての原理
★ 誰が顧客なのかわからなければ、何が品質なのかわからない
→低品質なMVPであっても、高品質のすごい製品を作る役にたつ
→MVPは低品質であるとみられることがある
→顧客が気にする属性を知るチャンスということもできる ★

顧客の思いも寄らない反応
有名になった製品にも低品質な状態でリリースされて人気を博したものもある

作るのにどれだけ時間がかかったのかなど顧客は気にしない
顧客が判断するのは自分にとっていいか悪いか

MVP では仮説を検証する勇気が必要
顧客から予想どおりの反応が得られれば仮説が正しかったと考えていいだろう
常に問わなければならないのは、顧客と我々で評価が違っていないかということ ★

求める学びに直接貢献しない機能やプロセス、労力はすべて取り除く

▶ MVPをつくる際の問題

現実のリスクと想像のリスク
法的問題、競合他社に対する恐れ、ブランディングのリスク、意欲に対する影響

特許による保護
競合他社の動きを封じる防御として使われることが多い
しかし、科学的なブレークスルーが競争力の源泉となる業界もあり、そのような業界ではリスクのバランスを慎重に検討しなくてはならない

競合他社にアイデアを盗まれるかもさそれないという不安
→スタートアップの場合、むしろ自分のアイデアや会社、製品を競合他社に知ってもらうことが難しい
↓リーン・スタートアップでは
大企業でその領域を担当するプロダクトマネージャーに盗ませるという課題を与える
→アイデアを知られたら他社の方がうまくやれるなら生き残れるチャンスはない

スタートアップは遅かれ早かれ急迫してくる他社との競争に直面する
勝ちたければほかより速いスピードで学ぶしかない

スタートアップ、すごいブランドをつくりたいと考えているところが多い
ブランドが傷つくことを嫌うなら、MVPを別ブランドで出せばよい
長期にわたる評判に対するリスク
→PRや宣伝で派手な製品発表を行わない限り気にしなくてよい

MVP は悪いニュースをもたらすということを覚悟する
現実という苦い薬をつきつけてくる

▶ MVPから革新会計へ

このジレンマを解消する鍵はサイクルの繰り返しを決めておくこと
忍耐力と柔軟性

MVP とは学びの第一歩にすぎない
一部に不備があり、ビジョンを実現するためにはやり方を変えなければならない
→ピボット

スタートアップが大きな危機に直面するのは社外の関係者や投資家の信頼が揺らいだとき

検証による学びを実現できているかどうか、前進できているかどうか確認できる体系的なアプローチが必要
→革新会計

第七章 計測

立ち上げの瞬間、スタートアップは紙に書かれたモデルに過ぎない
スタートアップがやらなければならないこと
1. 現状を的確に計測し、評価で明らかになった厳しい現実を直視する
2. 事業計画に記された理想に現実の数字を近づける方法が学べる実験を考案する

製品は失敗したとしても魅力がゼロということはない
スタートアップで危ないのはゾンビの世界でうろうろしてしまうこと

▶ 一見つまらない経理で世界が変わる理由

*異なる業界に対応できるアカウンタビリティの枠組み
定量的な財務モデル
成長速度を左右するポイントは3つ
1. 顧客ごとの利益率
2. 新規顧客獲得のコスト
3. 既存顧客のリピート率

これに対して、eBayのような売り手と買い手のマッチング
成長モデルが大きく異なる
ネットワーク効果が重要な役割

事業によって成長の原動力は大きく異なるが、同じ枠組みでリーダーを評価し、その責任を問うことができる

▶ 革新会計の機能 ー学びの中間目標3種

革新会計の働き、三段階
1. 会社の現状をMVPから得る
2. ベースラインの状態から理想状態へエンジンのチューニングを進めなければならない
3. 方向転換するか辛抱するか

学びを効果的に利用していればそのまま続けるのがいいだろう

*ベースラインの設定
スタートアップの進め方
まずは完全なプロトタイプを制作し、主力のマーケティングチャネルを通じて実際の顧客に販売する

スモークテスト
実際にはつくらない、従来式
顧客が製品を使ってみたいと思うか、までがわかる

学びの中間目標の例 ★
事業計画におかれたたくさんの仮説からひとつを選ぶ場合には、なるべくリスクの大きい仮説にすべきだ

*エンジンのチューニング
ベースラインが得られたら、二番目の学びの中間目標であるエンジンのチューニング
スタートアップが行う活動、成長モデルの原動力を強化するものでなくてはならない
前提、新規顧客のアクティベーション率が成長の原動力であり、そのベースラインが望ましいレベルよりも低いという仮説がある
優れたデザインとは顧客の行動を改善するもの★

*方向転換するか辛抱するか
ビジネスモデルの原動力が改善されなければ前進ではない

▶ IMVU における革新会計

コンバージョンレート、顧客数、売上

*製品を1日5ドルで改善していく
当初、ファンネル
顧客の登録数、アプリケーションのダウンロード数、試用回数、リピート回数、販売数量をトラッキング
→入り口の登録から購入へと数字が減っていく性質

*コホート分析 ー166、###image
製品と新しく接する顧客グループの成績を個別にみる
探しているものがはっきりすれば、正しい理解へさっと到達できる
方向転換、生産性で悩むことがなくなった
繰り返し行う実験の総合的な生産性が上がれば、それはピボットが成功したということ

パターンのまとめ★
定量的成果が悲惨になった結果、失敗だと宣言せざるをえなくなり、それが定性的な研究を行うモチベーションやコンテキスト、余地を生む
この研究から検証すべきアイデア ー新アイデアー が生まれ、ピボットの道が開ける
★毎回繰り返されるのは、
ベースラインの設定、エンジンのチューニング、方向転換か辛抱するかの判断

▶ 最適化VS学習

スタートアップの場合、
作るもの自体が間違っていれば、製品やそのマーケティングを最適化しても大きな成果は得られない
スタートアップは、
その製品やサービスを持続可能な事業が構築できるかいなかという高い目標にむけて進捗をはからなければならない

将来予測が必要
製品や戦略に関する意志決定が時間もかかれば難しくもなる

学びの中間目標は、意味のない計画を鉄の規律で実行しているかもしれない状況に着目し、負のスパイラルを防止する

成長のエンジンはあるのに、評価基準をまちがえていることにより、まちがえておかしな道に迷い込む会社が多い

▶ 虚栄の評価基準 ー警告をひと言

IMVU の失敗談 ー174
虚栄の評価基準、たとえば、総顧客数
は捨て、そのかわり、事業や学びの中間目標の判断に使える評価基準を採用すべき
→行動につながる評価基準★

▶ 行動につながる評価基準VS虚栄の評価基準

グロキットの例 ー176
教育関連

MVP をつくった
ひとつだけ問題、顧客数が伸びない

アジャイル開発
1ヶ月のサイクルでひとつのタスクを開発させるスプリントを繰り返し行う形にしていた
スプリントごとにユーザーストーリーをいくつもかき、その月にすべき仕事にすべて優先順位をつける
機能は理解できる言葉で明快に記述
顧客の望みを調べ、必要だと思えば、これから作業にかかるストーリーが蓄えられているプロダクトバックログの中身を自由にいじれる
作業のバッチサイズは1日、2日に収まるようにストーリーはかかれていた

アジャイル開発と呼ばれる理由
素早く軌道修正できる

変化していく事業側のニーズに製品を対応させていくのがエンジニアの仕事であり、事業に関する決定が正しいかいなかにエンジニアは関与しない

*コホートとスプリットテスト
グロキットは成功を測る尺度を二つ変えた
評価尺度を総合的な数字からコホート型へ
事実から因果関係を探すのではなく、新機能の投入をスプリットテストとして利用することにした

スプリットテスト
異なるバージョンの製品を同時並行で顧客に提供する実験
ふたつのグループでの行動の違いを調べる
→違いの影響を調べる
ABテストと同じ意味

*かんばん
製品に優先順位をつけた
ユーザーストーリーは検証による学びが得られてはじめて完結だと考えること

製品開発
プロダクトバックログ、構築中、構築完了、検証中
ー188の###imageが分かりやすい

明確な仮説がなければ、ストーリーは検証のしようがない

検証による学びをベースに生産性を測るようになる

*グロキットにおける仮説の検証
計画的で規律正しいアプローチの運営

▶ 3つの「しやすさ」の価値

行動しやすさ、わかりやすさ、チェックしやすさ★

*行動しやすさ
レポートが行動につながるためには、因果関係がはっきりしていなければならない
虚栄の評価基準は違う

*わかりやすさ
レポートはできるだけシンプルにして全員が理解できるようにする
大事なのは、評価尺度の実体は人である
実体のある具体的な単位を使う
→コホート型のレポートが最高
複雑な行為を分析して人間をベースにレポートできる★

わかりやすさには幅広い人がレポートを利用できるという意味もある

*チェックしやすさ
社員が信じられるデータにしなければならない
顧客とはなす形で検証ができなければならない
これ以外、レポートの真偽を判断する手段がない
このようなレポートを生成する機構をあまり複雑にしないことも重要
→できるかぎりマスターデータから直接作成すべき

アントレプレナーの成功★
製品に優先順位をつける
ターゲットとする顧客や耳を傾ける顧客を選ぶ
グランドビジョンを検証とフィードバックに繰り返しさらす勇気を持つ
革新会計で計測を行う地道な作業が95%

スタートアップにとってもっとも時間がかかり、無駄の源としてももっとも大きくなる意志決定がある
→いつ方向転換するか、いつ辛抱するかの判断★

200

第八章 方向転換(あるいは辛抱)

方向転換するかいなか
製品、戦略、成長のエンジンに関する根本的な仮説を新たに策定し、それを検証できるコースに方向転換する

リーンスタートアップといえど、方向転換するかいなかはっきりと決まるわけではない
ビジョンや直感、判断といった人間的な要素を排除することはできないし、すべきでもない
スタートアップにおける生産性とは、ウィジェットや機能をいくつだしたかで測るものではない
→価値を生み出し成長を促進する製品に対し、役に立つ努力ができているかどうかで測るものだ

▶ 早朝にピボットを可能にする革新会計

ヴォティズン
米の政治システム、21世紀に対応させたい
市民の政治参加を推進したい
最初に考えたのは、有権者のSNS
デビッドが最初に考えたコンセプト4つ ー202

ゾンビの世界にとらわれる
なんとか事業を継続できる程度の成功
もうちょっとがまんすれば成功するのではないか、という気持ちに駆られる
↓デビッドは回避できた
2つの理由
1.大きなビジョンを掲げていたが、できる限り早期に製品をリリースして改良を繰り返す道を選んだ
2.4つの挑戦の要になる問いわ最初から用意、意識していたし、さらにそれぞれについて定量的な予測を行っていた

失敗は学びの前提条件
製品を出荷し、その成果を確認するというやり方の問題は、それが成功を約束されている点

方向転換をする場合、それまでに学んだことの上に片足をおいたまま、戦略を根本的に見直して検証による学びを今まで以上に得られるようにしなければならない
→デビッドの場合、顧客と直接はなしたのがよかった ー207

ズームイン型ピボット★
それまで機能のひとつだとおもっていたことに集中するやり方
→ソーシャル・ロビーイング・プラットフォームへ転換
@2gov
参加型のビジネスから取引型のビジネスへ

検証による学びをしっかりと確認
一生懸命にはたらくのではなく上手に働く

顧客セグメント型ピボット★
製品の機能を変えることなくオーディエンスを変える方法
B2C→B2B

プラットフォーム型ピボット★
アプリケーションを顧客ひとりに販売するのではなく、Googleのアドワーズプラットフォームのような成長モデルにしよう

方向転換のとき、製品の大半を捨てなければならない
レガシーな製品に手を入れるのは大変だが、この苦労を相殺したのが中間目標ごとにデビッドが大変な苦労をして手に入れた学び

▶ スタートアップの滑走路は今後行えるピボットの数で測る

滑走路
スタートアップに残された時間のこと
その時間が終わるまでに離陸できなければ失敗におわる
普通は、月の資本消費率、銀行残高のネットの減少率で銀行残高を割って算出
↓キャッシュが心細くなってきたとき
滑走路を伸ばす方法
1. コスト削減
2. 追加資金の調達

ピボットの数
検証による学びを低コストで、短い期間で同じだけ得る方法をスタートアップは考えなければならない

▶ ピボットには勇気が必要

ピボットを決意したアントレプレナー、もっと早く決断しておけばという
3つの理由
1. 虚栄の評価基準から偽の認識を引き出し、自分だけの現実に生きられるから
2. 仮説が曖昧だと完全な失敗というものもなくなるが、そうして失敗がなくなればピボットに必要な根本的見直しをする気にならない
3. アントレプレナーの多くが怖がっている→失敗を

シリコンバレーのPathの話 ー217
顧客の声に集中する勇気をもっていた
つながれる数を50に制限
→人間が親密な関係を結べるのは一度に50人くらいが限界 ーオックスフォード、人類学者、ロビン・ダンバー

▶ 方向転換か辛抱かの検討会議

ピボットを決めるには、客観的に物事をとらえる必要がある
ピボットの決断、体系的に行わなくてはならない
対策→ピボットの検討会議をあらかじめスケジュールに組み込むのがよい
その会議には、製品開発、事業部門双方が参加しなければならない★

ウェルスフロントの例 ー220
個人投資家にいままで以上の透明性とアクセス、価値を提供し、投資信託業界を根底から変えることをミッション
★異なる可能性を検討しておく
★方向転換するからといってそれまでにやってきたことをすべて捨て、一からやり直す必要はない

▶ 方向転換し損ねる失敗

ピボットは決断しにくく、結局、決断に失敗することが多い

品質が低いMVPとすべき理由
アーリーアダプターが求める以上の機能をつくっても無駄だから
しかし、この論理が通じるのはそこまで、アーリーアダプターで成功したら次はメインストリームで売らなければならない

顧客セグメント型ピボットの実行は難しい
アーリーアダプターからメインストリームへ移行する際に身につけなければならないやり方が正反対だから

▶ ピボットのさまざまなタイプ ー231 ★

ピボットは変化の一種、製品やビジネスモデル、成長のエンジンについて根本的な仮説を新しく設定しそれを検証するための行動をさす

ズームイン型ピボット
ズームアウト型ピボット
顧客セグメント型ピボット
顧客ニーズ型ピボット
プラットフォーム型ピボット
事業構造型ピボット
価値補足型ピボット
成長エンジン型ピボット
チャネル型ピボット
技術型ピボット

▶ ピボットとは戦略的仮説である

ピボットの能力があれば優れた戦略的思考が不要になるわけではない
事業を成功させたいのであれば、ピボットを避けることはできない

★ジェフリー・ムーア
キャズム、トルネード、ボーリングレーン

ピボットがあるからリーン・スタートアップを採用した企業は失敗からたちなおれる
失敗しても失敗だったと気づき、別の道をすばやく、みつけることができる

第三部 スピードアップ

▶ エンジン始動

スタートアップにはその最大の敵である大きな不確実性と戦える組織構造が必要★

どの活動は価値を生み、どの活動は無駄なのか
スタートアップにおける価値とはモノをつくることではなく、検証を通じて持続可能な事業の構築方法を学ぶことだ
顧客が本当に欲しがっているものは?
自分たちの事業はどのように成長するのか?
誰が顧客か?
どの顧客の意見に耳を傾け、どの顧客の意見は無視するべきなのか?

スタートアップの原動力であるスピードと敏捷性を損なわずに成長する方法の検討→第三部

ジャストインタイムスケーラビリティ★
ひとまとめに処理するバッチサイズを小さくした方がいい→第九章

成長を測る尺度→第十章
粘着型、ウイルス型、支出型

順応性の高い組織をつくる方法→第十一章
5 why

第九章 バッチサイズ

リーン・シンキング
封筒を一つずつ仕上げていく、一個ながし
小さなバッチがもつ驚きのパワー

段階的に進む作業において、ある段階から次の段階へ進む仕掛量をバッチサイズと呼ぶ
封筒を一つずつ仕上げた方が効率的な理由
1.段階ごとにまとめてやるやり方、途中まで処理した封筒を並べたり動かしたりしなければならなくなる
2. 繰り返すほどに習熟するという思い込み

バッチサイズが小さければ作業を始めると同時に気づき、方向修正ができる★

段取りの素早い変更は想像以上に難しい
バッチサイズを小さくしたければ既存のシステムやツールについて再発明が必要になる

シングル段取り替え
ツールやプロセスをさまざまな形で改良し、少しずつバッチサイズを縮小していった

バッチサイズが小さいトヨタは多品種の生産が行える

バッチサイズ縮小のメリット
品質上の問題を早期に発見できること
→アンドン
問題を早期に発見して対処するメリットの方が、ラインを止めるコストよりも大きい

▶ 起業におけるバッチサイズの縮小

*IMVUによるバッチサイズの縮小
たとえばiPhone、1500カ所もの改良が巨大バッチとして顧客にリリースされた
プロダクトマネージャ、プロダクトデザイナー

IMVU では新機能をひとつずつ、デザイン・開発・リリースすることにした
ざまざまなテストを自動で行う仕組みを用意し、変更を加える度、製品が当初設計通りの動きをするか否かを確認した

自動防衛の仕組み、製品の免疫系
免疫系が問題を検知するとざまざまな対応がとれる
1.問題の元となった変更は自動的に取り除かれる
2. 関連するチームのメンバー全員に問題が通知される
3. 当該チームはそれ以上の変更ができなくなる。ミスを重ねて事態をややこしくしない予防措置
4. 真因を発見し、問題が解決されたら変更禁止が解除される

継続的デプロイメント→ソフトウェア業界で物議

*ソフトウェア以外における継続的デプロイメント
三種類 ー253
1. ハードウェアからソフトウェアへの移行
2. すばやい製造変更
3. プロトタイプが短時間でつくれるツールや3D印刷ツールの登場

大事なのは
バッチサイズを小さくすれば構築ー計測ー学習のフィードバックを競合他社よりも短い時間で回せるということ

▶ 小さなバッチサイズの効果

デザインワークス社の例 ー255

*教育分野におけるバッチサイズの縮小
世の中のすべての製品のバッチサイズが小さなバッチサイズに変更可能なわけではないが、だからといって時代遅れな方法に安住してはならない

スクールオブワンの例 ー258

▶ 巨大バッチ死のスパイラル

個人レベルで考えるならバッチサイズは大きい方がいい
スキルを高めやすい、責任の所在も明らか、邪魔されず自分の仕事に没頭できる
→理論的には。理論的にはだがいかない。依存関係があるから。

バッチサイズは時間とともに大きくなりがち
バッチを次の段階に進めると追加で作業ややり直し、遅延、割り込みが発生する
→オーバーヘッドが小さくなるようにバッチサイズを大きくしてしまう
→どこまでも大きくできてしまう
→巨大バッチ死のスパイラル

▶ プルで仕事を進める

在庫切れの問題に対応する
理想はサプライチェーン全体で一個流しになるまでバッチサイズを縮小すること★
一直線に並んだ各段階が上流側から必要な部品をひいてくる
→ジャストインタイム方式★

リーン・スタートアップにおける製品開発プロセスでは、行わなければならない実験をプル信号としてそれに反応すると考えるべき

検証したい対象を見つけたらなるべく早く実験方法を考え、実行していく
まず学ぶ必要があるものをみつけ、そこから逆順でその学びが得られる実験となる製品を考える

★つまりポイントは顧客に対する仮説

*クリーンテクノロジーにおける仮説プルの実例


トヨタ生産方式のすごいところ
史上最高レベルの学ぶ組織を作ったところ
プロセスは優れた企業文化の土台にすぎない
その土台がなければ、学びや創造、イノベーションを推進する努力はすべて無駄になる

第十章 成長

▶ 成長の源泉

成長のエンジンとはスタートアップが持続的に成長するために必要とするメカニズム
持続的→瞬間的に顧客を増やすだけで長期的な効果が得られない方法は除外する

*過去の顧客の行動が新しい顧客を呼び込む
その形式 ー272
1. 口コミ
2. 製品の利用に伴う効果
3. 有料広告をつうじて
4. 購入や利用のリピートを通じて

このような力が持続的な成長を支え、成長のエンジンとよぶフィードバックループを回す

▶ 3種の成長エンジン

どのような数字を計測すべきかで往生しがち
どの部分にエネルギーを集中すべきかわかりやすくするのが成長のエンジン

*粘着型成長エンジン
顧客の離反率や解約率に着目する
離反率:ある期間において自社製品を使い続けるのをやめた顧客の割合
顧客の定着率を高める努力、例 ー277

*ウイルス型成長エンジン
オンラインのSNSなど
マーケティングの大半を顧客がしてくれる
ウイルスが感染するように。

成功例としてHotmail ー278
ホームパーティーの例

ウイルス型成長エンジンも定量的に測れるフィードバックループが原動力
ウイルス型ループは、ウイルス係数で測れる
新しく登録した顧客一人当たり何人の顧客が新たに製品を使うようになるか
→その改善に注力しなければならない、ウイルス型成長エンジンならば。

ウイルス型成長エンジンを使う場合にはウイルス係数の改善に注力しなければならない
ウイルス型製品は、直接料金を徴収せず、広告などの形で間接的に収益を得ることが多い
価値仮説の検証では顧客とスタートアップの間で価値が自発的に交換されるか否かをみなければならない ー280

*支出型成長エンジン
新規顧客の獲得コスト
成長速度をあげたければ道はふたつ
顧客あたりの売上を増やすか、新規顧客の獲得コストを減らすか
ほかの成長エンジンと同様にフィードバックが原動力になる

顧客としての生涯を通じてある金額を払ってくれる、ここから製品にかかる変動費をひいた残りが、その顧客の生涯価値 LTV
顧客獲得単価との比較

支出型成長エンジンの回転速度をあげるのは、生涯価値と顧客獲得単価の差、限界利益★

顧客獲得の源にも競争の原理が働く ー284
競争の結果、顧客獲得単価は基本的に上昇していく

*現実的な忠告
同じ事業で複数の成長エンジンが同時に動くことごある
ウイルス型で成長するとともに顧客の離反率がとても低い製品などの場合
利益率と定着率の両方が高い場合

成功するスタートアップはひとつのエンジンに集中することが多い

▶ 成長のエンジンが製品と市場のフィットを決める

www の父、マーク・アンドリーセン
スタートアップが自社製品に共感してくれる顧客を十分にみつける瞬間を製品と市場のフィットと呼んだ ー286

巨大市場とマッチしたとき、輝かしい成果が得られる→疑問の余地はない

製品と市場がフィットしているかという問い
→そうたずねるということはフィットしていない

製品と市場がフィットしていようといまいとピボットの機会はかならずやってくる

構築ー計測ー学習のフィードバックループの回転を革新会計で評価し、エンジンをチューニングするとともに、製品と市場のフィットに向けて進んでいるかいなかを判断すればいい
→大事なのは進んでいる方向と進歩のスピード★

▶ エンジンがガス欠を起こしたら

成長エンジンは始動するのも難しいが、いつか必ずガス欠を起こすという問題がある
→特定の顧客、その行動パターン、好み、広告チャネルと結びついているから

会社というのは、成長のエンジンをチューニングしつつ、そのエンジンがへたったとき新しい成長の源になるべきものを開発するなどさまざまな活動を総合的にマネジメントしなければならないのだ

第十一章 順応

▶ 順応性の高い組織を作る

スタートアップは新しく入った社員に教育訓練を施すべきか?
→ありえませんね。教育訓練は余裕のある大企業にしかできません
→しかし、実際IMVUは教育訓練のプログラムをつくったし、その結果、新人が初日からきちんと仕事ができるようになった

仕事を中断して教育訓練プログラムをつくろうとしなかった点が興味深い

順応性の高い組織

*速すぎることはあるか?
スピードが重要
スタートアップというのは、資源を使いつぶす前に持続可能な事業の構築方法をみつけようと生きるか死ぬかの努力をするものだから

スタートアップには理想的な仕事のペースをみつけるスピード調節器が必要

生産を止めなくてもいいようにするために生産をとめる ートヨタの格言
アンドンの役割
修正可能な問題が発生したらただちに作業をストップすること
つまり原因究明をしなければならない状況をつくること
品質問題を見逃せば、その結果生じた欠陥により後々スローダウンせざるを得なくなる
欠陥があるとやり直しが必要になる

▶ 5回のなぜ

スタートアップにおいても自然なフィードバックループとなるプロセスが必要
スピードが速すぎれば問題が増える
すると順応プロセスにおいてスローダウンし、時間を無駄にしている原因の再発防止策を講じることになる
対策の効果がでれば、スピードがまた上がる

新人の教育訓練プログラム
5回のなぜを通じて少しずつ投資を行い、プロセスを徐々に進化させていく方法
→問題が一番大きな症状を直接的に防止することが目的

技術的にみえる問題も、その根底には人的問題が隠れている
→5回のなぜで人的問題を発掘できる可能性がある

*比例投資
5回のなぜで順応性の高い組織をつくるには、その5つのレベル、それぞれについて比例投資を続ければよい
つまり、症状が軽ければ投資も小さく、症状が重いほど投資を大きくするのだ

*自動調速度機
5回のなぜ、自然な調速機として働く
→問題がおおいほど問題解決の努力も増える
→前進速度が実行だけでなく学習とも連携する

▶ 「5回のだれ」の呪い

陥りやすい失敗
おかしな方向に進んでしまった5回のなぜを5回のだれと呼ぶ
→悪者探しになってしまった例
↓それを避ける手段
1. トラブルの影響を受けた人、全員を集めて真因の追求をすること
→誰かを非難する声があがったら、その場にいる一番えらい人がミスが起きたらそういうミスが簡単に起こらない状況をつくった全員の責任だと釘をさすべき

*最初の一歩
5回のなぜをスムーズに導入するヒント
守らなければならないルール★
1. 初回はどのようなミスに対しても寛大に接する
2. 同じミスは絶対に繰り返さない

*不愉快な現実に直面する★ ー308
5回のなぜ、導入当初、組織のネガティブな部分を突きつけられる覚悟をしなければならない
トラブルが起きたらこの状況にもう一度陥らないためにはどうすればいいのかと自問自答

*スタートは小さく、限定的に
症状が小さいほど、5回のなぜをいつ検討すべきなのか皆に理解してもらいやすい

*5回のなぜ責任者を置く
この方法を適用する分野ごとに置く

▶ 5回のなぜの実例

*お荷物問題に5回のなぜを適用してはならない
ー重要なポイントを無視した例 ー312
1. 新しい問題
2. 関係者は全員
3. このプロセスの目的と原理の説明→不慣れな人もいるはずなので
★315→成功例

▶ 小さなバッチサイズに順応する

QuickBooksの実例 ー318

*一年目 ー失敗を達成する
不備な計画をきちんと実行してしまうこと

*二年目 ーメモリー効果
4つのプロセスで開発プロセスを変えていこうと考えた
1. 小さなチーム
2. 短いサイクルタイム
3. 顧客から早期にフィードバックを得る
4. チームに権限移譲
→あまり成果を上げられず
↓メモリー効果
人間というのは手慣れたやり方や習慣をなかなか捨てられない

*三年目 ー爆発的変化
新しい技術やプロセス、システムの構築にチームを参加させた
素晴らしい新アイデアを中心に機能横断的なチームが設置された
機能コンセプトの段階から顧客に参加してもらった
ー変化を実現するにはコミュニケーションが大切
自分たちがどのような変化を推進しようとしているのか
なぜ推進しようとしているのかを各チームのリーダーが部下に繰り返し伝えた

組織の順応性をあげるには社員の意識を変えることが重要だが、文化の改新だけでは不十分。
→リーン・マネジメントでは仕事をシステムとして捉え、プロセス全体のバッチサイズやサイクルタイムに対応しなければならない
→新しいスピーディーな働き方を実現するツールやプラットフォームに投資しなければならない

バッチサイズを小さくするには技術投資が必要だった

確立された企業になれば話が終わるわけではない。スタートアップの苦労に終わりはない。
大企業であっても新たな成長の原動力を破壊的イノベーションでみつける努力はしなければならないのである。

イモムシがチョウになるなどとよく言われたが、そのようなイメージでスタートアップをみるのはもう正しくない。
スタートアップも大企業もオペレーショナル・エクセレンスと破壊的イノベーションの両方を追求できるようにならなければならない。

第十二章 イノベーション

会社が大きくなっても、成長の能力が失われるとは限らない。
スタートアップが成長するとき、新規顧客の獲得、既存事業の管理、新しいビジネスモデルの探求といった課題と既存顧客のニーズとのバランスをとり、すべてを同時並行にこなしていく方法を学べる組織を構築できるはずだと思う。

▶ 破壊的イノベーションの醸成方法

チームを適切に構築しないとイノベーションの成功はおぼつかない。

自前の資金のスタートアップは、それゆえに必要な組織的特性を備えている
一方、社内スタートアップの場合は経営幹部の支援なしにそのような組織にするのは難しい。
↓3つの組織的な特質が必要になる★
1. 少ないが資源が用意されていること
2. 自分たちの事業を興す権限をもっていること
3. 成果に個人的な利害がかかっていること
★組織は前提条件に過ぎず、成功を約束しないことを忘れてはならない。

*少ないが確実な資源

*自由に開発ができる裁量権
スタートアップチームは、その守備範囲であれば新製品を自由に開発し、マーケティングする権限がなくてはならない。
実験も、計画から実行までに必要な承認が多すぎてはいけない。
チームは全部門をカバーするメンバー構成を強くお勧めする。
すべてについての代表者がフルタイムで参加しているべき。★
きちんと機能する製品やサービスをつくれる能力も必須。

*成果と個人的利害のリンク
成果にアントレプレナーの個人的利害がかかっていなければならない。
独立したスタートアップの場合、その特質はストックオプションなどの持分所有で実現されることが多い。

個人的利害は金銭以外の形でもいいと著者は思っている。
誰がイノベーターであるのかを明確にし、成功時、その製品を生み出したのはその人だと認めてあげるのだ。★

▶ 実験のプラットフォームをつくる

スタートアップチームが自立行動を取る際に守らなければならない基本原則も決める必要がある。
親組織を守る方法、アントレプレナー的な立場にあるマネージャーに責任を問う方法、成功したイノベーションを親組織に戻す方法などを決めておく

*親組織を守る ー耳の痛いことが書いてある ー336, 337

*合理的な恐れ
自分の領域が脅されていると感じたとき、マネージャーは合理的な反応として妨害に走る

*イノベーションをブラックボックスに隠すことの危険性
どうすれば親組織を社内スタートアップから守れるか?★
人間は脅されれば自分を守ろうとするものだし、皆が自己防衛に走っている状態でイノベーションは成功しようがない。★

イノベーションチームは隠すべきと言われるが、それも的外れ
そのイノベーションをある日いきなりつきつけられたマネージャーは裏切られたと感じるだろうし、疑いの念も抱くだろう。
参加しなければ不意を突かれるぞと言われているに等しい。

そう思うマネージャを批判するのはお門違い
ここで批判されるべきは、業務と革新が進められる仕組みを作らなかった上層部である。★

*イノベーションのサンドボックスを用意する
課題になるのは、皆が見ている前でイノベーションチームが力を発揮できる仕組みを作ること★
イノベーションが自由に行えるサンドボックスを作る。
↓その進め方★ ー341
1. 製品やサービスのうち、サンドボックスに入れられた部分のみ、あるいは、一部分の顧客セグメントや領域についてのみどのチームもスプリットテストによる実験を自由に行える、ただし・・・
2. ひとつの実験は最初から最後までひとつのチームが管轄する
3. 実験期間には上限を設定する
4. 実験対象の顧客にも上限を設定する
5. 実験の評価は、行動につながる評価基準が5−10個ある標準報告書1通で行う
6. サンドボックスで作業するチームもそこで作られる製品も、すべて、同じ評価基準で成否を測る
7. 実験を準備したチームは評価基準と顧客の反応を実験中にモニタリングし、大きな問題が発生したら実験を中断する

サンドボックスはごく小さくはじめる ー342
小さなバッチサイズの効果

本物の実験は成否がはっきりする ー343

*社内チームに責任を問う

▶ マネジメントポートフォリオの醸成

企業は4種の仕事のマネジメントをしなければならない
製品の開発。
スケールアップの問題。
オペレーションエクセレンス。
業務コストとレガシー製品。

製品が発展し、次の段階へ移動していくとき、人も一緒に移動するケースが多い

イノベーションは旧来のプロジェクトと資源を取り合うことになるし、才能は不足しがちな資源となる
→ジレンマ

*アントレプレナーは肩書き
このジレンマを抜けるには?
4種の仕事それぞれに対して、異なるマネジメントを行い、それぞれの領域で部門横断的なチームが生まれるようにすればいい。
社員は、製品とともに次のチームに移籍することもできる。
居座って何か新しいことをすることもできる。

大企業で働くイノベーターのキャリアパスとして、アントレプレナーという選択もあってしかるべき。
リーンスタートアップ手法でチームをリードできるマネージャーは会社をさらなければ得意のスキルを発揮できないというのはおかしいし、機能部門のかっちりとしたヒエラルキーになじんでいるかのように振舞わなければならないのもおかしい★

アントレプレナーがイノベーションサンドボックスで生み出した製品は、親組織に吸収しなければならない。
製品を育て、商業化してスケールアップするにはもっと大掛かりなチームが必要になるからだ。
このチームも最初はサンドボックスのイノベーターがリードしなければならない。

*体制側になる
最後の転換は過激なアウトサイダーから体制はへの転換であり、イノベーターにとって受け入れがたいもの。
リーンスタートアップの基になった科学的検討をするのが一番。
提案された変更がどのような結果をもたらすのか、理論的に予想できるか、小さなチームで変更をトライし、何が起きるのか確認できるか。

リーンスタートアップの場合、スペシャリスト一人の効率向上は目的に含まれない
機能横断的に仕事をして検証による学びを得るチームがほしいのだ。
(行動につながる評価基準、継続的デプロイメント、全体的な構築ー計測ー学習のフィードバック・ループなどそのためのテクニックはいずれも、チームメンバーの個人的効率を落とす→大事なのはループ全体を少しでも速く回すこと★)

このようなアイデアをマスターし、さらに深めるには?
同じようなことをしている人々と交わること★

第十三章 エピローグ ー無駄にするな

フレデリック・ウィンズロー・テイラー
[]科学的管理法
21世紀に生きる我々は、テイラーが想像もしていなかった問題に直面
我々は作るべきものを知る能力をはるかに超える生産能力を手にした。
今、我々が問うているのは、作れるのか?ではなく、作るべきなのか?★

テイラーの言葉 ー356
ものをつくるという面では効率があがったが、いまの経済は無駄が多い
無駄の原因は組織の効率が悪いからではなく、まちがった仕事をしているからだ
→しかも産業規模で★
→やってはいけないことを素晴らしい効率で行うほど無駄なことはないのだ ードラッカー

▶ 組織のスーパーパワー

組織を優先すべき
個人の力より組織的な進め方を重視 ーテイラー

将来的には正しく生まれて正しく訓練された人のみがリーダーになるべきだ

検証による学びでチームの責任をどう問うのか、その方法も確立しなければならない。★
→財務モデルと成長のエンジンを明確にした革新会計を使う方法を提案した、しかしこれがベストとは限らない。

▶ 長期株式取引所

長期株式取引所では、利益や利益率を四半期ごとに報告するだけでなく、社内における企業的活動についても革新会計を用いて報告する
役員報酬も、長期的な業績に連動させる
株の売買手数料を高く設定し、日計り商いや株価の乱高下を最小限に抑える、そのかわりに、長期株式取引所に上場した企業は長期投資ができるようにマネジメントの裁量権を拡大したコーポレートガバナンスが採用できる

▶ まとめ

リーンスタートアップ活動を進めるにあたり、狂信的な硬直化したイデオロギーにならないように注意が必要★
→科学的であるとは定型的であるとか、非人間的な仕事の進め方であるとか、おかしな印象を広めないように注意しなければならない★

リーンスタートアップを活用した組織的なスーパーパワーを手にしたらどうなるか
・仮説を明示し、その仮説について的確な実験を行うべきだとみながいうようになる
もちろんごまかす口実としてでも、仕事のための仕事をつくるためでもなく、各仕事を支えるビジョンについて真実を明らかなにしようと思って、である
・品質ばかりを重視する陣営としゃにむに進もうとする無謀派との間でいつまでも議論をくりかえし、時間の無駄遣いをすることがなくなる
逆にスピードと品質が顧客の長期的なメリットを追求する二本柱になる
・失敗や挫折があっても悪者探しや避難はせず、正面から向き合い、そこから学ぶ★

そして時間の無駄遣いがなくなる

第十四章 活動に参加しよう

リーンスタートアップをさらに勉強していくにあたってのリソースの共有
イベント、書籍、ブログ

▶ 必読情報源

The Lean Startup.
The Lean Startup | The Movement That Is Transforming How New Products Are Built And Launched
リーンスタートアップ・ミートアップ
Lean Startup Meetup Groups - Lean Startup Meetups
リーンスタートアップ・ウィキ
The Lean Startup Wiki / FrontPage
リーンスタートアップ・サークル
Google Groups
スタートアップの教訓会議
Startup Lessons Learned Conference
Bookreview of "The Four Steps to the Epiphany" by Eric Ries.
Lessons Learned: What is customer development?
Steve Blank
The Entrepreneur’s Guide to Customer Development
Lessons Learned: The Entrepreneur’s Guide to Customer Development
500 Startups
Master of 500 Hats

  • そのプレゼンテーションと著者の感想

Lessons Learned: The three drivers of growth for your business model. Choose one.
ショーン・エリスのブログ
スタートアップのマーケティングを考える時の参考に
Startup Marketing Blog - By Sean Ellis
アンドリュー・チェンのブログ
ウイルス型のマーケティングやスタートアップ向けの評価尺度、デザインなどについて
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ババーク・ニビのブログ
Venture Hacks - Good advice for startups.

  • エンジェルリスト(世界のスタートアップと投資家を結ぶ)

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ランニング・リーン
Running Lean: Iterate from Plan A to a Plan That Works.
ソフトウエアのスタートアップの早期について
ショーン・マーフィー
SKMurphy, Inc.
ブラント・クーパー
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▶ 参考書
▶ ディスクロージャー
▶ 謝辞
▶ 訳者あとがき
▶ 解説

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